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日本ユニセフ協会
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イエメン
極度の食料不安 IPCフェーズ5、ユニセフなど警鐘

【2020年12月3日  サヌア/アデン/ローマ/ニューヨーク発】

ユニセフ(国連児童基金)、FAO(国連食糧農業機関)、国連WFP(国連世界食糧計画)は本日、イエメンが極度の食料不安に陥っていることに関して、同国の飢饉を防ぐための機会は狭まっていると警鐘を鳴らしました。

極度の食料不安

サヌアの保健センターで、上腕計測メジャーを使い栄養不良の検査を受けるアマルちゃん。(2020年6月撮影)

© UNICEF/UN0372081/Alzekri

サヌアの保健センターで、上腕計測メジャーを使い栄養不良の検査を受けるアマルちゃん。(2020年6月撮影)

最新の総合的食料安全保障レベル分類(IPC)分析によると、イエメンでは2年ぶりに、「飢饉」に近い状態(IPCの5段階分類のうち最も深刻なフェーズ5)が一部地域ですでに始まっており、この食料不安を経験している人々の数は、2021年1月から6月の間に現在の1万6,500人から4万7,000人へと約3倍に増加するおそれがあるとしています。

また、分析によると、食料不安のレベルがIPCフェーズ4の「緊急事態」に達する人々の数は、2021年前半には360万人から500万人へと増加する可能性があるとしています。

IPCフェーズ4は、行動を起こすための最後の警告です。この段階で人々はすでに非常に大きな苦しみを受けており、最も不利な立場に置かれた人々の中には飢餓で命を落とす可能性のある人もいます。5年以上に及ぶ紛争の影響を受け続け、危機に対して非常に脆弱な状態に置かれているなかで、3,000万人の人口の半数以上(1,620万人)が、2021年半ばまでに危機的なレベルの食料不安(IPCフェーズ3以上)に直面することになるでしょう。

命を守るため緊急な人道支援が不可欠

サヌアの保健センターで、栄養不良の治療を受ける生後9カ月のヌールちゃん。重度の急性栄養不良から回復しつつある。(2020年1月撮影)

© UNICEF/UNI366578/Abaidi

サヌアの保健センターで、栄養不良の治療を受ける生後9カ月のヌールちゃん。重度の急性栄養不良から回復しつつある。(2020年1月撮影)

食料の80パーセントを輸入に頼り、人口の70パーセント以上が農村部に住み、生計を農業に頼っているイエメンでは飢饉を防ぎ、命を守るため緊急かつ協調的な人道支援が不可欠です。しかし、大幅な資金不足によって、ライフラインである食料支援、5歳未満の子どもや妊娠中・授乳中の女性への栄養不良の治療、必要な食料と収入を得続けるための家庭への支援までもが、制限される可能性があります。

「イエメンが飢饉に陥り、何百万人もの厳しい状況の子どもたちや家族が飢えているのを黙って見過ごすことはできません」とユニセフ事務局長のヘンリエッタ・フォアは述べました。「状況はすでに悲惨なものであり、今緊急に行動しなければ、より多くの子どもたちが命を落とすことになります。これまでにもイエメンの飢饉を防いできた私たちは、支援を強化し、必要としているすべての子どもや家族へのアクセスを確保することで、再び飢饉を防ぐことができるはずです」

高まる危機の背景には、イエメン南部での劇的な食料価格の高騰を含む、経済崩壊をもたらした紛争の激化や、北部地域を襲っている燃料の輸入禁止措置など複雑な要素が組み合わさっています。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、送金額が減少し、収入機会は枯渇し、医療サービスはひっ迫し、移動制限により市場へのアクセスが妨げられていることから、その状況はさらに悪化しています。さらに、蝗害(バッタ類の大量発生による災害)と鉄砲水により、一部の地域では食料生産が打撃を受けています。

今年の食料支援を含む人道支援の制限によって、これまでの食料安全保障上の成果が奪われ、人々の食料消費における格差が拡大しました。緊急に資金を得られなければ、この制限はさらに拡大し、憂慮すべき予測を上回る事態となる可能性があると3機関は警鐘を鳴らしています。


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