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公益財団法人日本ユニセフ協会
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サイクロン・パム
ユニセフ、学校再開へ向けて支援
学齢期の子どもたち3万人へ

【2015年3月30日 ポートビラ(バヌアツ)発】

被災した子どもたちのために、学用品や通学かばんなどの支援物資を準備するユニセフ職員とボランティアスタッフ
© UNICEF/UNI181303/Waradi
被災した子どもたちのために、学用品や通学かばんなどの支援物資を準備するユニセフ職員とボランティアスタッフ

サイクロン・パムにより被災したバヌアツで、正式に学校が再開されることになり、ユニセフは、幼児から中学生までの学齢期の子ども3万人に支援を提供するため、パートナーとともにバヌアツ政府を支援しています。

半数の学校が被災

早期調査報告によると、タフェア、トルバ、ペナマ、マランパ、シェファにある学校の半数が被災しました。被災した早期幼児教育施設や小学校、中学校はあわせて400にのぼり、そのうち250がインフラ設備や施設、資材に影響を受けています。

ユニセフは、バヌアツ政府やパートナー団体との協力の下、緊急支援を実施し、教育用資材やレクリエーション用資材、教室用の仮設テント、子どもたちが使う学用品などを提供しました。これらの支援によって、早期に授業を再開することができます。初回に輸送されたこれらの支援物資は、シェパード島やエフェテ島など、被災状況が深刻な子どもたちの元にすでに届けられており、さらに追加の物資がバヌアツ全土の被災したコミュニティに届けられる予定です。

学校に戻れない子どもたちも

国全土で学校が再開され多くの子どもたちが学校に戻ってくる一方で、今後長期間にわたり学校に戻れる見込みのない子どもたちもいます。イフィラ(Ifira)島のジョイリーンさん(16歳)の学校はサイクロンによって全壊し、学校再開までには長くて2カ月を要するとみられています。それに、学校が部分的にしか被害を受けていない場合であっても、学校に戻る子どもたちの人数が少ないコミュニティもあります。

エフェテ島にある聖ジョセフ小学校のキャサリン・ワーサル副校長は、全生徒330人のうち、学校が再開された日に登校した生徒はたった170人であったと報告し、「学校に戻ってこない生徒たちを心配しています。実家が被災し学校に戻ってくることができないようです。その生徒たちは学校に通うのが大好きでしたから、早く学校に戻ってこられるよう願っています」と述べています。

被害が大きかったタンナ島では、レナケル・プレスビテリアン大学のシム・ジョージ校長が、授業を再開するかどうかの決断を迫られています。10ある教室のうちの6つの教室と、食堂、男子寮、教師用宿舎が被害を受け、教育用資材もすべて損傷しました。「日常を取り戻すまでには、ある程度の時間が必要です。なかでも、重要な試験を控えていた最高学年の生徒たちは、特に大きな影響を受けています。生徒たちが受ける影響を少なくするためにも、どうにかして、場所を問わず、可能な限り早急に学校を再開させたいと考えています」(シム・ジョージ校長)

一日でも早く学校を再開することの重要性

ユニセフ太平洋事務所代表のカレン・アーレンは「緊急事態が起こった直後は、子どもたちが学校に戻ることは、たとえ教室が仮の場所や施設であったとしても、非常に重要なのです。なぜなら、学校という場所は子どもたちの安全を守り、教育の中断を最小限にすることで子どもたちは予定されている試験に向けて前進することができ、学校生活を送ることで被災した子どもたちは安定した日常を取り戻すことができ、それは精神的な回復の支えとなるからです」と述べています。

バック・トゥ・スクール(学校へ戻ろう)

ユニセフはまた、学用品の詰まった通学かばんを、サイクロンで被災したツバルの子どもたちに届けています。9つの島から成る島国ツバルは、大型サイクロン・パムが引き起こした高潮により大きな被害を受け、非常事態を宣言しています。

今後数週間にわたり、ユニセフは学校と密に連携して支援活動を続けます。これは、サイクロンで被災したすべての子どもたちが再び学べるよう、バヌアツ全土で行われる取り組みの一環として実施されます。

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