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2021年、新型コロナのパンデミックが2年目に突入する中、長期化する紛争、自然災害の頻発、異常気象などの様々な危機が重なり、以前から困難な状況に置かれていた子どもたちの生活は、さらに深刻な影響を受けました。
アフガニスタン、シリア、イエメン、ミャンマー、コンゴ民主共和国、エチオピア、モザンビーク、ウクライナ、ベネズエラなど人道危機が長期化している国々や、8月に大地震が発生したハイチ、12月に複数の台風が上陸したフィリピンの被災地では、多くの子どもたちと家族が避難を余儀なくされ、人道支援を切実に必要としました。
そのような状況下、最も困難な状況にいる子どもを最優先に、すべての子どもたちへの支援に取り組むユニセフの活動を支えるため、日本ユニセフ協会は日本国内で、募金・広報・アドボカシー活動を展開しました。
どのような危機にあっても、その影響をもっとも受けやすいのは子どもたちです。ユニセフと日本ユニセフ協会は、誰ひとり取り残されることなく、世界のすべての子どもが健やかに成長し、自らの持つ可能性を最大限に発揮できる世界を目指し、活動を続けています。世界の子どもたちのための活動を支えてくださる日本の皆さまの寛大なご支援に、改めまして心より御礼を申し上げます。
ここに、2021年の日本ユニセフ協会の収支概要をご報告いたします。
2021年度、みなさまのあたたかいご支援により、日本ユニセフ協会にお寄せいただいた募金は、237億2,310万287円となりました。このうち、個人によるご寄付が83%、企業・団体・学校からのご寄付が合わせて17%を占めました。
募金に加え、会費、寄付金、雑収益ほかすべての経常収益計は、238億2,106万7,787円となりました。
2021年、当協会は、196億8,000万円をユニセフ本部に拠出しました。これは、経常費用計238億2,414万9,380円の82.6%(みなさまからお寄せいただいた募金237億2,310万287円の83.0%*)にあたります。経常費用計の17.4%は、ユニセフ本部との協力協定に基づき、ユニセフ支援の輪を広げるための、国内での募金活動(領収書/寄付控除申請書類の印刷・発送費や振込/決済に係る費用などを含む)、広報・アドボカシー活動、国際協力に携わる人材の育成活動などに充てさせていただきました。そのうちの2.3%が、事務運営費および人件費です。
*ユニセフ本部との協定により、日本を含む各国のユニセフ協会は、各国のみなさまからお預かりしたユニセフ募金のうち最大25%の範囲内で、募金活動、広報・アドボカシー活動などの国内事業をおこなっております。これらの活動は、ユニセフ支援の輪を広げ、厳しい状況に置かれている世界の子どもたちへのより大きな支援につながっています。
公益法人制度改革に基づき、収支報告は「正味財産増減計算書」にて示しております。ここでは、支援者のみなさまにご理解いただきやすいよう、要約版を下記の通り掲載し、分かりにくいところは注記にて説明をしております。財務諸表などはすべて、当協会ホームページで公開しております。
(2021年1月1日から2021年12月31日まで) | (単位:円) |
科 目 | 公益目的事業会計 | 法人会計※15 | 合 計 |
Ⅰ.一般正味財産増減の部 | |||
1.経常増減の部 | |||
(1) 経常収益 | |||
基本財産運用益 | 181,908 | 0 | 181,908 |
基本財産受取利息 | 181,908 | 0 | 181,908 |
受取会費 | 29,486,000 | 28,000,000 | 57,486,000 |
受取寄付金・募金 | 23,767,010,335 | 0 | 23,767,010,335 |
受取寄付金 | 43,910,048 | 0 | 43,910,048 |
受取寄付金 ※1 | 180,000 | 0 | 180,000 |
受取寄付金振替額 ※2 | 43,730,048 | 0 | 43,730,048 |
受取募金 ※3 | 23,723,100,287 | 0 | 23,723,100,287 |
一般募金 | 23,530,276,304 | 0 | 23,530,276,304 |
学校募金 | 192,823,983 | 0 | 192,823,983 |
為替差益 | 24,161,596 | 0 | 24,161,596 |
雑収益 | 227,948 | 0 | 227,948 |
経常収益計 | 23,821,067,787 | 28,000,000 | 23,849,067,787 |
(2) 経常費用 | |||
事業費 ※4 | 23,824,149,380 | 0 | 23,824,149,380 |
本部拠出金 ※5 | 19,680,000,000 | 0 | 19,680,000,000 |
啓発宣伝事業費 ※6 | 323,849,839 | 0 | 323,849,839 |
啓発宣伝地域普及事業費 ※7 | 97,237,905 | 0 | 97,237,905 |
募金活動事業費 ※8 | 3,072,465,208 | 0 | 3,072,465,208 |
国際協力研修事業費 ※9 | 7,015,564 | 0 | 7,015,564 |
本部業務分担金 ※10 | 643,580,864 | 0 | 643,580,864 |
管理費 ※11 | 0 | 13,726,664 | 13,726,664 |
経常費用計 | 23,824,149,380 | 13,726,664 | 23,837,876,044 |
評価損益等調整前当期経常増減額 | △3,081,593 | 0 | △3,081,593 |
評価損益等計 | 0 | 0 | 0 |
当期経常増減額 | △3,081,593 | 14,273,336 | 11,191,743 |
2.経常外増減の部 | |||
(1) 経常外収益 | |||
経常外収益計 | 0 | 0 | 0 |
(2) 経常外費用 | |||
経常外費用計 | 0 | 0 | 0 |
当期経常外増減額 | 0 | 0 | 0 |
他会計振替前当期一般正味財産増減額 | △3,081,593 | 14,273,336 | 11,191,743 |
当期一般正味財産増減額 | △3,081,593 | 4,273,336 | 11,191,743 |
一般正味財産期首残高 | 4,780,104,208 | 78,533,226 | 4,858,637,434 |
一般正味財産期末残高 | 4,777,022,615 | 92,806,562 | 4,869,829,177 |
Ⅱ.指定正味財産増減の部 | |||
受取寄付金 ※12 | 40,440,000 | 0 | 40,440,000 |
一般正味財産への振替額 ※13 | △43,730,048 | 0 | △43,730,048 |
当期指定正味財産増減額 | △3,290,048 | 0 | △3,290,048 |
指定正味財産期首残高 | 68,032,887 | 0 | 68,032,887 |
指定正味財産期末残高 | 64,742,839 | 0 | 64,742,839 |
※14 | |||
Ⅲ.正味財産期末残高 | 4,841,765,454 | 92,806,562 | 4,934,572,016 |
上記は、監事及び会計監査人(小見山満、窪川秀一、川瀬一雄)の監査を受けた財務諸表の一部である正味財産増減計算書内訳表を要約し、注記を加えたものです。
(公財)日本ユニセフ協会は、監事及び会計監査人(小見山満、窪川秀一、川瀬一雄)の監査を受けています。財務諸表などの計算書はすべて公開しております。
『ユニセフにご支援くださる日本のみなさまへ』 - ゲリー・スタール(ユニセフ本部 民間協力渉外局 局長)
『100円の旅~みなさまのご支援で』- 日本ユニセフ協会