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日本ユニセフ協会
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オンラインフォーラム
「ユニセフ日本型CFCモデル検証作業完了報告及び今後の展望」
2021年2月16日開催報告

【2020年3月31日  東京発】

2021年2月16日、オンライムフォーラム「ユニセフ日本型CFCモデル検証作業完了報告及び今後の展望」が開催されました。本フォーラムでは、ニセコ町、安平町、富谷市、奈良市、町田市の町長、市長により検証作業での発見や今後の展望が報告されました。

©日本ユニセフ協会/2021

 

ユニセフ「日本型子どもにやさしいまちモデル検証作業とは」

ユニセフの「子どもにやさしいまちづくり事業」(Child Friendly Cities and Communities Initiative=CFCI)は、子どもの権利条約の内容を地方自治体で具現化する世界的な取り組みです。その特長は、当該の“まち”の人々がみんなでみんなの“まち”を作っていくこと、とりわけ、子どももまちづくりの主体、当事者として位置付けていることです。日本でもユニセフ日本型CFC自治体検証作業が5自治体(ニセコ町、安平町、富谷市、町田市、奈良市)で、2018年10月29日から2年間の期間で完了致しました。この検証作業を通した発見及び今後の展望等に関し、5つの自治体に町長、市長の方々にご報告を頂き、多くの皆様にこの活動を知って頂きたくこのオンラインフォーラムを開催致しました。

 

基調講演:「すべての子どものために子どもにやさしいまちを」

Louise Thivant-Johannsen(ユニセフ本部プログラム部局CFCIアドバイザー)

©日本ユニセフ協会/2021

Louise Thivant-Johannsen 氏

日本での子どもにやさしいまちづくり事業の検証作業が5自治体で成功裏に終わった事に祝意を申し上げます。また、この事業を推進して下さった各自治体の町長、市長他関係者の方々に心よりお礼を申し上げます。ユニセフの「子どもにやさしいまちづくり事業」(以下、CFCI)は、市区町村で子どもの権利条約の内容を具現化することです。

1996年に開始された本事業は、今では世界の58カ国程で取り組まれています。それらの国々には開発途上国も先進国も含まれており、日本がその一員となるのは、世界の子どもたちの健やかな成長のために活動するユニセフにとって、とても嬉しく、この取り組みの大きな後押しとなると感じます。

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さて、なぜCFCIは自治体に焦点を当てるのでしょうか。なぜ自治体で子どもたちの生活を改善することが不可欠なのでしょうか。もちろん、国や地方自治体は子どもたちの生活を向上させる上で重要な役割を果たしています。スペインやドイツなどの多くの国では、中央政府が全国的にCFCIを支援しています。しかし、子どもや家族の日常生活に影響を与える決定の多くは、子どもや家族へのサービスを含め、地元で行われています。だからこそ、CFCIは地方自治体の自主的な取り組みに頼った取り組みになります。また、地方自治体は、国よりも市民に近く、市民のニーズに精通しています。そのため、子ども家族、その他の地域の人々と一緒に解決策を見出すのに適しているのです。

また、異なるアクターが集うためのプラットフォームを作るのにも適しているのもそのためです。CFCI は非常に地域に密着したプログラムです。これは、地方自治体がそれぞれの課題を抱えており、その課題に応じた解決策を必要としているという前提に基づいています。これらの課題は、それぞれの地方自治体で定義されるべきものです。このCFCIの具体的な世界での経験で見ると、子どもの参加、家族支援の取り組み、SDGsとの関係子どもの権利教育そしてコロナ感染症の対策としてCFCIが取り組まれているのは参考となると思います。

概要報告:「ユニセフ日本型CFCモデル検証作業」から見えてきたこと

木下勇氏(大妻女子大学教授/日本ユニセフ協会CFCI委員会委員長)

©日本ユニセフ協会/2021

木下勇 教授

なぜ日本で子どもにやさしいまちづくり事業が必要なのでしょうか。それは、現在の日本にあっては、子どもの声が聴かれていない、つまり、子どもの人権が重要視されておらず、このままではこれから将来に渉る持続可能性を展開できないからです。さて、5つの自治体の協力を得て、日本型CFCモデルの検証作業が無事完了しました。

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「ユニセフ日本型CFCモデル検証作業」では、子どもの権利条約の内容を具現化するための子どもにやさしいまちになるための10の構成要素とそれに付随するチェックリストを、日本ユニセフ協会CFCI 委員会での討議で、自治体の状況に合うように工夫を加え、参加自治体の自己評価型で実践する事を基本に検証されました。その流れは、Plan(立案)、Do(実施)、Check(モニタリングと自己評価)、Act(見直し)、次年度の計画へとなります。このPDCAがしっかりと回されて、自治体により自己評価型によるCFCI が管理されると思います。

では、この5自治体での検証作業で何が見えてきたのでしょうか。

その1は、CFCI を実施するのに、自治体内での庁内横断的な体制が求められ、その工夫が各自治体で行われた。次に、チェックリストがPDCAのツールとなっている。そして、自治体間の連携・日本ユニセフ協会、専門家等とのパートナーシップが促進された。最後に、子どもの権利の重要性が自治体の施策・取り組みの中で再認識されるようになったことがあると思います。

 

自治体からの報告

北海道ニセコ町長 片山健也氏の報告

©日本ユニセフ協会/2021

北海道ニセコ町長 片山健也 氏

ニセコ町では、町にゆかりのある作家、有島武郎の遺訓である相互扶助を基本に、日本で初めて自治体の憲法といわれる「ニセコ町まちづくり基本条例」を2000年に制定しています。このまちづくり基本条例の中で、子どものまちづくりに参加する権利を規定しています。具体的には、小中学生による「子ども議会」や子どもが町政を考えて議論し活動する「子どもまちづくり委員会」を通年にわたって開催し、子どもの意見をまちづくりに反映しています。この基本条例の作成過程では、「子どもの権利条約」についても議論がなされています。

 

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(令和2年度の具体的な取組み)

  1. 次年度事業予算ヒアリングに併せ、各所管の事務事業についてCFCモデル構成要素チェックリストを作成
  2. 庁内ワーキンググループで、ニセコ町全体の取組みをまとめる
  3. 子育て会議等へ提出(本年度は未実施・将来的に外部評価へつなげる)
  4. ニセコ町子どもにやさしいまちづくり委員会(管理職会議)へ評価の報告

 

令和2年度の「子どもにやさしいまちづくり委員会の活動」は、上記になりますが、全行政組織を挙げての検討会は、本委員会が初めてのことであり、CFCIが実施されたことに感謝したいと思います。町中の公園の整備に関しても、子どもの意見を反映させた設計が行われています。また、子育てへの格差縮減を目指した支援の拡充も進めています。

ニセコ町は日本政府より「SDGs未来都市」に選定されており、SDGsの目標である「誰一人取り残さない社会」を実現したいと考えています。SDGsを推進する一方策として、長年のニセコ町における住宅不足を緩和するため、新たにSDGs街区(ニュータウン)の検討を進めています。これらの街区の整備やSDGsを強力に推進する母体として、そして、将来的には第2の役場機能を持つ組織として「株式会社ニセコまち」を昨年設立しました。子どもが育つ環境にも十分配意しつつ、SDGs街区の計画づくりが進められています。

この検証作業から多様性や寛容性、主体性を持った住民自治による取り組みを、今後ともさらに加速させる必要性があると考えております。ニセコ町では、この4月から新たに「こども未来課」を新設することとしており、子どもの視点から発想する意識改革をさらに強化していきたいと考えております。

 

北海道安平町長 及川秀一郎氏の報告

及川秀一郎 北海道安平町長

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北海道安平町長 及川秀一郎 氏

安平町での本検証作業の内容に関しましては、2018年年9月6日の北海道胆振東部地震による災害の発生を契機に、特に今いる子どもたちが望む声に対応して取り組んできた当町の事例について、PDCAサイクルをベースにして発表します。

安平町ならではの体制と具体の実践について、P(計画)-震災を契機として、D(実行)-安平町ならではの実践、C/A(評価/改善)-わがまち版の手法の各フェーズごとの紹介になります。

 

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まずは、P(計画)フェーズです。

この地震で安平町は大きな危機に直面しました。震度6強を記録し、被害が甚大だった校舎での再会を断念し、約3か月で仮設校舎を設置し、令和4年度までに新たな校舎の建設を目指しています。そこで、安平町が独自の判断で取り組む日本型CFC構成要素の第10項目を『遊びを通じた震災からの復旧・復興と、復興のシンボルとなる学校再建への着実な歩み』と定めました。

キーワードは、遊びと学校再建です。

 

次に、D(実行)フェーズです。

あびら教育プランは、幼児から小学校高学年程度をターゲットとした遊育推進事業、小学校高学年から中学生をターゲットにした学びサポート事業、そして大人も巻き込む町民チャレンジ応援事業で構成されます。

第10項目のもうひとつのキーワード『学校再建』です。

学校を早期に再建することは、まさに子どもたちの声そのものであり、当町にとってとても重要な取り組みです。学校の建設には多くの課題があるなかで、ただ元のような学校に造り直すのではなく、復興のシンボルとして、より発展的な学校の建設を目指しています。

 

そして、C(評価/改善)フェーズです。

「日本型子どもにやさしいまち(CFC)モデル構成要素10項目及びチェックリスト」をベースにして、ご覧の3つの段階(庁内部評価作業、庁外部評価作業、評価結果公表)で評価及び公表を進めてまいります。

以上のように、安平町でのCFCI の実践の特徴の一つとしては、子どもたちの遊びと、そこから得られる学びを大切にし、子ども自身の手で、考えで、学び舎を取り戻すことを支援することがあります。

 

 

宮城県富谷市長 若生裕俊氏の報告

若生裕俊 宮城県富谷市長

©日本ユニセフ協会/2021

宮城県富谷市長 若生裕俊 氏

子どもたちを“まちの財産”として育ててきた富谷市では、市全体で「子どもにやさしいまちづくり」を行っていきたいという思いから、2018年11月20日(世界子どもの日)に、「子どもの権利」に基づいた「富谷市子どもにやさしいまちづくり宣言」をしております。

日本型CFCIの特長にある「縦割り行政ではなく分野横断的な取組」に通ずる富谷市の具体的な取組をご紹介します。

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1つ目は、「富谷市子どもにやさしいまちづくり推進庁内連携会議」です。全庁的に「子どもにやさしいまちづくり」を推進していくために、設置しました。この会議では、「富谷市版チェックリストの作成」のほかに、職員の意識醸成を行ってきました。担当課や子どもと直接かかわる人たちが頑張るだけでは真の「子どもにやさしいまち」とは言えません。どんな人でも子どものことを考えていくことが「子どもにやさしいまちづくり」であると考え、職員一人一人が「子どもにやさしいまちづくり」のことを考えることを意識づけられるよう、今後もCFC自治体として取り組んでいこうと考えております。

2つ目は、子どもの権利条約の4つの原則の一つである「意見を表明し参加できること」として、「わくわく子どもミーティング」を開催しています。話し合いの場で子どもたちから出た意見について、すぐできることはすぐに改善し、すぐにできないことは子どもたちへ対応状況を伝える、といったように、単に子どもたちの意見を聴くだけではなく、子どもたちの意見を行政に反映することを心掛けています。

3つ目は、自治体レベルでは初となる「子どものためのスポーツ宣言」についての紹介です。この宣言は、「スポーツは、すべての子どもが自らの能力や可能性を最大限に発揮し、健全で豊かさに充ちた成長を促すためにある」という考えのもと、ユニセフ「子どもの権利とスポーツの原則」に賛同したスポーツ少年団において行われ、日々の練習等で意識されています。

4つ目に、富谷市の宣言に賛同いただいた地域住民の方の取組を紹介します。この取組は、「富谷市子どもにやさしいまちづくり宣言」の5つの柱の1つ「子どもが地域社会の絆の中で役割を持ち、活き活きと参加できるまち」に合致しているものです。 PTAでは、防災教育の一環として、学校・地域・家庭の連携強化を目的に、中学生の防災活動ささえ隊を立上げました。毎年、避難所の開設・運営や炊き出しなど、普段関わることが少ない地域の方とのともに作業することで、これまでは「守られる側」だった子どもたちにも、「守る側」としての意識が芽生え、子どもの心の成長にもつながっています。

これからの「富谷市子どもにやさしいまちづくり」は、宣言の啓発の域にとどまることなく、子どもに関わる部署の施策・事業の継続と、これまで関連性が低いと捉えている部署においても、子どもにやさしいまちづくりの視点を取り入れていく意識の醸成が図れるよう、全庁的に推進していきたいと思います。

今後は、富谷市のまちづくりを行う上で最上位計画となる「富谷市総合計画・後期基本計画」に、新たに「子どもにやさしいまちづくり」の視点を設け、すべての施策を「子どもにやさしいまちづくり」の考えのもと展開していきます。4月からはCFC先行自治体となりますので、日本版の「子どもにやさしいまちづくり」を、そして、「子育てにもやさしいまちづくり」を全国に発信していきたいと思います。

 

 

奈良県奈良市長 仲川げん氏の報告

©日本ユニセフ協会/2021

奈良県奈良市長 仲川げん 氏

奈良市のCFCI の取り組みに関して報告します。本市は平成27年に子どもにやさしいまちづくり条例を施行しました。本市の最近の子どもに関わる様々な取組は、子どもの権利を守る、子どもにやさしいまちに、というこの条例を制定したことがひとつのきっかけとなっています。

この条例の主な条項として以下のものがあります。

  • 第1条に「子どもの参加によって大人と共にまちづくりを進める」こと、第2条にはその基本理念として児童の権利に関する条約の理念に基づき、子どもの権利が主体として尊重されることを全ての取組の基礎とすること」をうたっています。
  • さらに、第12条で子どもの意見表明やまちづくりへの参加の場として「子ども会議」を置くものと規定し、条例制定以降毎年子ども会議を行っています。

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本市の「子どもの参画」の中心的な取組である「奈良市子ども会議」は、平成27年度以来毎年実施しています。会議の内容については、担当部署のほか市民で構成される審議会の委員の皆様から意見をいただき、実施しています。

これまでに子どもたちから出た意見として、子どもに身近な「公園」に関する意見が多かったと感じています。実際できること、できないことと色々ありましたが、子どもたちにとってより身近なパブリックスペースである公園について、今後も意見を出してもらおうと考えています。本年はコロナ禍の状況もありオンライン方式となりましたが、子ども会議を12月に実施したところ、全部で30人が参加してくれました。

この子ども会議以外にも、いじめ防止に関する取組やまちづくりに関して等、子どもたちが直接意見を出し合う機会を設けています。子どもに関わる部署というのは、固定化されやすいようではありますが、「どの分野でも子どもに関わる要素がある」という認識で、子どもの参画について全庁的な浸透を図っているところです。

続いて、今回の日本型CFCモデル検証作業について報告いたします。

検証作業の流れとしては、ユニセフのCFCモデル構成要素チェックリストを奈良市仕様に編集し、全庁的に展開しました。各部署が該当する事業・計画・取組の有無を確認し、該当事業があれば、チェックリストに基づいて現状の評価を行う作業の中で、モデルの有効性を検証しました。またこれを本市の「子ども・子育て支援事業計画」の事業評価(114事業)と併せて実施し、計画とCFCの構成要素との関連を拾いながら、検証を行いました。

このCFCチェックリストでは、一つの「事業」だけでなく、多くの事業や行政活動の中の「手続き」や「視点」が子どもにやさしいまちの構成要素となっており、そのことを市の担当課が認識することが大切だと感じました。子どもにやさしいまちづくりには直接関係がないと思っている部署ほど横串を刺して、全庁的に取り組み、定期的に自己チェックし、現状を変えていくことでレベルアップしていけると考えます。

検証の結果としては概ね半分の項目が整備できていると評価できました。今回の評価により、できているところ、足りないところが見えてきましたので、今後の取組につなげたいと考えています。また市の子ども・子育て支援事業計画では、これを推進するため「奈良市子ども・子育て支援推進本部」という庁内全部局からなる会議を組織し、計画の114事業を所管する関係課による評価、点検を実施しています。このCFC事業においてもこれらの体制を活用し、全庁を挙げて取り組みたいと思います。

今後について、「子どもにやさしいまちづくり条例」も策定して終わり、というのではなく、条例の実効性を徐々に高め、これを担保していくことが重要です。これには、市の職員の意識を統一することはもちろん、職員だけでなくこれを支える市民の方々など外部とも協働し、一緒に前進させ常に見直しを繰り返すことが大切です。CFC事業は、そのために意義深い取り組みだと考えます。

 

東京都町田市長 石阪丈一氏の報告

©日本ユニセフ協会/2021

東京都町田市長 石阪丈一 氏

CFCI の実践で町田市が力を入れている子ども施策を2つほどご紹介します。

1つ目は「子どもの居場所づくりの推進」です。町田市では、直営の大型児童館である「子どもセンター」、指定管理によって運営している小型児童館の「子どもクラブ」、小学校の放課後の空き教室等で実施している「放課後子ども教室」、それから公園の一角を使用して、野外体験等を行っている「冒険遊び場」などの整備を推進してきました。

2つ目は「子どもの参画に関する取組」です。子ども達と市長で市政に関する意見交換を行う「若者が市長と語る会」や、市の事業を評価する、いわゆる「事業仕分け」に高校生の評価人が参加する取組などを行ってきました。さらに2019年度には、この子どもが参画する仕組みを、市の多方面に広げるため、市内の高校生世代の若者で構成される「町田創造プロジェクト(通称:エムエスピー)」を立ち上げました。

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町田市では現在2022年度からスタートする基本構想や基本計画を子どもたちと共に策定しています。

次に、この2年間の検証作業について報告します。

町田市は3つのステップで取り組みました。チェックリストが理念的で抽象的な内容だったため、実務担当者が評価を行うにあたり、どの業務が当てはまるのかが分からない、というのが最初に突き当たった課題でした。そのため、最初のステップで、理念と事業を結び付けるべく、「貴方の部署では、このような事業が該当する」といった現場の実務担当者もイメージができるような具体的な解説を付加しました。

次のステップとして、チェック項目ごとに町田市が実際に取り組んでいる事業を当てはめ、以下の3段階の評価基準を設定しました。

  • 取り組めている項目は、「◎(二重まる)」
  • 一部に対して行っている場合は、「○(まる)」
  • まったく行っていない場合は、「×(ばつ)」

最後のステップでは、以下の3点について、事業を所管する職員とともに確認し、評価を実施しました。

  • 該当事業や所管部署が正しいかどうか
  • 評価基準が適切かどうか
  • 取組の評価とその理由が適切かどうか

 

この一連の取組で感じたこととして、チェック項目と市の事業を紐づけて評価できる仕組みを作ると共に、改善に繋げる仕組み作りが必要であると感じました。また、全庁で目的意識を共有して、しっかりと進めていくために、市の基本計画や実行計画とも連動させる必要があると感じました。

未実施の項目として挙げられていた「行政職員の研修」は、早速来年度から、新規採用職員研修の科目にCFCIを追加致します。CFCIの評価に基づく最初の改善事例となります。

チェックリストによる評価を行った後、所管する部署が単独で改善できる課題はそれぞれの部署で改善に取り組みますが、単独では解決できない複合的な課題は、関係部署の担当者で構成するワーキングチームを作って改善策を検討し、副市長をトップとする庁内推進会議「子どもにやさしいまち推進会議」に諮って進めていきます。

最後に、町田市特有の課題として設定する構成要素の10番目について紹介します。町田市は、子どもが自分の過ごす場所を自分の意志で選ぶことができることは、子どもの参画と並んで子どもにやさしいまちづくりや、子どもの幸せにとって、とても重要な事であると考えております。そのため「屋内や屋外で子どもが自ら自由に選び、過ごせる居場所づくりの推進」を設定しました。

 

パネルディスカッション

パネルディスカッションでは各自治体の町長、市長からの報告を得て、木下教授が、「ユニセフの提示するCFCIのガイドラインを自治体で事業化するのにどのような工夫をしたのか」、「全国的にもユニークな『子どもにやさしいまちづくり条例』とCFCIとの関係の側面」からさらに説明を求め、そして、「CFCIを、従来的な縦割り型ではなく、市の各分野が横断的に取り組みをするように進めているが」どのような工夫が必要なのか、さらに、「日本でのCFCI の基本である、構成要素10項目の、10番目の要素(遊びを通じた震災からの復旧・復興)というのはとてもユニークだが、具体的にはどのように実践するのか」、最後に、「CFCIを展開するのにSDGsとの関連を重要視している取り組み」、についてさらなる説明を求め、こうした問いに、関係する町長、市長から丁寧な返答がなされました。最後に、木下教授は、CFCI の次への展開を課題も含めて以下の4点にまとめました。

 

  • 子どもの権利条約に基づく、子ども最善の利益の促進が図られた。

自治体庁舎の担当職員だけではなく、他の部署でもチェックリストの共有、コミュニケーションを通じて意識の広がりが出たのは成果であった。そして、家庭や学校だけでは扱いきれない問題に対し、子どもと共に子ども参画を促進し、地域社会、コミュニティで協力して行う事が大切となる。

 

  • 自治体庁舎内の分野横断的な連携が図られた。

今回の検証作業で庁舎内の連携が図られたのは成果であった。今後は庁舎外の市民組織、団体、企業などとの連携を図り分野横断的な取り組みを民間にも浸透させることが求められる。

  • CFCIのチェックリストは進化する

ユニセフ協会CFCI委員会でのチェックリストの討議で自治体側から提案を頂き、ユニセフのガイドラインを事業化に向けて分かり易く書き換えたように、チェックリストを作り上げてゆくのはお互いに刺激しあい、進化に繋がっている。チェックリストをデータというエビデンスをつけて改善するのが望ましい。

  • 自治体独自のCFCIの取り組み

本検証作業に各自治体独自の特性が出ている。と言うのは、このような取り組みで子どもが生き生きとするのを示せるというのは、そうした自治体に暮らす良さ示せることだからだ。これは、自治体の活性化を推進するものであり、これにCFCIが貢献する。

 

2年間の検証作業を通じて、互いに学びながら、立派な成果を出すことが出来ました。他の自治体にもこの取り組みに参加するよう期待したいと、締めくくりました。

 

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