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日本ユニセフ協会
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シリア
学校に通えない子どもたち
自己学習プログラムで教育の機会を

【2016年5月19日  シリア発】

アレッポの近くにある小さな村、テートで暮らす16歳の羊飼いのラシッドくんとモハメド・ノアくんにとって、学校はもう過去の思い出です。「アレッポで紛争が始まってから、村の中学校が閉鎖されてしまいました」と、12歳で学校に通えなくなったモハメド・ノアくんが語ります。生徒や先生が避難したり、学校が損壊したりしたことで、アレッポの近くの人里離れた農村部にある多くの学校が閉鎖されています。シリアでは、4校に1校にあたる約5,000校の学校が機能を果たしていません。

学校に通えない子どもたち

アレッポ近くの小さな村テートで、羊飼いをして暮らしている。

© UNICEF Syria/2016/Fouadi NGO

アレッポ近くの小さな村テートで、羊飼いをして暮らしている。

しかし、紛争で教育の機会を失ったこの少年たちや何十万人もの子どもたちに、希望の光が見えています。今年導入されたユニセフの自己学習プログラムが、教育を受けられない子どもたちに学校で再び勉強をするチャンスをもたらしています。

「学校に行けなくなって、初めてその大切さに気が付きました」と、ラジェドくんが教科書を手にしながら語りました。ラジェドくんは、いつか再び学校に通うことを目指し、プログラムで勉強を続けています。

自己学習プログラムに参加をしても、正式な修了証書は発行されません。しかし、このプログラムで勉強をすることで、子どもたちは国家試験に向けて備えることができます。

教育を続けられるように

プログラムで使用する教材を用いて勉強するラシッドくんとモハメド・ノアくん

© UNICEF Syria/2016/Fouadi NGO

プログラムで使用する教材を用いて勉強するラシッドくんとモハメド・ノアくん

「情勢不安や避難などで通常の学校生活を送ることができない子どもたちにとって、大切な教育の機会となっています」と、アレッポで支援活動を行うユニセフ教育担当官のヤーセル・メディが語ります。「自宅や地域の学習センターでも勉強を続けられるよう、プログラムで使用する教材はシリアの国家カリキュラムに沿って作られています。それらを勉強することで、国家試験への準備ができるのです」

学年末になると、自己学習プログラムで勉強をした子どもたちはいずれかの公立学校に行って、国家試験の受験申込をし、修了証書を手にすることができます。

ユニセフはパートナーと協力し、アレッポ市内および郊外、ハマー市内および郊外、ダマスカス郊外で暮らす3万人の子どもたちに自己学習プログラムを行っています。

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