公益財団法人 日本ユニセフ協会
つくる責任、つかう責任

つくる責任、つかう責任

“生産者も消費者も、地球の環境と人々の健康を守れるよう、
責任ある行動をとろう”

たとえば、こんな問題が…

世界で生産されている食品の約3分の1(13億トン)が捨てられています。

世界で生産されている食品の約3分の1(13億トン)
が捨てられています。

日本の学校の給食でも、児童や生徒1人あたり、1年間に約7.1kgの食べ残しがあります。

出典:The State of Food Security and Nutrition in the World 2019(FAO)

出典:学校給食から発生する食品ロス等の状況に関する調査結果について(環境省/平成27年4月28日)

もったいない!“ゴミ”について考え直そう

私たちが出すさまざまなゴミ。たとえば、捨てられている食料の量は、食べ物がなくて困っているどれだけの人を助けることができる量にあたるのでしょう?ゴミの処理がきちんとなされ、資源が循環する社会では、資源が守られるだけでなく、人びとの雇用も生まれます。〝ゴミ″って何だろう?もったいない!の精神でもう一度考え直してみましょう。

目標12のターゲット

「12-1」のように数字で示されるものは、それぞれの項目の達成目標を示しています
「12-a」のようにアルファベットで示されるものは、実現のための方法を示しています

  • 12-1

    持続可能な消費と生産の10年計画を実行する。先進国がリーダーとなり、開発途上国の開発の状況や対応力も考えに入れながら、すべての国が行動する。

    ※持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組み:2012年の国連持続可能な開発会議(リオ+20)で決められた。各国からの拠出金で設立された基金を通じて、二酸化炭素の排出を減らすライフスタイルと持続可能な消費と生産を実現する社会の仕組みを作ることを目指した計画

    持続可能な消費と生産の10年計画を実行する。先進国がリーダーとなり、開発途上国の開発の状況や対応力も考えに入れながら、すべての国が行動する。
  • 12-2

    2030年までに、天然資源を持続的に管理し、効率よく使えるようにする。

  • 12-3

    2030年までに、お店や消費者のところで捨てられる食料(一人当たりの量)を半分に減らす。また、生産者からお店への流れのなかで、食料が捨てられたり、失われたりすることを減らす。

    2030年までに、お店や消費者のところで捨てられる食料(一人当たりの量)を半分に減らす。また、生産者からお店への流れのなかで、食料が捨てられたり、失われたりすることを減らす。
  • 12-4

    2020年までに、国際的な取り決めにしたがって、化学物質やあらゆる廃棄物(ごみ)を環境に害を与えないように管理できるようにする。人の健康や自然環境に与える悪い影響をできるかぎり小さくするために、大気、水、土壌へ化学物質やごみが出されることを大きく減らす

  • 12-5

    2030年までに、ごみが出ることを防いだり、減らしたり、リサイクル・リユースをして、ごみの発生する量を大きく減らす。

    2030年までに、ごみが出ることを防いだり、減らしたり、リサイクル・リユースをして、ごみの発生する量を大きく減らす。
  • 12-6

    とくに大きな会社やさまざまな国で活動する会社に、持続可能な取り組みをはじめ、会社の成果を報告する定期的なレポートに持続可能性についての情報をふくめるようにすすめる。

  • 12-7

    国の政策や優先されることにしたがって、国や自治体がものやサービスを買うときには、それが持続可能な形で行われるようすすめる。

  • 12-8

    2030年までに、人びとがあらゆる場所で、持続可能な開発や、自然と調和したくらし方に関する情報と意識を持つようにする。

  • 12-a

    開発途上国が、より持続可能な消費や生産の形をすすめられるよう、科学的および技術的な能力の強化を支援する。

  • 12-b

    地域に仕事を生み出したり、地方の文化や特産品を広めるような持続可能な観光業に対して、持続可能な開発がもたらす影響をはかるための方法を考え、実行する。

  • 12-c

    資源のむだづかいにつながるような化石燃料(石油など)に対する補助金の仕組みを変える。そのために、各国の状況に応じて、税金の制度を改正したり、有害な補助金があれば環境への影響を考えて段階的になくしたりして、化石燃料が適正に売り買いされるようにする。そのとき、開発途上国の状況や必要としていることなどを十分に考え、貧しい人や影響を受けるコミュニティが守られるようにして、開発にあたえる影響をできる限り小さくする

もっと深めよう!世界にあるこんな問題

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メイド・イン・フォレスト:持続可能なファッション

より安く、よりたくさん、私たちは衣服を買えるようになってきました。実は、衣服は、つくられるときに環境に大きな影響を与えているもののひとつです。私たちの着ている衣服は、環境にどんな影響を与えているのでしょう?そして、どんな方法や材料を使えば、環境への影響が少ない衣服をつくることができるのでしょう。UNDP(国連開発計画)の親善大使をつとめる女優のミシェル・ヨーさんが、この問題をレポートします。

アース・オーバーシュート・デイ
1年分の資源を使いきる日

国ごとのオーバーシュート・デイ 2022 世界の人びとがこのまま住み続けたら、アースオーバーシュートデイが来る日は...

いま、人類は、1年間に地球が再生産できる自然資源の量を上回って資源を使っています。世界全体で、1年間に使えるだけの資源の量を使い切ってしまう日のことを「アース・オーバーシュート・デー」といい、国際的な研究機関「グローバル・フットプリント・ネットワーク」が算出して発表しています。
2023年この日は8月2日と発表されました。8月2日にその年に使える資源を使い切ってしまうということは、言い換えると、人類は、生態系が再生する早さよりも1.71倍速く自然資源を消費しており、足りない分は将来の人びとが使うはずだった分を先取りして使っているのです。つまり、人類がいまの暮らしをこのまま続けるためには、1.71個分の地球が必要だということになります。
オーバーシュート・デーは、国ごとにも算出されています(上の図)。2023年の日本のオーバーシュート・デーは、5月6日と発表されました。世界の平均よりもおよそ3ヶ月早く、資源を使い切っている計算です。
資源を使いすぎる生活は、温暖化や気候変動、さまざまな環境問題につながっています。1個の地球で暮らし続けるために、知恵を出し、協力して、資源を使いすぎない暮らしを作り上げる必要があります。

環境問題についてどれくらい知っている?

5つ以上の環境問題について、知っていると答えた生徒(15歳)の割合

5つ以上の環境問題について、知っていると答えた生徒(15歳)の割合

持続的な生産や消費を進めていくためには、環境の問題についても知っていることが大切です。学校でも環境教育が行われるようになり、平均で先進国で暮らす15歳の62%が7つの環境問題(①大気中の温室効果ガスの増加、②遺伝子組み換え生物の利用、③核廃棄物、④土地開発のための森林伐採の影響、⑤大気汚染、⑥動植物の絶滅、⑦水不足)のうち少なくとも5つについて知っていると答えました。若い人が一番良く知っていたのは大気汚染と動植物の絶滅についてで、一番なじみがない、知られていない問題は、遺伝子組み換え生物と核廃棄物でした。日本は平均の62%を下回る、44%という結果でした。あなたはどれくらい知っていますか?

注:キプロス、ドイツ、マルタおよびメキシコは順位に含まれない。
100が平均。平均からどれだけ離れているかが偏差で表されている。100にあたる平均値は62.1%。

フードロス:それぞれの食べ物が捨てられる量

世界で生産されている食料のうち3分の1が、生産から消費にいたる道筋のなかで、捨てられてしまっています。食材別の状況を見てみましょう。

  • 肉類20%

    世界で2億6300万トンのお肉が生産され、そのうち、約20%が捨てられています。これは7500万頭の牛に相当します。

  • いも類45%

    北アメリカとオセアニアだけで、581万4000トンのいも類が、実際に買ったり食べたりする段階だけで捨てられています。10億袋分以上のジャガイモに相当します。

  • 果物・野菜45%

    果物や野菜はすべての食べ物の中でも捨てられている割合が高い食料です。リンゴでいうと、3.7兆個のリンゴに相当します。

  • 乳製品20%

    ヨーロッパだけでおよそ20%、2900万トンの乳製品が毎年捨てられています。これは5740億個の卵に相当します。

  • 穀物30%

    先進工業国では、2億8600万トンの穀物が捨てられています。これは全体のおよそ30%に相当します。

  • 魚介類35%

    漁業で網にかかった魚のうち8%は、市場へ出ることなく海へ返されます。その多くは死んでしまったり、死にかけていたり、ひどく傷ついたりした魚です。30億匹のアトランティック・サーモンに相当します。

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