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日本ユニセフ協会
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世界子供白書2017 発表会 開催報告(2)
「デジタル世界の子どもたち」

【2018年2月20日  東京発】

2017年12月11日「世界子供白書2017」発表会の会場には、多くの方々にお越しいただきました。

©UNICEF Japan/2017/Chizuka

2017年12月11日「世界子供白書2017」発表会の様子。企業や政府からの関係者だけでなく、多くの一般の方々にお越しいただきました。

12月13日、「世界子供白書2017発表会」をユニセフハウス(東京)で開催しました。

開催報告(1)では、ユニセフの世界子供白書2017のテーマである「デジタル世界の子どもたち」に沿って、インターネット上の危険から子どもたちを守るとともに、デジタル技術を最大限に活用するためにはどのような取り組みが必要なのか、ユニセフ事務局長のアンソニー・レークが発表するとともに、大学生とのトークセッションを行いました。

企業による発表

続いて、インターネット上の子どもの保護と、インターネットを活用した子どもの機会拡大を、本業の中でどのように実行されているかについて、ヤフー株式会社執行役員社長室長の別所直哉さん、株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)カスタマーサービス部部長の西雅彦さん、ソフトバンクグループ CSRグループの齊藤剛さんに、それぞれ共有していただきました。 

ヤフー株式会社-インターネット上の児童の成長と保護に向けた取り組み

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©UNICEF Japan/2017/Chizuka

「世界子供白書2017」発表会に登壇された、ヤフー株式会社の別所さん

Yahoo Japanは単体での取り組みとともに、外部の方々と協力した取り組みも行っています。児童ポルノの単純所持の処罰化に向けては、企業側からも継続して働きかけを行いました。これは、インターネット上に溢れかえる児童ポルノの画像を削除するために極めて有効な働きかけだったと思っています。多くの方々の協力のもと単純所持が処罰化されたことで、ネット上の児童ポルノの削除が進みましたし、民間の枠組みの中でも児童ポルノのブロッキングというものを提供できています。

インターネットと子どもに関する取り組みは、Yahoo Japan創業当時から進めてきました。その一つ、子ども向けのポータルサイト「Yahoo!きっず」は、小学校などで使っていただいているサービスです。インターネット上に溢れる情報の中から、子どもにとって安全な情報だけに絞って提供しています。

他にも、未就学児の保護者に向けたインターネット利用に関する情報提供を目的に、教育の専門家の力を借りて、正しい分析・裏付けに基づいた情報をまとめた報告書などを制作しています。また、検索サービスを通じた社会課題の解決として、「死にたい」など自殺を示唆するキーワードの検索結果に、支援窓口の情報を掲載するなど、必要な支援につなげる取り組みを地道に続けています。

業界横断的な取り組みとしては、セーファーインターネット協会(SIA)の取り組みがあります。違法・有害情報を削除するためのホットラインを運営しているのですが、削除依頼に対し、全体で97%が削除に応じてくださっています。対象サイトには海外サイトも含まれるため、国際的組織に加盟し、国際連携の推進も進めています。先日、来日した「子どもに対する暴力撤廃のためのグローバル・パートナーシップ」スーザン・ビッセル事務局長との意見交換の場を設けましたが、日本の事業者の積極的な取り組みに高い評価をいただきました。

また、地域と連携した取り組みも、秋田県とともに進めています。家庭のなかでのインターネットリテラシーを高めるためには、地域人材の育成も重要です。次のステップに向けた課題として、日本の企業やNPOがお互いに連携し合う必要性を感じています。全国で同じレベルの教材を提供していくために、単独ではなく、連携への働きかけを広げていければと考えています。

DeNA - サイト健全化にむけた取り組み

「世界子供白書2017」発表会に登壇された、DeNAカスタマーサービス部部長の西雅彦さん

©UNICEF Japan/2017/Chizuka

「世界子供白書2017」発表会に登壇された、DeNAカスタマーサービス部部長の西雅彦さん

およそ10年前、Mobageを含めたSNSが多くの中高生に使われる中で、残念ながらSNSがおとなと子どもの出会いのきっかけとなり、多くの被害児童を生んでしまう事態が起こりました。Mobageを運営するインターネット事業会社として、青少年を含めた利用者が、インターネットを安心・安全に使っていただける環境をつくらなければ継続的なビジネスはできないという判断のもと、サイトの健全化を最優先課題として取り組んできました。その取り組みを進めるなか、Mobageでの被害児童の数は直近ではゼロにまで減っています。

Mobageサイト内のルールでは、サイト外(現実世界)での出会いを求める一切の行為の禁止や、違法行為の禁止などをあげています。また、顧客の同意確認を行ったうえで、チャット内に含まれる電話番号やメールアドレスなどの個人情報、あるいは事件につながるようなものをシステムで検知したうえで、人の目によって目視チェックしています。このサイトパトロールは、最大300名規模で、24時間365日体制で行われています。

その他のシステム対応として、18歳未満の利用者は3歳以上の年が離れたユーザーとのメッセージ交換ができないようにブロックしたりしています。特に効果が高いものは、ルール違反の自動検出です。過去にルール違反となった書き込み内容をシステムが恒常的に学習し、違反の確率が高い書き込みを自動的に検出した上で、オペレーターが目視で確認しています。この取り組みにより、被害児童の数を年々減らすことができました。

また、生徒・保護者向けに、実際にスマートフォンを使っていただきながら、体感していただく講座を、地域や学校とともに実施しています。そして、各自治体主催の、青少年参加型のワークショップやスマホサミットにも参加しています。参加した子どもたちから、アプリ開発を求められたため、スマホの利用時間の制限につながる「おかんアプリ」を開発しました。全国の地域のみなさんや学校と連携しながら、こうした活動をさらに進めていきたいと考えています。

ソフトバンクグループ株式会社 - ICTによる子どもの機会格差解消

「世界子供白書2017」発表会に登壇された、ソフトバンクCSR企画部部長 齊藤剛さん

「世界子供白書2017」発表会に登壇された、ソフトバンクグループ CSRグループ 齊藤剛さん

ソフトバンクも携帯電話の事業者として、安全利用やフィルタリングサービスの提供を行っていますが、今回は、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念のもと、ICTを使って人々の悲しみをなくし幸せにしていくために、グループ各社が事業を通じて行っている取り組みを、ご紹介させていただきます。

具体例の一つとして、グループ会社の一つOne Webでは、低軌道の人工衛星によって高速インターネットの実現を検討しています。この背景には、ソフトバンクグループの孫正義の「2022年までに全世界の学校へインターネット導入を目指す」、One Webのグレッグワイラーの「2027年までに情報格差を解消したい」という想いがあります。

ICTを使うと具体的に何が起きるのかという一例ですが、たとえば学校が近くになくても、遠隔教育によって教育を提供できたり、途上国の学校建設・運営の上で課題になりやすい教師の質の向上に関しても、遠隔教育での研修によって貢献できたりするのではないかと考えます。また、遠隔医療や、医療施設がない場所でもヘルスケアのデータを送信できる機械を設置して、子どもたちの健康状態を日常的に管理することも可能ではないかと考えています。

国内の取り組みとして、文字を書くことに困難があるLD(学習障がい)の小学校5年生の男の子の作文を紹介します。この男の子が、iPadの音声入力機能などを使って描いた作文は、「僕は自分のことをバカだと思っていました」という一文で始まります。中程に「僕は障害があるけど、僕でもできる方法はたくさんあって、僕はバカじゃないと分かりました」と書かれています。できないこともあったけど、できる方法があって、その方法を用いることできちんと文章を書くことができたということです。

こういった事例を増やすため、「魔法のプロジェクト」という取り組みでは、全国の特別支援学校の先生から取り組みを募り、iPadやPepperを1年間無償で貸し出しています。現在約60の学校が事例研究を行っており、同じような症状がある子どもたちの助けとなるように、1年に1回成果を発表し共有しています。目が悪いから眼鏡を使うように、様々なハンディをICTが補うことで、ICTのちからによって、チャレンジする機会、選択する機会を広げていきたいと考えています。

大学生たちから企業の方々への質問

続いて、大学生から企業の方々にむけて、質問が投げかけられました。

"デジタル世界の子どもたち"の一員である学生たちからの質問に、丁寧に答える企業の方々。

©UNICEF Japan/2017/Chizuka

"デジタル世界の子どもたち"の一員である学生たちからの質問に、丁寧に答える企業の方々。

Q.サイバーパトロールのような仕組みは、人員や費用もかかるのに、なぜやっているのですか?具体的なきっかけや理由があれば教えてください。

  • (DeNA 西さん)ゲームSNSであるMobage上で被害児童を発生させてしまった過去の教訓から、安心・安全に使っていただく環境を作ることをビジネスの最優先事項にしました。徹底的に行うために、人員の増員やシステムの導入、拠点の設置などのコストはかかりますが、それがなければ現在の弊社はなかったと考えています。
  • (ヤフー 別所さん)ヤフージャパンのミッションは「課題解決エンジン」、つまり、社会の課題を解決することを目的にしています。企業価値は、お金だけで換算できるわけではなく、社会からの評価などによって成り立っています。アンケートによると、ヤフージャパンは信頼できる会社という評価をいただいていますが、その理由は、様々な取り組みをまじめに続けているからだと考えています。評価を維持するためのそれらの取り組みを、コストではなく、企業にとって必要なものだと位置づけています。
  • (ソフトバンク 齊藤さん) かっこいい言い方をすると、社会課題を解決するということは、社会に必要とされる会社であるということなので、ヤフーさんが仰った通りです。一方で、突っ込んだ言い方をすると、ICTで社会課題を解決できたとしたら、そこにはビジネスチャンスが生まれるので、多くの人々に使っていただくことで利益にもなり得るということです。

Q.今後の取り組みがあればおしえてください

  • (ソフトバンク 齊藤さん)  教育の分野での、チャレンジする機会への取り組みです。これから、技術改革が起き、情報社会になっていくにつれ、そうした技術を人間が上手く使えるような能力が必要です。そうした中で、プログラミング教育にも興味を持っています。Pepperを貸出し、それを活用したプログラミング教育を進めています。
  • (DeNA 西さん)トラブルから子どもたちを守るという意味では、マイナスをゼロにするという取り組みを引き続きしつつ、今後は1につながるプラス化をすすめていきたいと考えています。すでに2014年より、小学校低学年を対象にプログラミング教育を行っています。また、弊社の強みであるインターネットとAIを活用して社会課題を解決していくことにも取り組んでいますので、楽しみにしていただけたらと思います。
  • (ヤフー 別所さん)安全なインターネットの環境は、1社で実現できるものではないので、世界にも目を向けて、同じような課題に直面している人々と一緒に取り組んでいきたいと考えています。インターネット・ガバナンス(インターネットをどう管理していくのか)については今、世界の中で、インターネットの管理を強化したいという動きと、インターネットは自由であるべきだという動きの二つがあります。日本や欧米は、自由であるべきだという側で取り組んでいますが、世界の方々と有効で効果的な解決方法を模索していく時代だと考えていますので、何らかの形で貢献していきたいと思っています。

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企業の方々とのQAセッションを終え、学生たちが今日の発表会での学びをもとに、「デジタル世界において、子どもたちは何をすべきか」について、自分たちの考えを発表しました。続きはこちら


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