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日本ユニセフ協会
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世界の子どもたち

インドネシア
女子生徒が生理中も安心して通学できるように
月経について正しく学ぶストーリー教材
日本からの支援で開発

【2019年12月16日  バンテン州タンゲラン県(インドネシア)発】

インドネシアでは、成人女性の4人にひとりが、初潮以前に親や先生を含め誰とも生理について話をしたことがなかったことが、ユニセフなどの調査で明らかになっています。

ときに話題にすることさえタブー視される生理について、正しい知識の普及、習慣の実践、必要なトイレ環境を整えることが課題となっています。具体的には、月経教育を公立の学校保健プログラムに取り入れるよう政府に働きかけたり、地域のコミュニティや公立学校で、子どもたちにとって親しみやすいマンガやイラストを用いた教材開発と知識習得を支援しています。このような活動の中から、日本の支援によって実施されているジャワ島バンテン州タンゲラン県での活動を報告します。

楽しく学べるストーリー教材

インドネシア語で書かれた、月経衛生管理に関するストーリー教材

© UNICEF Indonesia/2019

インドネシア語で書かれた、月経衛生管理に関するストーリー教材。こちらからダウンロード(PDF)いただけます。

2018年以来、日本ユニセフ協会を通してユニセフ・インドネシア事務所に寄せられる、花王株式会社からの支援により“月経衛生管理を通じたインドネシアにおける青少年期の少年少女の地位を向上するための活動”を実施しています。このたび、青少年期の少年少女、その保護者、教員、宗教指導者を巻き込んで、月経衛生管理に関する教材を開発しました。この教材は、少年少女が月経衛生と思春期について革新的でクリエイティブに学べるよう開発されました。

 

インドネシアの「先生の日」に、ユニセフ水と衛生専門官から月経衛生管理のストーリー教材を手渡されるタンゲラン県知事

© UNICEF Indonesia/2019/Adinda Silitonga

インドネシアの「先生の日」、ユニセフ水と衛生専門官から月経衛生管理のストーリー教材を手渡される県知事

11月下旬のインドネシアの「先生の日」に集まった何千人もの教員、政府職員の前で、この教材がユニセフからタンゲラン県のAhmed Zaki Iskandar知事に手渡されました。ユニセフは、まずはCurug第2中学校を含む県内公立中学校40校を支援対象としましたが、知事はスピーチの中で、この教材を使ってそれぞれの学校や家庭で月経衛生管理の改善を促進してほしいと教員や政府関係者に求めました。 

 

 

生理中も安心して通学できるように

Curug第2中学校はタンゲラン県内の学校の中でも、優良校のひとつです。校内に一歩入ると、この学校がいかにしっかりと維持管理され、教職員、生徒のニーズに配慮しているかがすぐにわかります。何年も前に州立の学校に通っていた人にとっては、この変化に目を見張ります。学校には男子用、女子用の広々としたトイレ、そして水耕栽培の畑が備わり、周りに落ちているゴミは見当たりません。

同中学校は、2017年に「学校におけるKurasakiプログラム」と呼ばれるごみ削減プログラムの調査研究協力校に選ばれました。加えてバンテン州で最も衛生管理の行き届いた学校としてコンテストで受賞もしています。

同中学校では、月経衛生管理(MHM)は目新しいものではありません。「今や生徒たちは、生理は普通のことなのだと理解しています。私は女子生徒に、生理中だからといってそれを気まずく思わないように、と話しました。学校が提供する様々な備えのおかげで女子生徒は登校し、学校で安心して過ごすことができます。また私は、男子生徒には生理を何か奇妙なものだと考えないように話しています。」と語るのはCurug第2中学校の校長先生です。

生理中の生徒を学校が様々な方法でサポート

調査団のインタビューを受けるCurug第2中学校の校長先生

© UNICEF Indonesia/2019/Adinda Silitonga

調査団のインタビューを受けるCurug第2中学校の校長先生

「私たちは、女子生徒たちが生理中に安心して過ごせるよう気を付けています。生理用品、それを交換する場所、水道水を提供しています。学校ではまた、経血で服が汚れてしまった生徒のために清潔な服を提供しています。学校保健のプログラムでは、生理痛の生徒や気分の悪い生徒が休憩したり横になれたりできる場所を提供し、必要であれば痛み止めを渡すこともしています」と、校長は説明します。

学校保健のカウンセラーも「私たちの学校には、青少年赤十字の一員でもある生徒から成る保健団があります。保健団員は同世代の仲間の相談役になるピア・エデュケーターとして活動しています。これは生徒たちが、時折、教員に相談するのを躊躇するためです。この女子保健団員は、仲間が月経で困っている場合に何をすべきか理解しているのです」。

月経についてオープンに話せない子どもたち

月経衛生管理(MHM)を学校で提供するにあたっての同中学校の教職員の努力は称賛に値するものです。それでも、リプロダクティブ・ヘルス全般、特に思春期や月経に関して、いまだに誤解している生徒はいます。

7年生の男子生徒を例にしてみましょう。2019年10月にユニセフが(月経衛生管理を含む思春期のジェンダーに関する)知識・態度・行動を測る調査を行った際、彼は月経について話をすることを居心地が良くないと感じていただけではなく、月経についてオープンに話すべきではないと考えていました。リプロダクティブ・ヘルスについて女子と一緒のクラスで学ぶことについて問われた彼は、「女子とこういうことについて話すのは恥ずかしいです!」と答えました。

青少年期の子どもたちは知りたいと思っていないわけではないのですが、リプロダクティブ・ヘルスや月経に対するスティグマ* が、特に10代の子どもたちがオープンに話をすることを妨げています。

*社会的に負の烙印を押されたり、屈辱感や劣等感を感じたり、差別を受けること。

 

根強く残る月経に関する迷信や誤解

月経についてグループで話し合う生徒たち

© UNICEF Indonesia/2019/Adinda Silitonga

月経についてグループで話し合う生徒たち

この調査はタンゲラン県内の25校を対象に実施されましたが、この男子生徒の例は、少年少女が月経に関して正しい情報を得るようになるまでには、まだ相当の努力が必要であることをよく示す多くの事例のひとつでしかありません。実際、「月経中に運動することは問題ない」と知っていた女子生徒は5人中たったの1人(21%)、男子生徒の割合はさらに低い10%でした。

月経にまつわる迷信が根強く残っており、大多数(77%)の女子が、生理用ナプキンの捨てる場所を誤ると悪魔に憑りつかれると信じています。興味深いことに、月経は女子が生物学上、妊娠可能になったことを意味するということを正しく認識している割合は、女子(52%)よりも男子(65%)のほうが多い状況です。

これらの調査結果は、月経が学校でオープンに議論されることがない状況を示しています。この状況は月経を経験している女子生徒に否定的な影響を与える可能性があります。「私は生理中、学校では気持ちが落ち着かないことがあります。スカートを汚してしまわないか心配なんです。それに生理中とわかったら、男子たちにからかわれるかもしれないし」と、8年生の生徒は話します。

正しい情報を十分に与えられていないことが、スティグマや非友好的な態度、からかい、そして月経への誤解の原因となる可能性があります。

課題解決の鍵

この課題に対処する鍵は、情報の受け取り手に対し効果的かつ適切な方法で信頼できる情報を提供することです。月経衛生管理(MHM)プログラムにおいて、このストーリー教材は、まさにそういった方法のひとつです。

教材では、13歳の女の子Mitaが初潮を迎え、心や身体の変化に戸惑うなか、先生や母親といった信頼する人々から正しい知識を得ていくストーリーが描かれている

© UNICEF Indonesia/2019

教材では、13歳の女の子Mitaが初潮を迎え、心や身体の変化に戸惑うなか、先生や母親といった信頼する人々から正しい知識を得ていくストーリーが描かれている。こちらからダウンロード(インドネシア語/PDF)いただけます。

 

※本記事の原文(英語インドネシア語)は、ユニセフ・インドネシア事務所ホームページでご覧いただけます。

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