支援活動の根幹を支える
世界の子どもたちのためにお預かりした「ユニセフ募金」は、支援の必要性に合わせてあらゆる国、地域、支援内容に活かすことができるユニセフ本部の通常予算に拠出されます。日本ユニセフ協会の通常予算への拠出額は、2024年度、各国政府・国内委員会(ユニセフ協会)のなかで最も高く、最も困難な状況にある子どもを最優先で支援するユニセフの取り組みに大きく貢献しています。
© UNICEF/UNI656052/Elfatih
学用品がたくさん入る新しいバッグに希望を感じるウィサムさん(スーダン)
通常拠出/通常予算とは
ユニセフの予算は、支援先の国や地域、分野を限定せず、柔軟に活用できる「通常予算」と、緊急・人道支援を含む国や地域、プロジェクトをあらかじめ指定する「その他の予算」に分かれます。多くの方にご参加いただいている毎月定額の募金プログラム「ユニセフ・マンスリーサポート・プログラム」を通じたご協力をはじめ、日本の皆さまからご寄付いただいたユニセフ募金は、このうちの「通常予算」に拠出させていただいています。この「通常拠出」の支えによって、ユニセフは150 以上の現地事務所に不可欠な資金を確保でき、世界各地での支援活動を維持することができています。また、人道危機が新たに発生した際、即時に対応する資金としても活用されています。
避難民の子どもたちに学用品を
2023年4月に紛争が始まって以来、武力衝突が続くスー ダン。何百もの学校が閉鎖に追い込まれ、多くの子どもた ちが家を追われました。
南東部の町センナールに住んでいたウィサムさんも、自宅そばで戦闘が起き、着の身着のまま、家族と紅海州ポートスーダンへ避難。戦火のなか家を捨てて逃げてきた9歳の彼女は言いました。「おもちゃ、本、かばん、鉛筆……ぜんぶ家に置いてきました。特に、お気に入りの制服を残してきたのが悲しい」
避難先で学校に通いはじめたものの、制服はもちろん、鉛筆やノートさえない状況だったウィサムさん。彼女のような避難民の子どもたちが勉強を継続できるよう、ユニセフは学用品の支援を行いました。
いま、ウィサムさんは、真新しいスクールバッグから鉛筆とノートを取り出し、小学3年生として熱心に授業を聞いています。放課後は色鉛筆で花を描いて楽しむそう。「新品です。お兄ちゃんや妹とも色をわけあって使っています」と笑顔です。
2024年9月、紅海州では約600校が授業を再開。約14万人の子どもたちが再び教育を受けられるようになりました。紛争で避難した子どもが勉強を継続できるよう、これからもユニセフは必要な学用品を届けていきます。
箱の中の学校
緊急事態や紛争に直面した子どもたちが教育を受けられるようにするための教育キットです。スーツケースほどの箱に、ノートや筆記用具、地球儀など、生徒40人分の教材と学用品が詰まっており、困難な状況下にある子どもたちに学びの機会を提供しています。
© UNICEF/UN0298242/
ユニセフの緊急支援物資「箱の中の学校」