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財団法人日本ユニセフ協会

※図をクリックすると、大きいサイズで見られます

では、この目標を実現するためにはどうすれば良いのでしょうか?
ユニセフはそのために次のような戦略をたてています

  1. サービスを選択する
  2. サービスを統合し、全国的に展開する
  3. モニタリングや分析・評価を行い、政策に反映させる
  4. 目標実現のためにさまざまな相手と強力なパートナーシップを組む

−その1 サービスの選択…より多くの子どもが助かるものを!

サービスの選択とは、何が効果的なサービスかを選ぶということです。途上国では保健・医療の予算が少ないにも関わらず大きな病院を作ったり…といったことがあります。使えるお金は少ないのですから、費用対効果が高く、より多くの子どもが救えるものに目を向けてほしいのですが、現実は必ずしもそうではありません。 例を挙げると、予防接種、母親のHIV感染予防、母乳育児、安全な水の使用。ビタミンAの補給は免疫力を高め死亡率を劇的に減らします。家庭やコミュニティで経口補水療法を広めれば、下痢による脱水症で亡くなる子どもの多くを助けられます。そして、殺虫剤処理を施した蚊帳をきちんと使うだけでマラリアを媒介する蚊を防ぎ、子どもの死亡を20%も減らすことができます。安価でも効果の高い方法がたくさんあります。

サービスの統合−パッケージ化
サービスの統合−システム化

その2 サービスの統合—「パッケージ化」

さまざまなサービスをバラバラにやるとお金も人も時間もかかるため、ユニセフは関連のあるサービスをパッケージにしてなるべく効率よくやろうとしてきました。
たとえば、予防接種や妊婦検診は良い機会なのでいろいろなものが組み合わされて実施されます。

また、最後には、家庭、地域、保健・医療施設、それぞれのパートが機能するシステムを作りあげることを視野に入れつつ、ひとつひとつの事業が進められます。応急処置だけではなく、根本的な“人の力”をつけるためのプログラム作りが大切なのです。 また、プログラムは単なるモデル事業に留まってはいけません。ある地域で良くなっても、その何倍もの人々が全体で苦しんでいるわけですから、いかに全国展開するかが重要です。

−その3 評価の大切さ〜蚊帳の普及をどうやって測るのか?

たとえばマラリアを予防する蚊帳の事業を評価する際にもいくつもの評価段階があります。

現状分析:どこに問題があるか?
  • 蚊帳が地域にあるか?、
  • それを各家庭に配布する人がいるか?、
  • 配布されたものを家庭で使っているか?、
  • 家庭では“継続的に”使っているか?、
  • 家庭で継続的に“子どもたちが”使っているか?

といった具合です。

© UNICEF/HQ05-1286/Indrias Getachew

つまり、蚊帳という物資が足りないということなら、蚊帳の供給に重点を置きます。 蚊帳は送られているのに倉庫に置かれたままで配布されていない、となれば、保健員を増やすほか、小売の人に協力してもらうなど工夫する必要があります。 配布されているのに、家できちんと使われていないという場合は、啓蒙活動を行い、使ってもらえるようにしなければなりません。

このように本当の意味で「サービスが(住民を)カバーできた」というためには、いろいろな要素を満たすことが必要です。 例えばネパールには、保健所が全国に約800ヶ所あり、そこには薬も保健スタッフもそろっています。しかし、そこに行くまでに歩いて1日がかりという住民もいます。 僻地やスラム街の奥地など、まさにサービスを必要としている人々がいる場所にサービスが行き渡りにくいことが問題です。子どもの9割は自宅で死んでいます。お医者さんがいて、薬が診療所にあっても、そこに行き着く前に多くが死んでいるのです。

−その4 パートナーシップの大切さ

各国がその予算の中で、子どもの死亡をいかに減らすのかという具体的な計画を立てることをユニセフはじめさまざまなパートナーが支えています。 いま、この事業のパートナーには、世界銀行、世界保健機関(WHO)、その他にマラリアやエイズに対するたくさんのファンドがあります。ビル・ゲイツ氏のワクチン基金も非常に重要です。国連、NGO、その他の専門機関との戦略的なパートナーシップが各国政府の取り組みを支え、ひいては子どもたちの命を守ります。

 

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