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公益財団法人日本ユニセフ協会
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サイクロン・パム
今週から段階的に学校再開へ
ほとんどの島で水不足が続く

【2015年3月26日 バヌアツ発】

大型サイクロンの甚大な被害を受けたバヌアツを含む太平洋の島々。ユニセフの情勢レポート(2015年3月25日〜26日分)より、サイクロン・パム被災地の状況とユニセフの活動ハイライトをご報告します。

* * *

ハイライト

学用品や通学かばんなどの支援物資。
© UNICEF Pacific/ 2015
被災した子どもたちのために、学用品や通学かばんなどの支援物資を準備。
  • バヌアツのほとんどの島では深刻な水不足が起こっており、衛生環境の悪化や医療の不足による病気の広がりが危惧されています。特にアクセスが困難な離島の子どもたちは、厳しい状況にあります。
  • 学校は、今週から徐々に再開する見込み。ユニセフは仮設教室の設置や教材の調達、幼稚園のためのおもちゃなどの支援を急いでいます。
  • ユニセフの物資調達チームはWFPと共同で、バヌアツの空港に、すべての国連機関やNGO団体に届く支援物資に対応する、支援物資の一時保管施設を設置しました。
  • ソロモン諸島の中で最も被害が大きかったテモツ島へ、石けんや浄水剤、水容器などの衛生支援物資を提供しています。
  • ツバルにも支援が届きはじめ、状況は改善に向かっています。

バヌアツ

バヌアツなどの被災地に医薬品などの支援物資を輸送。
© UNICEF/2015/Gaelle Sevenier
バヌアツなどの被災地に医薬品などの支援物資を輸送。

バヌアツ政府は、すでに避難所閉鎖を支持しており、3月28日までに80%を閉鎖する方向。現在、当初43カ所に設置された避難所のうち、19カ所が使用されており、1,060人が避難生活を送っています。

<教育>

  • 学校は、今週から3月30日にかけて、段階的に再開される予定です。避難所として使用されている学校はすでに2校にまで減っていますが、校舎が被災している学校も多く、ユニセフは、仮設教室の設置などの支援を急いでいます。
  • 教育部門の調査で、タフェア州、トルバ州、ぺナマ州、マランパ州、シェファ州では50%の学校が被災していることが確認されました。被災した400校のうち250校の校舎や設備が損傷しています。
  • 幼稚園児から中学生までの3万人の子どもを対象に教育支援を展開しており、すでに1万3,000人が緊急教育支援物資の支援を受けています。

<保健・栄養>

  • 6つの予防接種チームがポートビラ周辺の村々を巡回し、9日間で5歳未満児8,707人にはしか、ポリオ、破傷風の予防接種を実施しました。この重要なキャンペーンを継続するため、追加のワクチンが23日に到着。ポートビラでは1万人を目標に活動を続けます。
  • 乳幼児の栄養についての重要なメッセージをラジオで流したり、妊産婦向けの栄養指導リーフレットを配布するなど、栄養不良を防ぐ支援を進めています。

<水と衛生>

  • 各地で雨水貯水タンクが破損したり水源が汚染されており、バヌアツのほとんどの島で深刻な水不足が生じ、およそ11万人の人々が、安全な水にアクセスできない状況です。
  • ユニセフは、水の運搬用の貯水タンクや容器をポートビラ周辺をはじめ各島に届けると同時に、石けんや衛生用品の支援も行っています。

<子どもの保護>

レクリエーションキットを含む、子どもの保護のための支援物資がバヌアツに到着。
© UNICEF/2015/Gaelle Sevenier
60セットのレクリエーションキットを含む、子どもの保護のための支援物資がバヌアツに到着。子どもたちが安全な場所で遊び、心の傷を癒すことができるようにするための支援も行われている。
  • フィジーから発送されたレクリエーションキット60セットが海路で到着し、子どもたちが安全に遊べる空間の設置についてパートナー団体と協議をしています。
  • 政府やパートナー団体とともに、女性への暴力に関する心理・社会的ケアや実際のケースへの対応に関する計画を策定中です。

周辺諸国

  • ツバルでは、非常事態宣言が3月27日まで延長されました。ユニセフは、子どもたちの脱水症を防ぐ経口補水塩を、追加分を含め合計4,000袋届けました。
  • ソロモン諸島の中でもっとも被害が大きかったテモツ島へ、石けん、浄水剤、水容器などの衛生資材を船で届けています。
  • キリバスでおこなわれた被害状況調査では、2,174人が被災したと推定されています。

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■バヌアツの状況 (3/25-26現在・国連まとめ)

  • 被災者数:22の島で16万6,000人、うち8万2,000人が子ども
  • タンナ島では3万人が被災し、家屋の50%が倒壊
  • 学校再開支援を必要としている子ども:5万7,000人
  • 安全な学習環境を必要とする子ども:5万人
  • これまでにユニセフが予防接種を実施した5歳未満の子どもの人数:8,707人

■ソロモン諸島の状況
テモツ州の被害が甚大

ユニセフは6月までの3カ月間の緊急支援に必要な480万米ドルの支援を国際社会に要請。2015年末までには、さらに250万米ドルが必要と発表

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