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財団法人日本ユニセフ協会

 

保健センターでもらった蚊帳を使う母子。
© UNICEF video

【シエラレオネ】2006年7月11日

シナ−・カマラさんはシエラレオネのボンバリ県北部にあるビンコロ村で暮らす若いお母さんです。2人の健康な子どもがいますが、そのことがこの国でどんなに貴重なことか、そして、子どもたちの健康を守ることがどんなに危ういものかをよく知っています。 「姉は2歳の男の子をマラリアで亡くしたし、その他にもはしかや破傷風で死んでいく子どもたちを何人も見てきたわ」と彼女は話します。 「シエラレオネで暮らす家族のほとんどが、はしかとか下痢、肺炎やマラリア、本当は簡単に予防できる病気で、子どもが死んでいくのを目の当たりにしているのよ」

シエラレオネは世界でももっとも乳幼児死亡率の高い国です。政府とユニセフが実施した最近の調査によると、4人のうちひとりが5歳の誕生日を迎える前に亡くなっています。 死亡率を下げ、ミレニアム開発目標を達成するために、ユニセフはWHO(世界保健機関)、EU、世界銀行などと協力し、全国規模での子どもの生存・成長プログラムを支援しています。
具体的な活動には、予防接種の実施、ビタミンAの補給、HIVの母子感染の予防、マラリア予防する蚊帳の普及、家庭での新生児ケアの改善、母乳育児の推進、下痢による脱水症状を改善する経口補水療法の実施や子どものエイズの治療などがあります。

<母乳育児普及活動のようす>

子どもの生存を守るための礎

カマラさんは、子どもたちにはどんな危険があるかをよく理解しています。だからこそ、定期的に保健センターに通い、1歳半になる娘のサリーちゃんのためにいろいろなアドバイスを受けているのです。

ビンゴロにある地域保健センターは、子どもの生存・成長プログラムを支える礎の一つになっています。センターは、ボンバリ県の7管区すべての保健・栄養プログラムを調整し、地域のリーダーたちの力添えを得て、24000人の住民が様々な恩恵を得ています。

センターは、特に子どもの栄養に関して非常に大切な役割を果たしています。というのもシエラレオネの乳児の死亡の多くに栄養不良が深刻な影響を与えているからです。

「中度の栄養不良の子どもたちは保健センターで対処します。そこで栄養補助食を与えられます。さらに深刻な重度の栄養不良の子どもはマケニにある治療センターへ送らなければなりません」とボンバリ・バナの保健員アンジェラさんは言います。「地域全体で治療センターはたった一つしかないので、とても間に合っていません」

お母さんをもっと力づけて

センターのスタッフや助産師は、赤ちゃんの成長を観察し、母乳育児をするようお母さんを教育しています。そして、衛生な環境を保ち、予防接種を受けさせるよう伝えています。 生後4ヶ月になって3度目の予防接種を受けるときには、すべての母親に殺虫剤処理された蚊帳が提供されます。 「蚊帳がもらえることが良い誘いになって、母親達は子どもに予防接種を受けさせるためにもう一度、保健施設に戻ってきてくれるのです。それに、ちょうど4ヶ月目頃というのは、母親が子どもと別のベッドで寝始めるころですから、蚊帳を提供するにも良いタイミングです」とアンジェラさんは説明してくれました。

   

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