メニューをスキップ
公益財団法人 日本ユニセフ協会
HOME > 国際協力人材養成プログラム > 海外インターン体験記
公益財団法人日本ユニセフ協会

国際協力人材養成プログラム

海外インターン体験記

氏名 稲垣 日菜子
派遣先 マラウイ事務所
派遣期間 2022年10月~2022年12月

2022年10月から12月まで、UNICEFマラウイ事務所 保健セクションの母子保健ユニットにてインターンをさせていただきました。

マラウイは、アフリカ南部に位置する小さな内陸国で、「The Warm Heart of Africa」という愛称を持つ自然豊かなあたたかい国です。一方で、人口の約7割が貧困ライン以下で生活する最貧国の1つでもあります。同国では18歳以下の子どもが人口の半数以上を占めており、保健・栄養・教育・子どもの保護分野における課題が顕著です。このような課題に対応するため、UNICEFマラウイ事務所の保健セクションは、主に母子保健、保健システム強化、予防接種、感染症対策等の課題別ユニットに分かれて、保健省をはじめとするパートナーとともに活動しています。

インターン期間中、ユニットを超えて多様な業務に携わる機会をいただきましたが、今回は(1)母子保健プロジェクト、(2)予防接種プログラムの2点についてご報告いたします。

まず、私が主に担当させていただいたのは、母子保健サービスの質の改善に関するプロジェクトです。同プロジェクトは、マラウイ国内の妊産婦及び新生児の死亡数を減らすことを目的としており、9県の県病院及び保健センターを対象に、基礎的緊急産科・新生児ケア(BEmONC)をはじめとする妊産婦・新生児ケアの質を改善するための様々な取組を実施していました。具体的には、質の改善にかかる実施計画の策定支援、保健医療従事者の能力強化、適切なデータの収集・記録・報告の強化、コミュニティでの啓発活動などです。業務としては、データ分析、ドナー報告書の作成、保健省や関連機関との会議への対応等を行いました。主に、実施パートナーであるNGOから提出されたレポートやデータを確認しながら、県保健情報システム(DHIS2)上のデータと合わせて統計的な分析を行い、プロジェクトでの取組がそれぞれの県における妊産婦及び新生児死亡率の削減に与えたインパクトを可視化しつつ、今後の課題について明確化しました。その中で、実際の取組状況についてモニタリングを行うために、北部のンカタベイ県に出張に行く機会をいただきました。出張中は、県病院及び保健センター職員への活動状況の聞き取りや分娩室・新生児室の視察等を行い、県保健局及び保健省に対し現場がリアルタイムで直面している課題を提起しつつ対応方法について議論しました。ここでは、現場の声を政策に反映できるUNICEFの魅力を改めて感じるとともに、大変多くの実践的な学びを得ることができ、非常に貴重な経験となりました。

また、予防接種プログラムについては、新型コロナ感染症の予防接種キャンペーン及び乳幼児の定期予防接種プログラムのモニタリングのために、南部のマンゴチ県及びマチンガ県に出張に行く機会に恵まれました。これは、予防接種拡大プログラム(EPI)の一環として実施されています。両県では、マラウイ湖の湖畔から山岳地に至るまで、予防接種を行うための各村へのアウトリーチ及び戸別訪問に同行しました。そこで、ワクチンの接種状況や保管状況等を視察しながら、県病院職員やワクチンの打ち手であるコミュニティ・ヘルス・ワーカー(HSAs)への聞き取りを行い、プログラムが抱えているボトルネック及びその解決方法を明らかにしました。その中で、アクセスが困難な僻地に暮らす脆弱な立場に置かれた子ども達のところまで、誰一人残さずワクチンを届けるために多くの人々が尽力している様子を目の当たりにし、UNICEFのカントリープログラムが担う役割とそのインパクトの大きさを改めて認識することができ、大変有意義な経験となりました。

最後になりますが、このような素晴らしい経験を得る貴重な機会をくださったUNICEFマラウイ事務所、UNICEF東京事務所及び日本ユニセフ協会の皆様に、心より感謝申し上げます。今回のインターンシップでの経験を最大限に活かし、今後も国際保健・開発分野に貢献できる人材となれるよう精進して参りたいと思います。

  • マンゴチ県のアウトリーチで訪れた村にてあたたかく迎え入れてくれた子ども達とともに。

  • マチンガ県にて予防接種の戸別訪問のためワクチンを運ぶコミュニティ・ヘルス・ワーカー達。

  • 新型コロナ感染症の予防接種キャンペーンで訪れた村にて、UNICEFマラウイ事務所の同僚とコミュニティ・ヘルス・ワーカーとともに。

  • お世話になったUNICEFマラウイ事務所保健セクションの素晴らしいチームメンバーの皆様とともに。インターン最終日に送別会を開いてくださった時の写真です。

写真:©日本ユニセフ協会

<< 海外体験記一覧へ戻る

トップページへ先頭に戻る