知ってること、信じてること、それは本当?

メンタルヘルスをめぐる誤解を取り除くことは、偏見をなくし、必要なときには年齢にかかわらず誰もが支援を求められる環境づくりにつながります。ここでは、メンタルヘルスに関してよくある誤解を7つご紹介します。
よくある誤解 その1
「メンタルヘルスの不調を抱える人は、知能が低い」
事実: メンタルヘルスの不調は、身体の病気と同じで、その人の知能や社会階級、収入レベルに関係なく、誰にでも起こり得るものです。
よくある誤解 その2
「こころのケアは、メンタルヘルスが不調なときだけすればよい」
事実: メンタルヘルスのケアは、不調な人だけが必要とするものではありません。こころの健康やウェルビーイングを高める行動は、誰にとっても有益です。運動や食事、睡眠など、身体の健康を維持するためには健康的な習慣を身に付けることが必要なのと同様に、こころの健康のためにも積極的な行動を取ることが大切です。
よくある誤解 その3
「思春期の若者がメンタルヘルスに不調を抱えていても、それは、ホルモンの作用による気分の浮き沈みや、目立ちたいだけ。大した問題ではない」
事実: 思春期は気分の浮き沈みが多い時期ですが、それだけでメンタルヘルスに問題はないと片付けてしまってはいけません。世界では、思春期の子ども・若者の14%がメンタルヘルスの不調を経験しています。世界的に、10〜15歳では自殺が死因の第5位、15〜19歳では第4位となっています。また、すべてのメンタルヘルスの不調の半数は、14歳までに始まると言われています。
よくある誤解 その4
「メンタルヘルスの不調は予防できない」
事実: 社会的なスキルや感情をコントロールするスキルなどを育てることは、メンタルヘルスの不調を予防することにつながります。また、早い段階で他者の支援を求めることや、家族とあたたかく支えあえる関係を持つこと、学校での生活を楽しめること、規則的で十分な睡眠の習慣を持つことなども役立ちます。逆境を乗り越える力は、私たちを守ってくれる複数の要因の組み合わせに支えられています。メンタルヘルスの不調は、ストレスの環境的要因(人間関係や気候等の外的要因)だけが原因で起こるわけではなく、あるいは個人的要因(性格、疲労などの内的要因)のみが原因で起こるわけでもありません。逆境にあってもうまく対処できる子どもや若者には、もともとの生物学的な回復力が備わっているだけでなく、家族や友人、周囲のおとなとの間に支え合える強固な関係を持っています。こうした複数の要因が、私たちのウェルビーイングを支えているのです。
よくある誤解 その5
「メンタルヘルスの不調はこころの弱さの表れであり、もっと強ければ問題を抱えることはない」
事実: こころや意志の弱さとはまったく関係ありません。メンタルヘルスの不調を抱えるか抱えないかを自分で選べるわけではありません。むしろ、大きな勇気と強さがなければ、メンタルヘルスの不調に対して助けを求めることはできません。メンタルヘルスの不調は誰にでも起こり得るものです。
よくある誤解 その6
「成績が良く友だちが多い子には、落ち込む理由がない。だからメンタルヘルスの問題もない」

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事実: 「うつ」は、社会的・心理的・生物学的要因の複雑な相互作用によって生じる、比較的よく見られるメンタルヘルスの状態です。社会経済的な状況に関係なく、表面的にどれだけ順調に見えても、誰もがうつになる可能性があります。学校で成績の良い若者は、成功へのプレッシャーから不安を感じることもありますし、家庭で問題を抱えている場合もあります。また、明確な理由がわからなくても、うつになることも不安を感じることもあるでしょう。
よくある誤解 その7
「思春期のメンタルヘルスの不調は、親の育て方が原因」
事実: 貧困、失業、暴力をはじめとするさまざまな困難な状況や出来事が、思春期の若者や保護者のウェルビーイング、そして両者間の関係にも影響します。愛情に満ちた家庭で育つ思春期の若者でもメンタルヘルスの不調を経験することがありますし、逆に養育環境が整っていない家庭で育つ若者でも、適切な支援があれば健全に成長することができます。状況に応じたサポートを受けられれば、保護者も、困難を乗り越えようとする若者を助けるためにとても大きな役割を果たすことができます。
この記事は、ユニセフ と世界保健機関(WHO)の共著である漫画集『Magnificent Mei and Friends』(仮題:メイと仲間たち)の教員用ガイドの内容に基づいてまとめたものです。
※本ページはこちらの英語原文を元に仮訳したものです(アクセス日 2026年2月2日)。





