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日本ユニセフ協会
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世界の子どもたち

イラク
運びやすく清潔な給水タンク
イノベーションで生活を改善

【2016年5月2日  イラク発】

クォラトゥー避難民キャンプの自宅テントの前に立つラフマーンさんとファティマさん。

©UNICEF Iraq/2016/Hamawandy

クォラトゥー避難民キャンプの自宅テントの前に立つラフマーンさんとファティマさん。

「この家は、避難民キャンプの責任者から許可を得て、自分たちで建てました」ラフマーンさんが語ります。「250ドルほどで、1日かけて作りましたよ」

3人の父親のラフマーンさんが、誇らしげに手作りの家を見せてくれました。コンクリートブロックと防水シートで作られた頑丈な家です。

イラクのディヤーラー県の暴力から避難してきたラフマーンさんと妻のファティマさんは、イラクのクルド地区にあるクォラトゥー避難民キャンプに身を寄せています。極度な気温の変化に見舞われるクォラトゥー避難民キャンプは、夏は非常に暑くなる一方、冬は寒く、湿度が高く、風も強くなります。ラフマーンさんは、嵐で傷んだテントの修理に疲れ、間に合わせのものでより持続的な解決方法を見出しました。「以前より暖かくなりました。冬もより快適に過ごすことができるでしょう」とラフマーンさんが語りました。

新しいデザインの給水タンク

15人の親せきや家族分の新しい給水タンクを手にするアブドゥラサンさん。

© UNICEF/Iraq/2016/Niles

15人の親せきや家族分の新しい給水タンクを手にするアブドゥラサンさん。

季節が変わっていくにつれ、ラフマーンさん一家も新しい環境に徐々に慣れていきました。ラフマーンさんは避難民キャンプの外で新しい日雇いの仕事を見つけ、ファティマさんは子どもたちの面倒をみています。

ファティマさんは今朝、配給所に新しい給水タンクをもらいに行きました。給水タンクで水を汲むのが、避難民キャンプでの毎日の日課です。「時々私も水を汲みに行きますが、ほとんどは子どもたちの仕事です」と、ファティマさんが語ります。

日本政府による資金援助のおかげで、ユニセフは最近、避難民キャンプに給水ネットワークを整備することができました。これにより、すべての住民が毎日50リットルの水を手にすることができます。

ユニセフは新しい給水タンクの利便性をテストするため、避難民キャンプの200人の住民に試験配布を行いました。この新しい給水タンクのデザインは、コペンハーゲンのユニセフ供給部門によって開発されました。移動を続ける人々にとって使い勝手がよく、耐久性や適応性の高いデザインになっています。現在、イエメンやチャド、ルワンダでも試験配布されています。

この頑丈なプラスチック製の10リットル用給水タンクは、これまで1つだった取っ手が2つになり、より簡単に水を運ぶことができるようになっています。タンクの底は固く、頭に乗せて運ぶことも可能です。また、折りたたんでコンパクトにすることもできます。

現場のニーズに合った支援物資を

新しい給水タンクを手にするファティマさん。

©UNICEF Iraq/2016/Hamawandy

新しい給水タンクを手にするファティマさん。

ラフマーンさんとファティマさんは、世界でもいち早くこの新しいデザインの給水タンクを使用する人々です。この給水タンクが日々のニーズを満たしているか、2カ月以内に調査が行われます。今のところ、ふたりからは好感触が得られている様子です。

「新しくてきれいなので、飲料水を運ぶのに適していますね」と、ファティマさんが語ります。「取っ手が2つあるので、子どもたちも持ちやすいと思います」

同じくディヤーラー県から避難した15人の親族と家族をもつアブドゥラサンさんにとって、この新しい給水タンクでより健康的な生活を送ることができるようになりました。

「以前は飲料水を汲むために、油用の古い缶を使っていました。もちろん、新しい給水タンクの方がいいですよ」

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