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日本ユニセフ協会
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イエメン
450万人の子どもの教育の危機
終わらない暴力、崩壊寸前の教育制度 ユニセフ中東・北アフリカ事務所代表声明

【2017年10月18日  アンマン(ヨルダン)発】

ユニセフ(国連児童基金)中東・北アフリカ地域事務所代表のヘルト・カッペラエレは、イエメンの子どもの教育の現状について、以下の声明を発表しました。

終わらない暴力、崩壊寸前の教育制度

Students listen to their teacher during a class held in a UNICEF tent school, after  the Aal Okab school which they used to attend was destroyed in June 2015, in Saada, Saada Governorate, Yemen, Monday 24 April 2017. Since the start of 2017, the humanitarian situation in Yemen has substantially deteriorated. According to analysis by the Humanitarian Country Team released in April 2017, the number of people in need of assistance and protection is 20.7 million. Increasing tensions and hostilities in the western coast since January have left over 50,000 people displaced, many of them in locations where humanitarian access has been extremely challenging. Concerns regarding the continuity of operations of the Al Hudaydah port persist and the potential closure of the main port in Yemen would have significant consequences for the humanitarian operation. Between April and July 2017, 400,000 cases of suspected cholera and nearly 1900 associated deaths were recorded. Vital health, water and sanitation facilities have been crippled by more than two years of hostilities, and created the ideal conditions for diseases to spread. Nearly 2 million Yemeni children are acutely malnourished, which makes them more susceptible to cholera. Vital infrastructure, such as health and water facilities, have been damaged or destroyed by the conflict. Adding to the pressure on health services, more than 30,000 health workers have not been paid their salaries in more than 10 months. Yemen’s education system is also on the brink of collapse, and more than 5 million children risk being deprived of their right to education. As at June 2017, over 193,000 teachers have not received their salaries during the past nine months. Moreover, school infrastructure has been affected, with 222 incidents of attacks on schools documented and verified by the Country Task Force on Monitoring and Reporting of Grave Child Rights Violations (CTF MR) between March 2015 and June 2017. At least 1,279 schools are

© UNICEF/UN073956/Clarke for UNOCHA

校舎が破壊され、ユニセフ支援のテントで授業を受ける子どもたち。 (2017年4月撮影)

イエメンでは紛争再燃から2年半以上が経過し、450万人の子どもたちの教育が危機にさらされています。教員の4人に3人は、1年近く給料を支払われておらず、暴力の影響で学校の10校のうち1校が閉校に追い込まれています。

2017年7月時点で、学校1,600校が部分的あるいは完全に破壊され、170校は軍事目的あるいは自宅を追われた家族の避難場所として使用されています。推定200万人の子どもが学校に通えていません。

例年なら9月に開始する新学年が何度も延期され、教科書や教材の不足も深刻です。

給料が支払われていない教員たちは、生き延びるために非常手段を取ることを余儀なくされています。ハッサン・ガレブさんは20年間の教員経験を持ち、4人家族の唯一の稼ぎ手ですが、子どもたちと共に家を追われました。子どもたちを食べさせ、病気の妹の治療費を支払うために、残っていた家具をすべて売らなければなりませんでした。「交通費が払えないのにどうやって学校に行けば良いのでしょうか?私自身が困っている時にどうやって、教壇に立って教えることが出来るでしょうか?」とガレブさんは問いかけます。

イエメンでは、16万6,000人の教員が、毎日、同じ質問を問いかけています。

安心して学習できる環境を

学校に通える子どもたちも、栄養不良および避難生活や暴力の経験によるトラウマを抱え、学ぶ能力に深刻な影響を受けています。

子どもたちが守られ、安心して学習できる学校という環境がなければ、より多くのイエメンの子どもたちが、戦闘への徴用・徴兵や児童婚の被害に遭い、彼らの生涯に修復不可能で重大な影響を与えてしまいます。

現在行われている人道支援は、イエメンの人々が強いられている苦難に対して、大海の一滴にすぎません。紛争当事者は、何よりも子どもたちの幸せを優先する時期にきています。ユニセフは、子どもたちが学べるようにするために、イエメンのすべての紛争当事者に対して、学校を保護し、校舎の軍事使用を停止し、教員の給与未払い問題を早急に解決するための協力を求めます。

ユニセフはパートナー団体と緊密に協力しながら、教育制度が崩壊しないように活動をしていますが、国際社会に対して、教員、保健従事者および子どもたちにとって必要なサービスの提供に従事する人々が仕事に戻れるよう、給料・手当の強化を可能にする支援を強く求めます。

イエメンの子どもたちは、人間が経験すべきでないほどの苦難に耐えています。教育は、彼らのより良い未来を確保し、イエメンを平和的な未来に導く唯一の道なのです。

 

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■ユニセフのイエメンでの支援活動:

ユニセフはイエメン全土で、学校の修復や教材の提供などを通じて140万人の子どもたちを支援しました。また学校に通うことで日常を取り戻せないトラウマを抱えた50万人近くの子どもたちに対して心理社会ケアを提供しました。


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