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日本ユニセフ協会
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ロヒンギャ難民/バングラデシュ
ユニセフ報告書「追放と絶望」
劣悪な環境下に暮らすロヒンギャの子ども 安全な水やトイレ、予防接種、心のケアが急務
ユニセフ、支援国会合に先駆け資金要請

【2017年10月20日  ダッカ(バングラデシュ)/ジュネーブ発】

ユニセフ(国連児童基金)は本日、この数日間に越境してきた約1万人を含む、8月末以降にミャンマーからバングラデシュ南部に逃れてきた32万人以上のロヒンギャ難民の子どもたちは、劣悪な生活環境と水を起因とする感染症の脅威に晒されている、と発表しました。

劣悪な環境下に暮らすロヒンギャの子ども

小さな男の子2人をかご入れて運び、ミャンマーから逃れてきた家族。(2017年9月93日撮影)

© UNICEF/UN0135717/Nybo

小さな男の子2人をかご入れて運び、ミャンマーから逃れてきた家族。(2017年9月19日撮影)

「バングラデシュに逃れてきたロヒンギャ難民の子どもたちの多くは、誰ひとり決して見るべきではないような残虐行為を目撃し、すべての子どもたちが大事な人や物を失う苦しみを経験しました」とユニセフ事務局長アンソニー・レークは述べました。「これらの子どもたちは緊急に食料、安全な水と衛生環境、そして緊急時に発生する感染症の予防接種を必要としています。同時に彼らは、経験した苦しみを乗り越えるための助けを必要としています。教育が必要です。カウンセリングも必要です。希望が必要です。今すぐにこれらを提供できなければ、彼らは社会に貢献できる市民として成長できるでしょうか?この危機は、彼らから子ども時代を奪っています。しかし、同時に子どもたちの未来までも奪わせてはならないのです」

8月末以降にミャンマーでの恐ろしい暴力から逃れてきた50万人以上のロヒンギャの人々が、国境を越えバングラデシュ南部のコックス・バザールに辿り着きました。それ以前にバングラデシュに逃れたロヒンギャ難民も約20万人います。最近到着した難民の60%は子どもで、1日に1,200人から1,800人の割合で越境してきています。

「拒絶と絶望:ロヒンギャ難民の子どもたちが直面する危うい未来(Outcast and Desperate: Rohingya refugee children face a perilous future)」

拒絶と絶望:ロヒンギャ難民の子どもたちが直面する危うい未来(Outcast and Desperate: Rohingya refugee children face a perilous future)

ユニセフは新たな報告書「追放と絶望:ロヒンギャ難民の子どもたちが直面する危うい未来(原題:Outcast and Desperate: Rohingya refugee children face a perilous future)」の中で、難民のほとんどが過密状態で非衛生的な仮設住居に暮らしていると述べています。バングラデシュ政府が主導する国際社会による支援努力は拡大しているものの、子どもたちの多くが生活必需品を得ることができていません。

「難民の流入が止まらない中、子どもたちに恐ろしい危険が迫っているのがわかります」とユニセフ・バングラデシュ事務所代表のエドゥアルド・ベイグベデル(Edouard Beigbeder)は述べました。「屋根もなく、食料や安全な水や衛生環境が極端に不足している状況下に暮らしており、水を起因とする感染症などの病気に罹るリスクが高いことは明らかです」

安全な水やトイレ、予防接種、心のケアが急務

難民キャンプでは、幼い子どもたちが高い割合で重度の急性栄養不良に陥っており、妊婦の産前ケアや新生児のケアが不足しています。暴力の経験からトラウマを抱えた子どもたちに対するケアも拡大する必要があります。

報告書は、難民キャンプの混沌とした状況下に置かれた子どもや若者が、彼らを搾取し巧みに操ろうとする人身売買業者などの餌食になりかねないと指摘します。

ユニセフは、ミャンマーのラカイン州で起きている一般市民を対象とした残虐行為を止めること、そして人道支援従事者が暴力の影響を受けている子どもたちに、早急に自由に人道支援を届ける許可を求めています。ユニセフは現時点では、ラカイン州北部のロヒンギャの子どもたちに支援を届けることができません。

この報告書はまた、ラカイン州での危機には長期的な解決が必要で、ラカイン州諮問委員会が提案する、無国籍や差別の問題に取り組む必要があるとしています。

10月23日にジュネーブで開催予定の国連による支援国会合に先駆けて、ユニセフは各国政府に対して、国連と人道支援諸機関が発表した「バングラデシュ人道支援計画(Bangladesh Humanitarian Response Plan (HRP))」改訂版で求められている要請に早急に対応するよう呼びかけています。この支援計画では、総額4億3,400万米ドルを要請しています。また、ユニセフは、今回新たに難民となったロヒンギャの子どもたちに加え、以前から難民となっている子どもたちや困難な状況にある受け入れ地域の子どもたちの抱える喫緊のニーズに対応する資金として、7,610万米ドルを求めています。

On 29 September 2017, Rohingya children draw at the children friendly space at the Balukhali makeshift refugee camp in Cox’s Bazar district in Bangladesh.  A quarter of a million Rohingya children have fled Myanmar since the latest outbreak of violence began a month ago.Many more continue to cross the border into Bangladesh every day. Many are alone, have nothing and some have a hard time speaking about what they've seen. Instead, they draw pictures to help cope with the horrific scenes they've experienced and witnessed. UNICEF announced 30 September 2017 that it is planning to establish more than 1,300 new learning centres for Rohingya children who have fled Myanmar to neighbouring Bangladesh. UNICEF is currently running 182 learning centres in Rohingya camps and makeshift settlements in Cox’s Bazar, and has enrolled 15,000 children. It plans to increase the number of learning centres to 1,500, to reach 200,000 children over the next year. The learning centres provide early education to children aged 4 to 6, as well as non-formal basic education to children from ages 6 to 14. In each learning centre there are three shifts, with each shift comprising of 35 children. Children learn English, Math, Burmese, Science, Arts and Anthems in the learning centres. Children also receive psychosocial counselling, and are taught hygiene and life skills.  The children are given books, pens, colouring pencils, school bags and other educational materials. Over a quarter of a million Rohingya children have fled Myanmar into Cox’s Bazar since August 25.

© UNICEF/UN0126671/Brown

難民キャンプに設置された「子どもにやさしい空間」で、絵を描く子どもたち。(2017年9月29日撮影)

ロヒンギャの子どもたちの間で下痢症などの水を起因とした感染症が流行する恐れがある中で、この要請では、安全な水と改善された衛生環境(トイレなど)の支援拡大を最優先事項としています。ロヒンギャの子どもたちのほとんどが、はしかなどの病気の予防接種をすべて受けられてはいません。ユニセフは、ロヒンギャの子どもたちに対して、子どもにやさしい空間での学習やサポート支援、またパートナー団体と協力してジェンダーに基づく暴力の問題にも取り組んでいます。

ユニセフは、以下の4つの重点分野における早急な行動を求めます:

  1. 国際社会による、バングラデシュ人道支援計画およびミャンマー人道支援計画への支援および資金提供
  2. ロヒンギャの子どもたちと家族の保護、ならびにラカイン州で暴力の影響を受けているすべての子どもたちに対する早急かつ自由な人道支援の許可
  3. ロヒンギャ難民によるミャンマーへの安全な、自主的で尊厳のある形での帰還をサポート
  4. ラカイン州諮問委員会の提案の実施を含めた、危機の長期的な解決

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