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公益財団法人日本ユニセフ協会
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シリア緊急募金 第155報
2014年ユニセフ活動レポート更新
シリア難民の受入国が直面する課題

【2015年2月15日 シリア/シリア周辺国発】

2011年3月に勃発したシリア危機は、発生から5年目に突入しようとしており、今も終焉の兆しが見えないままです。2014年11月時点でシリア国内及び周辺国に避難を余儀なくされた人々は1,090万人に上り、うち330万人は、レバノンやヨルダン、イラク、トルコ、エジプトで難民となっています。これらの避難民・難民のうち、52%が子どもたちです。

シリア危機 2014年 年間活動レポート(2015年2月15日更新)

冬服を受け取ったシリア難民の子どもたち。(レバノン)
© UNICEF/NYHQ2014-3217/Haidar
冬服を受け取った、レバノンのベッカー高原に身を寄せるシリア難民の子どもたち。

ユニセフのシリアとその周辺国(ヨルダン、レバノン、イラク、トルコ、エジプト)における2014年 年間活動レポート(2014年1月〜12月)から、支援活動のハイライトをご報告します。(※2014年12月19日発表の2014年のユニセフの支援成果、活動ハイライトから更新された情報のみ掲載します)

予防接種:ポリオ封じ込めに成功
シリア国内と周辺国で、ユニセフは2,500万人以上の子どもたち(シリア国内で290万人)にポリオの予防接種を実施し、ポリオ封じ込めに成功しました。

水と衛生:安全な飲料水の提供
ユニセフとパートナー団体は浄水剤を配布し、シリア国内で1,650万人以上、周辺国の難民受け入れ地区やキャンプにおいても210万人が、安全な飲料水の提供を受けました。

教育:学校へ戻ろうキャンペーン
2013/2014年度に「バック・トゥ・スクール(学校へ戻ろう)」キャンペーンの支援を受けた87万人の子どもたちに加え、2014/2015年度は同キャンペーンの支援を受けた子どもたちは284万2,636人(目標人数の98%)に達しました。周辺国においては、37万2,000人以上の子どもたちが学用品の提供を受けました。

子どもの保護:心のケアの提供
シリア国内で約30万人(目標人数の60%)、周辺国においては64万5,000人以上(目標人数の93%)の子どもたちに心のケアを提供しました。

厳冬をのりきる支援物資
シリア国内の40万人の子どもたちに冬用の防寒着や毛布を提供しました。周辺国の56万5,000人の子どもたちに防寒品や、衣類交換券、給付金の支給を行いました。

* * *

さらなる課題:シリア難民の受け入れ

ユニセフはパートナー団体と協力して、「子どもにやさしい空間」で避難民の子どもたちへ心のケアを行っている。(イラク)
© UNICEF Iraq/2015
ユニセフはパートナー団体と協力して、「子どもにやさしい空間」で避難民の子どもたちへ心のケアを行っている。(イラク)

23万5,000人のシリア難民が周辺国であるイラクに避難している一方で、イラク国内で発生している武力衝突により、2014年1月以降、220万人のイラク人が国内避難を余儀なくされています。イラクに避難しているシリア難民の多くが、イラクの国内避難民と同じ地域に避難しており、避難民受け入れ地区の負担が増大しています。

2015年末までに、427万人に達するとみられているシリア周辺国のシリア難民。

シリア危機が長期化するなか、シリアや周辺国、国際社会には、命を守るために必要不可欠な人道支援を継続的に実施することが求められています。

2015年の人道支援は、避難民を受け入れている地域において、シリア危機の影響を受けた人々、家族、コミュニティや施設に対し中長期的な“レジリエンス”構築のための努力が必要とされています。

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