




マダガスカル北西部の小さな町、ベロバカでは、多くの子どもたちが砕石場で働き、家計を支えています。14歳のマミタスアも砕石場で働く子どもたちの1人です。
マミタスアは両親を支えるため、10歳から働きはじめ、大きな石を運ぶ最中に足を怪我したこともあります。
マミタスアのように砕石場で働く子どもたちの多くは、適切な防具や衣服も与えられていません。高い気温の中、有害な煙や埃に長時間さらされることにより、呼吸器疾患、下痢、皮膚病や脱水症状を起こしたり、石の破片が飛び散り、目をけがする危険もあります。
マダガスカルでは、4人に1人の子どもが、鉱山や砕石場、バニラやカカオ農場、商業的性的搾取(買春)などの最悪の形態の児童労働に苦しんでいます。
働いている子どものうち10人に2人しか学校に通えず、学校に通っていない子どもは平均で週に47時間働いています。


児童労働がおこなわれていることを知ったユニセフは、自治体ほか関係者と協議し、調査を行ないました。その結果、マミタスアの家族を含んだ75世帯に支援が必要と判明。
ユニセフはそれらの家庭の子どもたち112人を児童労働から解放するとともに、学校に通うための学用品や入学金の支援や、砕石場で病気にかかった子どもたちの医療支援、貧困家庭のための生計向上支援などの支援を行いました。
マミタスアの母親は言います。
「ユニセフから支援を受けるようになって以来、5人の子どもたちは働くことをやめ、学校に通うことが出来るようになりました。子どもたちが学校を続けられるよう、出来ることは何でもするつもりです」



ユニセフは、子どもの権利を守るための政策/法律づくりを支援しています。また、ストリートチルドレンや、暴力や搾取などの被害にあっている子どもを見つけ出し、保護する仕組みをつくります。

すぐに仕事をやめることが難しい場合には、働きながらも通える学校を開きます。また将来役に立つ仕事の技術を身につけられる職業訓練センターをつくります。

子どもたちが働かなくてもすむよう、生活のために必要な収入を得られるように支援しています。たとえば、地域のお母さんのグループに小額のお金を貸してお母さんたちが事業をはじめたり、地域で新たな産業をつくったりできるように支援しています。また、貧困世帯に現金を給付する場合もあります。

工場主や企業に対して、子どもを働かせないように、また働いていた子どもを学校に戻れるよう支援するように、働きかけています。



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