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日本ユニセフ協会
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ナイジェリア北東部
避難民キャンプにおける取り組み
子どもたちに「楽しい日」を

【2016年12月30日  マイドゥグリ(ナイジェリア)発】

ナイジェリア北東部のダロリ避難民キャンプには、暴力のために自宅を追われた人々が暮らしています。ここで暮らす子どもたちは、暴力や悲劇を目撃してきました。しかし、「楽しいアクティビティの日」の取り組みが、ここの子どもたちに、子どもらしくいられる機会を提供しています。

子どもらしくいられる日

ナイジェリア北東部のダロリ避難民キャンプで開催された「楽しい日」に参加した子どもたち。

© UNICEF/Nigeria/2016/Krista van den Berg

ナイジェリア北東部のダロリ避難民キャンプで開催された「楽しい日」に参加した子どもたち。

ほんの少しの間、マイムネちゃん(12歳・仮名)は、自身に起きた悪い出来事について忘れることができました。なぜなら今日は、ダロリ避難民キャンプで暮らす子どもたちのための「楽しい日」だからです。他の子どもたちと一緒にゲームをしたり、曲を作ったりして、大いに笑い、子どもらしくいるための日です。

マイムネちゃんは、12歳にしてすでに、悲劇がどのようなものであるかを知っています。ボコ・ハラムによって拉致された何千人もの女の子の一人だからです。自分の身に起こったことを、マイムネちゃんは話そうとしません。幼い弟とともに、1年半もの間、ボコ・ハラムにとらわれていました。

ボコ・ハラムに拉致されていた女の子

ある夜、マイムネちゃんは、逃げるチャンスに遭遇しました。幼い弟は一緒におらず、決断に苦しんだうえで、弟を置いて逃げることを決めました。けれども、それ以来、弟のことを考えない日はありません。

ボルノ州の首都マイドゥグリのダロリ避難民キャンプで、母親を見つけることができたのは幸運でした。「お母さんに会えてホッとしました。お母さんと私は、泣いて、抱き合いました」マイムネちゃんが当時を振り返ります。「けれど、今でも、幼い弟の事をいつも考えています」

「このような話を、私たちはとても多く耳にします」ユニセフの子どもの保護専門官のハウワ・マガジは言います。「子どもたちの話を聞くたびに、胸が張り裂けるような気持ちになります」

笑い声が響く「楽しい日」

「楽しい日」のアクティビティで、頭の上に水を入れたボトルを載せて、バランスをとりながら走って競争する子どもたち。

© UNICEF/Nigeria/2016/Krista van den Berg

「楽しい日」のアクティビティで、頭の上に水を入れたボトルを載せて、バランスをとりながら走って競争する子どもたち。

マガジ専門官は他のスタッフとともに、子どもたちがホリデーシーズンの始まりを何かの形でお祝いできるように、避難民キャンプで「楽しい日」を開催しました。頭の上に水を入れたボトルを載せて、バランスをとりながら走って競争する子どもたち。ドラムをたたきながら音を出して楽しむ子どもたち。しばらくの間、それは子どもたちのパーティとなり、笑い声やドラムの音が響きわたりました。

「単に子どもたちが遊んでいるだけに見えるかもしれません。しかし、それ以上のことなのです」とマガジ専門官は言います。「こういったイベントを開催することは本当に大切です。ここは、子どもたちが自分自身を表現できる場所なのです。ほんの少しの間、子どもたちは自分たちに起こった悪い出来事を忘れることができます。このことは、子どもたちのストレスを減らすことにつながるのです」

マイムネちゃんは、特にドラムが気に入った様子です。「どれも楽しくてワクワクしました!ドラムをたたくことが大好きです」(マイムネちゃん)

マガジ専門官と他のユニセフスタッフにとっても、とても良いホリデーシーズンのスタートとなりました。「子どもたちの笑顔を見ることが大好きです。子どもたちの笑顔は、活動を推進する私たちを励ましてくれます」(マガジ専門官)

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