




アンゴラ・クネネ州の病院に、母親に抱かれ1歳のマルセリーノが運ばれてきました。2年連続の干ばつで食料事情が悪化し、家族の中で最年少のマルセリーノが真っ先に栄養不良に陥りました。


衰弱した身体は食べ物を受けつけず、すぐに栄養治療を始めないと命が危険な状態でした。マルセリーノの腕周りをスタッフが測り、「重度の栄養不良」と診断を下すと、すぐに入院が決まり集中治療が始まりました。
衰弱した身体に負担をかけないよう、ごく少量の治療用ミルクを毎日24時間態勢で与え続けます。


母親とスタッフが付ききりで治療用ミルクを与え続け、5日後ようやく、ペースト状の栄養治療食を食べられるようになりました。
退院の日、母親は1週間分の栄養治療食を大切に抱え、マルセリーノと一緒に村に帰ります。
常温保存ができ、自宅での栄養治療を可能にしたこの高栄養価の治療食は、支援を受けた子どもの母親たちの間で「ミラクルフード」と呼ばれています。
マルセリーノの命を救った栄養治療。世界では、重度の栄養不良に苦しむ子どもの8割近くが、まだこの治療を受けられずにいます。


ユニセフは、災害や紛争の被災地から農村部の村々まで、子どもたちが暮らすあらゆる場所で栄養状態の検査を行ない、治療センターを開設し、幼い命を栄養不良から守る活動に日々力を注いでいます。
同時に、地域保健員を育成し、発育観察、保健・栄養・衛生知識の普及など効果的な活動を組み合わせ、子どもたちへの保健サービスの改善に努めています。

栄養不良の子どもたちは、今すぐ口にできる栄養価の高い治療食を必要としています。ピーナツを主原料とした密封パック入りの治療食は、1袋約500キロカロリー。常温保存が可能なため、被災地や紛争地でも活用されています。

免疫をつかさどる栄養素、ビタミンA。不足すると病気にかかりやすいだけでなく、子どもの失明の最大原因にもなります。年に2回の予防接種と一緒に投与を受けることで、感染症などによる死亡率を24%も削減できます。

栄養検査の方法や病気の予防法などを身につけた地元出身の保健員は、地域の母子の強い味方。栄養教室や体重測定、家庭訪問などを通して子どもたちの成長を支え、最寄りの保健施設と村々をつなぐ橋渡し役も担っています。




※ 1袋約33円、1日の必要数を2袋として。子どもの体重により1日あたりの必要数は変わります。
※ 2017年2月現在

ユニセフ(国際連合児童基金)とユニセフ協会(国内委員会)は、世界190以上の国と地域で、子どもたちの命と健康、権利を守るために活動しています。
活動資金はすべて、個人、企業、法人・団体のみなさまからの民間募金と各国政府からの任意のご協力に支えられています。民間募金は、全体の活動資金の約3割を占める大きな支えになっています。日本では日本ユニセフ協会が、ユニセフ本部との協力協定に基づき、日本において民間の皆さまに向けてユニセフを代表する唯一の機関として、募金、広報、アドボカシー活動を行なっています。
民間募金は先進34の国と地域にあるユニセフ協会(国内委員会)等からユニセフ本部に送られます。ユニセフ本部は、各国の子どもの状況をみて、ユニセフ現地事務所にお金をおくり、各国政府と協力して、子どもたちのための活動を行なっています。
※お申込みいただいた募金は、ソフトバンクを通じて日本ユニセフ協会へ寄付されます。
※継続寄付を複数回お申込みされた場合、最後の一口分のみが翌月以降も継続寄付の対象となります。
ユニセフ募金は税額控除の対象となり、年間の寄付合計額-2000円の40%が所得税額から控除されます。
確定申告にて寄付金控除を受けるためには、当協会が発行する領収書が必要です。寄付金控除について >
募金のお申込み完了ページにて、「団体からの領収書を希望する」ボタンを押し、注意事項に同意の上、領収書をお申込みください。領収書はソフトバンクから当協会へ入金後に発行します。都度寄付は募金のお申込みから通常約2〜3か月後に、継続寄付は、その年1月〜12月に当協会が受領したご寄付の領収書を翌年1月にまとめてお送りします。
継続寄付にお申込みいただいたご支援者の皆さま(月額500円以上)で、領収書発行を希望された方には、ご参加期間中、広報誌「ユニセフ・ニュース」をお送りします。