メニューをスキップ
日本ユニセフ協会
HOME > ニュースバックナンバー2017年 >

ECDへの取り組みがSDGs達成の基盤に
子どもたちが変化の担い手
「誰ひとり取り残さない社会」実現のために

【2015年10月22日  発】

2030年までの達成を目指す持続可能な開発目標 (SDGs) の採択を受け、私たちは国際開発における転換期を迎えています。この新しい開発目標の中では、より良い世界を作るための変化の担い手として、子どもたちが重要な役割を果たすとしています。潘基文前国連事務総長は、「乳幼児期の子どもの発達 (ECD) における取り組みによって、次の15年間で変化をもたらすことができる」と述べました。

ECDの持つ可能性

授業で絵を描く子どもたち(バングラデシュ)2015年3月撮影

© UNICEF/UNI185835/Khan

授業で絵を描く子どもたち(バングラデシュ)2015年3月撮影

では、ECDの取り組みはどのようにして2030年までに変化をもたらすのでしょうか。

SDGsの目的はとても明確です。貧困と飢餓の撲滅、尊厳ある平等な社会の実現、地球環境と天然資源の保全、経済成長の促進、平和の構築による「誰ひとり取り残さない社会」の実現です。17の目標と169のターゲットはそれぞれが密接につながり、人、地球、繁栄、平和を中心に据えています。

ECDについては、目標4の中で「すべての人が受けられる公正で質の高い教育の完全普及を達成し、生涯にわたって学習できる機会を促進する」と明記され、特にターゲット4.2において、「2030年までに、すべての子どもたちが質の高い幼児教育、保護、就学前教育の機会を得ることで初等教育への準備をする」とされています。

しかし、ECDを開発の一分野と限定してしまうと、個人や社会を変革するECD本来の可能性を制限することになります。ユニセフのアンソニー・レーク事務局長は、子どもの脳の発達には教育を受ける以上のものが必要だと話しており、私達が学ぶことで、乳幼児期の子どもの発達の考え方や行動に革命が起きると述べています。

子どもの脳の発達には、健康、幼児教育、安全と保護など様々な分野への投資を必要とし、これらの要素をECDプログラムに統合することで、子どもたちの可能性を育てることができます。同時に、ECDはSDGsの多くの目標と関わっていますが、その影響を最大化することができるのです。例えば、

  • 目標1: 貧困の撲滅

  • ECDは、貧困の削減のための最も費用対効果の高い方法とされています。人生のはじめの時期、脳が発達の潜在性を最大に発揮することで、21世紀に経済的に成功する力を身につけられるのです
  • 目標2: 飢餓の終焉と栄養改善の達成

  • 栄養補助食に加えて大人からの刺激を受けた子どもは、栄養補助食のみ与えられた子どもに比べて効果が高まることが分かっています。さらに、ECDの取り組みによって、ストレスのネガティブな影響が緩和され栄養素の体内への吸収率も高まります。
  • 目標3: 健康な生活の保証

  • 人生のはじめの時期、ECDの取り組みによって、生涯にわたる健康の土台が作られます。心臓病、癌や糖尿病などの非伝染性疾患を患うリスクを下げ、健康に育つ力となるのです。
  • 目標4: 生涯にわたって学習できる機会の向上

  • 学習は、生まれた時から始まります。ECDは後の学習の基盤となり、生産性や学問的成功の可能性を高めます。73カ国を対象に行われた調査により、就学前教育への1米ドルの投資が、将来の給料において6~17米ドルの違いを生み出すことが分かっています。これは、長期利益でみると11~340億米ドルになります。
  • 目標5: ジェンダーの平等

  • ECDと女性の経済力との関係性は明白です。さらなる保育の質向上や負担軽減に向けての投資は、女性の経済力向上と密接に関わっています。
  • 目標8: 人にふさわしい仕事の推進

  • 適切な幼児教育を受けることは、人にふさわしい仕事に就くための大切な要素です。ECDを専門とする労働力への投資は、特に女性の雇用促進につながります。
  • 目標10: 国内および国の間の不平等の削減

  • ECDは、生まれる前から存在する不平等な状況をを変革する力を持っています。人生のはじめの数年間は、恵まれない環境に生まれた子どもたちと、恵まれた環境にある子どもたちの格差を縮める絶好の機会です。ECDのサービスを受けることで、大人になってからの給料が25%増え、格差を埋めることも可能になります。
  • 目標11: 安全なまち・地域社会への転換

  • ECDは安全かつ持続可能な、自然を活かした環境を必要とするため、まち・居住環境整備の出発点となります。
  • 目標12: 持続可能な消費

  • ECDプログラムは、消費や環境保護への姿勢、行動に変化を起こします。人生のはじめの時期に学ぶことは生涯続くのです。
  • 目標16: 平和で誰もが受け入れられる社会の実現

  • ECDは、神経の発達にも潜在的な影響を与えます。乳幼児期は、柔軟性を育み価値観が形成される大切な時期です。ECDサービスを受けることで、家庭での暴力的な行動を減らし、コミュニティへの参加が促進されることが分かっています
  • 目標17: 目標(SDGs)達成のための仕組みと国際協力の強化

  • 世界、地域、国単位でECDの効果を測定することは、国際的な協力関係を活性化します。ユニセフの複数指標クラスター調査 (MICS) は、SDGsのターゲット4.2の測定に適した人口レベルでのデータを提供します。

ECDへの投資は、SDGsの複数の目標に影響を与えます。科学的にも証明され、道徳的観点からも重要です。すべての子どもたちの人生のはじめの時期に、公平な機会を与えることからSDGsに取り組みましょう。


トップページへ先頭に戻る