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![]() 地震や津波、洪水、台風やサイクロン、干ばつなどの自然災害は人びとを襲い、失望や不安に陥れ、その後の生活 に大きな影響を与えます。また、世界では、4人にひとり(5億3,500万人)の子どもが、災害や紛争、不安定な情勢など、緊急事態下の国や地域で暮らしているとされ、子どもたちは最も脆弱な立場に置かれています。ユニセフは、子どものニーズに対応するために、子どもの保護のための活動を行ったり、子どもに衣服や教育キットを提供し、子どもたちが安全な環境で生活を続け、日常に戻れるよう支援しています。 一方、これらの自然災害の中には、その被害状況にもかかわらず、報道が少なかったり、長期間継続しているために人々の注目を集めず、支援が必要にもかかわらず十分な資金が集まらないものがあります。自然災害緊急募金へのご協力により、このような忘れられた自然災害の被災者を迅速に支援することが可能となります。みなさまのご支援をどうぞ宜しくお願いいたします。 地震や洪水、干ばつなどの自然災害が世界各地で頻発しており、自然災害緊急募金に寄せられたご寄付は、ニーズや資金調達状況を鑑み日本ユニセフ協会とユニセフが最も適切となるよう配分します。特定の自然災害のみに限定したご寄付とはなりませんことをご了承ください。 ユニセフ・自然災害緊急募金にご協力ください。リビア洪水![]() リビア東部デルナで発生した洪水による被害(リビア、2023年9月11日撮影/AFP) 2023年9月10日、「ストーム・ダニエル」と呼ばれる激しい暴風雨が、北アフリカのリビアを直撃。ダムが決壊し、多くの家屋、病院、学校、重要なインフラに甚大な被害が出ています。 報道によると、この災害で5,000人以上が死亡、さらに多くの人が行方不明になっています。少なくとも3万人が学校などで避難生活を続けていますが、周囲から孤立している被災地域へのアクセスが課題です。この災害により、リビア東部全域で、推定30万人近くの子どもが影響を受けています。 ユニセフ・リビア事務所は、この緊急事態に際し、1,100セットの衛生キットや1万人分の命を守る医療物資、500人分の子どものための衣類キットなどの配布をするなど、現地で緊急支援を行っています。その他にも、安全な飲料水や医療物資の提供、移動式保健チームの派遣、心理社会的支援の提供、および家族と離ればなれになった子どもの再会支援が、当面の優先事項です。 ユニセフは、リビア洪水の緊急支援に必要な資金として、少なくとも650万米ドルを必要としています。(2023年9月14日時点) トルコ・シリア地震![]() 地震で倒壊した建物の瓦礫から小さな子どもを救助する地域住民たち。(2023年2月6日撮影、シリア北西部) 2023年2月6日、トルコ・シリア国境付近で大地震が発生し、子どもたちと家族が危機下に置かれています。この2カ国で約56,000人の死亡が確認され、またトルコで400万人の子どもが支援を必要とし、シリアでは370万人の子どもが今回の地震で影響を受けています(8月時点の情報) 被災地域では、学校、病院、その他の医療・教育施設、また、道路や重要なインフラにも被害が及んでいます。トルコでは、240万人がテントや仮設住居など、その場しのぎの避難所で生活しており、そのうち160万人が基本的な社会サービスを受けられていません。シリアでは、上下水道のインフラが大きく損なわれ、650万人がコレラなどの感染症の高いリスクにさらされています。 シリアでは多くの人が水や食料、緊急医療・心理社会的な支援を必要としており、ユニセフはシリア北西部で給水所の設置や保健・栄養の予防・治療サービスの提供、被災した学校の再開に向けたサポートやリクリエーションキットの配布などを行っています。またトルコにおいてユニセフは、政府などと連携し、災害時に子どもたちが安全に過ごすことができる「子どもにやさしい空間」を設置し、心のケアを提供しているほか、ワクチンや医療物資、家庭用衛生キットなどを提供しています。 ユニセフは被災した子どもたちとその家族を守るために、水と衛生、子どもの保護、栄養や教育などに焦点を当てた人道支援を展開しています。 パキスタン洪水![]() バルチスタン州から避難してきた家族。(2022年8月18日撮影) 2022年8月29日- モンスーンの時期にあるパキスタンでは、ここ数週間にわたり、100年来の記録を更新する降水量となり、過去30年の平均降水量の5倍以上の量の雨がパキスタン南部に降り続きました。今年のモンスーンによる豪雨で、大規模な洪水や地滑りなどの被害が出ており、1,600万人の子どもを含む3,300万人が影響を受けています。さらに、パキスタンの4州のうち3州(シンド州、バロチスタン州、パンジャブ州)で大規模な鉄砲水や浸水が発生しており、この洪水により340万人の子どもを含む640万人が深刻な影響を受けています。 約20万戸の家屋が全壊し、45万戸が被害を受け、また、約1万8,000の学校が損壊しました。70万頭以上の家畜が死亡し、200万エーカーの作物が失われ、3,000km以上の道路が被害を受け、さらに145カ所の橋が喪失もしくは現在安全に渡れる状態ではありません。洪水による死者は1,000人を超え、死者数は増え続けています。 厳しい状況をさらに悪化させているのは、最も被害の大きかった66の地区の多くが、パキスタンで最も脆弱な地区であるということです。すでに高い栄養不良率、水と衛生設備へのアクセスの悪さ、就学率の低さ、その他さまざまなものを奪われている子どもたちが、家も学校も、そして飲み水さえなく、困窮し取り残されています。これらの地区のいくつかは、最近アフガニスタンの不安定な状況から逃れてきた40万人以上の難民の受け入れ先にもなっています。 ユニセフは、被災した3つの州すべてに事務所を設置しています。政府、他の国連機関、NGOのパートナーとともに、手元にある資源と備蓄している物資を活用して、緊急かつ命を守る支援を行っており、すでに100万米ドル相当の緊急支援と物資を届けました。被災した子どもと家族が1日でも早く日常生活を取り戻せるように、安全な飲み水や衛生用品等の緊急支援物資の提供、教育の再開支援、災害により心に傷を負った子どもの心理社会的サポートなど、ユニセフが被災地で行う緊急・復興支援活動を支える3,700万米ドルの資金を国際社会に求めています。
ユニセフは、現地の情勢がどのように変化しても、子どもたちの命綱としての役割を貫くとともに、子どもたちが未来への希望を失わないよう、安心して過ごせる環境を一日も早く整えていきます。ユニセフ「自然災害緊急募金」に、どうかご協力をお願い申しあげます。 |