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公益財団法人日本ユニセフ協会

4月24日〜30日は「世界予防接種週間」
今年のテーマは“格差を埋める”
予防接種で守りたい150万人の命

【2015年4月23日 ニューヨーク/東京発】

毎年4月24日から30日は世界予防接種週間です。世界予防接種週間は、世界中で多くの幼い命を守っているワクチンの重要性について再認識してもらえるよう、毎年4月下旬に設けられています。

今年のテーマは「“Closing the Gap”= 格差を埋める」。社会から最も取り残された子どもたちへ予防接種を届けることに焦点を置き、すべての子どもたちが予防接種を受けられる世界の実現を、国際社会に訴えます。

予防接種で守ることのできる150万人の命

ポリオの予防接種を受ける1歳半の赤ちゃん。
© UNICEF/NYHQ2011-2460/Sokol
ポリオの予防接種を受ける1歳半の赤ちゃん。(南スーダン)

予防接種によって、毎年推計200万人〜300万人の子どもたちの命が、ジフテリアや破傷風、百日咳、はしかなどの感染症から守られています。1990年、世界で5歳の誕生日を迎えることなく亡くなる子どもは年間1,270万人でしたが、2013年には630万人にまで減少しました。これは毎日1万7,000人の子どもの命が救われていることになり、予防接種事業は、この成果に大きく貢献しています。

その一方で、毎年150万人以上の子どもが、予防接種で予防可能な病気で死亡しています。もしこの子どもたちが予防接種を受けることができれば、毎年150万人の子どもの命が守られることになります。

予防接種事業は、公衆衛生分野の支援活動の中でも、最も費用対効果が高く、最も成功している事業です。そのため、次世代にわたって私たちが投資できる最も費用対効果の高い公衆衛生事業なのです。もし世界の72の最貧困国において、既存の予防接種事業をより拡大すれば、640万人の命を守ることができ、62億ドルの治療費用と1,450億ドルの生産性の喪失を回避できる可能性があります。

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予防接種に関するファクト

<概要>

診療所に訪れた親子。
© UNICEF/ZAMA2011-0019/Nesbitt
携帯電話のSMSで生後6カ月の赤ちゃんのための予防接種を受けるように促すメッセージを受け取り、診療所に訪れた親子。(ザンビア)
  • 毎年推定200万人〜300万人の子どもたちが、予防接種によって、ジフテリアや破傷風、百日咳、はしかの感染症から命を守られている。
  • 毎年150万人以上の子どもが、予防接種で予防可能な病気で死亡している。もしこの子どもたちが予防接種を受けることができれば、毎年150万人の子どもの命が守られる。
  • 2013年、2,180万人の子どもたち−およそ5人にひとりの乳児が予防接種を受けることができなかった。この子どもたちは、予防接種を受けられないことで死や障がいのリスクに晒されており、人生においてだれもが享受すべき平等な機会を失っている。
  • 子どもたちが予防接種を受けられない理由はさまざまある。辿り着くのが困難なコミュニティで暮らしていたり、貧困によって社会から取り残されていたり、紛争でアクセスが遮断されているなど。経済的により豊かな環境で暮らしている子どもたちと比較すると、低・中所得国における最貧困層の子どもたちは、5歳未満で死亡するリスクが2倍。
  • 仮にすべての子どもたちが予防接種を受けることができれば、2011年から2020年の間に、2,500万人の命が守られることになる。

<破傷風>

  • 妊産婦・新生児破傷風は、世界のおよそ25カ国で公衆衛生分野の課題となり続けている。2013年だけで、およそ5万人の新生児が破傷風により死亡している。
  • 予防接種の普及で、1999年以降、リスクが最も高い59カ国のうち34カ国で妊産婦・新生児破傷風が根絶された。

<ポリオ>

はしかの予防接種を受けにきた親子たち。
© UNICEF/NYHQ2015-0577/Zaidi
人里離れた村の子どもたちも予防接種を受けることができるよう、保健員が村を訪問している。はしかの予防接種を受けにきた親子たち。(パキスタン)
  • 26年前の1988年、世界では年間35万人がポリオに感染していたが、2013年には年間416人にまで減少。現在、ポリオ常在国はアフガニスタン、ナイジェリア、パキスタンの3カ国。
  • 政治的努力とコミュニティを巻き込んだ活動により、アフリカ大陸においては、2014年8月以降、野生株ポリオ・ウイルスが確認されていない(ポリオ常在国の一つであるナイジェリアを含む)。

<DTP>

  • 2013年、推計84%の乳児が、ジフテリア、百日咳、破傷風の3種混合ワクチン(DTP)を3度にわたり接種することができた(1980年にはたった20%)。ジフテリア、百日咳、破傷風は、5歳未満の子どもが感染すると死に至る恐れがある感染症。

<はしか>

  • はしかの予防接種により、2000年から2013年の間に1,560万人近くの命が守られた。しかし現在も、感染力の高いはしかに感染する人は毎年2,000万人以上いる。
  • はしかによって命を落とす子どもは、毎日330人。その多くがアフリカとアジアの子どもたち。

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ユニセフはまた、子どもたちに予防接種を届ける際に、栄養不良を防ぐためのビタミンA補給剤、マラリアから守るための殺虫剤処理を施した蚊帳、寄生虫対策のための虫下しの配布などの保健ケアも提供しています。

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