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公益財団法人日本ユニセフ協会
 

バヌアツ:
大型サイクロン・パムが直撃
緊急支援を待つ子どもたち、6万人

【2015年3月15日 スヴァ(フィジー)発】

バヌアツの首都のサイクロン被害の様子。
© UNICEF/NYHQ2015-0429/UNICEF Pacific
3月14日、バヌアツの首都のポートビラの被害の様子。

サイクロン・パムの直撃を受けた太平洋諸島のバヌアツで、多くの子どもたちが緊急の支援を必要としています。

子ども6万人が被災

ユニセフ太平洋事務所副代表 イサベル・オースティンは、「バヌアツでは、およそ6万人の子どもたちが被災しました。ユニセフは、子どもたちの保健、栄養、安全、学校そして災害からの回復に関して懸念しています」と述べています。

勢力の強さが5段階で最大の「カテゴリー5」に発達したサイクロンは、3月13日(金)の夜から翌14日(土)の朝にかけてバヌアツで猛威を振るい、子どもたちは大きな危険に晒されました。

サイクロンが直撃した首都ポートビラにいたユニセフ職員のアリス・クレメンツ(Alice Clements)は、「この世が終わるのではないかと思いました。信じられないほどの強い風が吹き、屋根ははぎとられ、家々は破壊され、学校や病院も被害を受けました。数えきれないほどの家庭が引き裂かれ、コミュニティは廃墟となってしまいました」と直撃時の様子を語ります。

安全な水が使えず、感染症リスク高まる

バヌアツの首都のサイクロン被害の様子。
© UNICEF/NYHQ2015-0427/UNICEF Pacific
3月14日、バヌアツの首都のポートビラの被害の様子。

バヌアツのいたるところで、安全な飲み水やトイレなどが使えなくなっています。避難所となっている場所でも同様の状況であるため、汚れた水に起因する病気や、生き物が媒介する病気の発生リスクが非常に高くなっています。ユニセフは、パートナー団体と共にバヌアツ政府を支援し、水を運ぶ容器、浄水剤、石けん、仮設トイレなどの支援物資を提供しています。

ユニセフは、また、主要な社会サービスへの影響についても、調査を開始しました。幼稚園、小学校、中学校などの施設は、被害を受けているか避難所として使用されているため、少なくとも7万人の子どもたちが教育を受けられない事態に陥っています。

ユニセフは、子どもたちとその家族を支援するため、避難所で、子どもの保護、教育、保健サービスの支援活動を展開しています。

はしか予防の緊急対応

サイクロンに見舞われたバヌアツの首都で、避難する家族。
© UNICEF/NYHQ2014-0433/UNICEF Pacific
3月15日、バヌアツの首都ポートビラ郊外で、荷物を運ぶ家族。

また、バヌアツは予防接種率*が低く今月のはじめにははしかの流行が確認されていたため、ユニセフはWHO(世界保健機関)と共同で、はしか予防のための緊急対応を行っています。ユニセフのチームは、緊急用の備蓄燃料を使ってワクチンのための冷蔵倉庫を復旧し、子どもたちに命を守る予防接種を行う体制を整えています。

ユニセフはまた、同様にサイクロンの被害を受けているツバルやソロモン諸島での支援活動も進めています。

*バヌアツのはしかの予防接種率はわずか52%(世界の平均は84%)

ユニセフの支援活動

首都ポートビラがあるエファテ島では、建物の9割が被害を受けていると推定され、現在島内28カ所の学校が避難所となっています。またトーバ州、ぺナマ州でも6つの学校が避難所となり、2,000人以上が避難をしています。それ以外の学校は被害が大きく、学校再開のための仮設教室の設置が急がれています。ユニセフは、すでに仮設教室用のテント、学用品セット、幼児のためのおもちゃなどを準備し、追加の資材も手配しています。

ユニセフは、教育のほか、保健・栄養、水と衛生、子どもの保護の分野で、人道支援の中心的な役割を担います。状況を把握するための緊急調査がこの週末に行われましたが、遠隔地も含めたより詳細な調査結果が、今週後半には明らかになる予定です。

* * *

日本ユニセフ協会は、バヌアツのサイクロン被害を含め、自然災害で被災した子どもたちや家族に対するユニセフの緊急・復興支援を支える『ユニセフ自然災害緊急募金』を受け付けています。みなさまのあたたかいご協力をお願い申し上げます。

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