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日本ユニセフ協会
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暴力が広まるシリア・イドリブ
ユニセフ、子どもたちの命を守る支援を再開
多くの壁に直面する支援活動

【2015年10月25日  シリア発】

シリア・イドリブ県北西部で広がる暴力の影響で、電気や給水ネットワークに大きな影響が出ています。これらのサービスへのアクセスが限られるなか、6万世帯の国内避難民の家族を含め、180万人の人々が必要不可欠な物資も十分に手にすることができていません。

危険な状況が続く中、命を守る支援を再開

給水タンクの前で笑顔を見せる子どもたち。

© UNICEF Syria/2015

ユニセフのパートナー団体により、イドリブ県ハリム地区の国内避難民キャンプに新しく設置された給水タンクの前で笑顔を見せる子どもたち。

激化する紛争で人道支援活動の大半が停止を余儀なくされていることで、この地域で暮らす弱い立場に置かれている人々の生活状況は更に悪化しています。緊張が高まるなか、現在再開されている人道支援活動はごくわずかに留まっています。

 

依然として危険な状況が続くなか、ユニセフはパートナー団体のネットワークを通じて、イドリブ県で命を守る支援活動を再開させました。

 

ユニセフはパートナー団体と協力し、イドリブ県で暴力の被害に遭った20の給水ポンプや給水パネルの修復を実現させました。これにより、20万人以上の人々が恩恵を受けます。水や衛生物資へのアクセスが欠如していることで、子どもたちの間で頭シラミが広まっています。また、5万2,000人の影響を受けている子どもたちや家族のため、ユニセフは2万1,000本のシラミ用のシャンプーを提供しました。

治安状況の悪化で多くの壁に直面

給水タンクの設置をする作業員たち。

© UNICEF Syria/2015

給水タンクの設置をする作業員たち。

イドリブの街では、ユニセフが支援するパートナー団体が集合避難所で暮らす家族たちのため、給水タンクを設置しています。タンクが設置される以前、集合避難所の住民は他の地域から給水タンクで運ばれてくる水を手に入れるため、毎日何時間も列に並ばなくてはいけませんでした。

 

「私たちは、多くの壁に直面しています。今年5月、急激な治安状況の悪化でイドリブは完全にアクセスが不可能になりました。その結果、支援サービスを届けるためにこれまでに築き上げてきたシステムのすべてが中断を余儀なくされたのです。これは2カ月にも及ぶ協議やパートナー団体との協力、システムを再構築し、弱い立場に置かれている人々のために支援を届けようと奮闘する、現場で指揮を執るスタッフによって築き上げてきたものでした」と、ミケーレ・アルカーエ緊急支援担当官が語ります。

迅速な対応が必要

シリアの夏の厳しい熱波と基本的な社会サービスへのアクセスの欠如による生活環境の悪化に伴い、迅速な対応が必要とされています。

ユニセフはトルコの国境沿いにあるアトメ国内避難民キャンプやクア国内避難民キャンプを含め、ハリム地区の国内避難民が密集している地域で7つの給水タンクを設置しました。1基あたり4万5,000リットルの水を溜めることができるこの給水タンクで、2万8,000人以上の人々が安全な飲料水へのアクセスを手にすることができます。

懸命な支援活動が続けられているものの、支援を必要とする人々のニーズを満たすには到底追いついていない状態です。ユニセフは紛争関係者に対し、支援を必要とするイドリブの子どもたちや家族のため、継続的なアクセスの増加と人道支援の拡大を訴えています。

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