(財)日本ユニセフ協会

ボリビア アイマラ族のお母さん アルミンダさんのお話

アルミンダさんには、2人の男の子がいます。いつも女の子が授かるといいわ、と待ち望んできました。そうして授かったジュディス・マリエルちゃんは今、生後5ヶ月。ジュディスちゃんは、2人のお兄ちゃんと同じように、家で産まれました。アルミンダさんは妊娠中に検診などのケアを受けていません。先住民族アイマラ族の一員であるアルミンダさんは、保健センターに行けば、悪いことをされたり、差別を受けたりすると考えていたのです。

アイマラ族の人々はベルーとボリビアにまたがる中央アンデス地域に暮らしています。ボリビアでは、経済的な理由より、むしろ地理的・文化的な壁が、この地域の5歳未満児死亡率を下げる妨げとなっています。

ボリビアは近年、妊娠した女性と5歳未満児の著しい健康改善を達成してきました。これは、政府がこの問題に資金を投じるようになったことと、特に貧しい地域における基礎保健サービスが改善されてきたためです。

しかし、それでもなお、ボリビアの乳児死亡率は、かなり高いのが現実です。新生児の死亡は、5歳未満児の死亡の半分以上を占めています。そして、新生児の死亡の65%以上が、農村地域で起きています。死因は、感染症、低体重での出生、早産などです。

過去10年の間に、カリブ海とラテンアメリカ諸国では、5歳未満児死亡率の削減について大きな前進を遂げました。その一方で、取り残されてしまったグループの状況の悪さが顕著になってきました。貧困にあえぐコミュニティや、先住民族のコミュニティでは、死亡率は下がっていません。ラテンアメリカ諸国ではおよそ1億1000万人が貧困の中で暮らしており、40万人の5歳未満児が、予防可能な病気や妊産期のケア不足により命を失っています。

アルミンダさんは、幸運にも、首都ラパス市内にあるエル・アルト地区のコミュニティの自治会に所属していました。その自治会では、ユニセフとその協力団体が進めていた“新しいスタート”と名付けられたプロジェクトが実施されていました。プロジェクトの目的は健康に関する様々な取り組みを実践することです。

毎週の自治会の会合で、アルミンダさんは、ほかのお母さんたちと一緒に、子どもの健康のこと、特に赤ちゃんをどう世話したらよいかについて学ぶことができました。最近の会合で、アルミンダさんは、誇らしげに友人たちにこう告げました。

「この前、ジュディスは初めて予防接種を受けたわよ」

(2004年10月8日 ラパス・ボリビア)

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