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財団法人日本ユニセフ協会

 

栄養改善センターに連れてこられたラマナトゥちゃん。
(C)UNICEF video

【ニジェール】2006年9月18日

生後7ヶ月のラマナトウちゃんはマラディ県にあるマヤヒ地区病院まで、9キロの道のりをお母さんと一緒にやってきました。ラマナトゥちゃんは、下痢、嘔吐、そして高熱に苦しんでいました。母乳でさえもどしてしまい、栄養状態は深刻でした。

ニジェールでは、人口の83%が農村で生活しており、農業で細々と生計をたてています。何かが起こればすぐに食糧が不足します。栄養不良の子どもたちは、抵抗力がなく、下痢性の病気や呼吸器感染症にかかりやすくなっています。

ここでは多くの人がこうした危険と隣り合わせで暮らしています。雨の少ないサヘル地域は、5歳未満児の死亡率が世界で最も高い地域です。さらにニジェールとブルキナファソの低体重の子どもの割合は、西部・中部アフリカ地域の中でも最も高い値を示しています。

  HIGHLOW

栄養センター

ラマナトウちゃんのような子どもたちの差し迫ったニーズにこたえ、子どもの死亡を少しでも減らすために、ユニセフは、政府や20以上のNGOと協力し、ニジェール国内各地にある栄養改善センターを支援・拡大してきました。ユニセフはこうしたパートナーとともに、2006人に50万人の子どものケアを進めようと活動を続けています。このうち5万6千人は今年に入って深刻な栄養不良に陥った子どもたちです。

現在、ユニセフは、栄養不良改善センター800ヶ所と治療を行う34病院を支援しています。必要な医薬品、基本的な医療機器を提供し、保健員の養成を支援し、UNIMIXと呼ばれる栄養不良の治療に使う栄養補助食やビタミン豊富なピーナッツペーストなどを提供しています。 ラマナトウちゃんなどセンターの子どもたちは、マラリアや結核など他の病気を起こしていないか検査を受けます。そして、必要に応じて、抗生物質、抗マラリア薬による治療を受けたり、ビタミンA、寄生虫駆除薬などの投与を受けたりします。

治療と予防

慢性的な栄養不良は、複数の原因が絡まりあって引き起こされます。例えば、日々の食事の量が足りないこと、医療施設が近くにないこと、安全な水や衛生環境が整っていないこと…。また、高い出生率や教育が普及していないこともこの問題を悪化させる原因です。

ユニセフは、栄養不良を治療すると同時に、栄養不良を“防ぐ”ための長期的な戦略を進めています。 例えば、コミュニティーを基盤としたプログラムを通じて、まだ病院で治療を受ける必要がない初期の栄養不良を見つけることができるようになれば、子どもの命をより守ることができます。お母さんに食事を提供する、母乳だけで赤ちゃんを育てるように啓発する、幼児に栄養補助食を提供する、また、子どもへの食事を与え方を広めるなどの活動もその一例です。

ニジェールは、5歳未満児死亡率の削減の目標に向けて確かに前進しています。しかし、ユニセフ・ニジェール代表アブドゥ・カリモ・アジバデはこう話します。 「ニジェールの子どもたちの命を救うためにはまだまだ国際社会を動かし、資金を集めなければ足りません」と

幼いラマナトウちゃんは今、治療を受けています。そして、まだ多くの子どもたちが、今も支援を必要としています。

   

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