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日本ユニセフ協会
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欧州難民危機・オーストリア
アフガン出身の11歳男子 難民施設で自殺 難民・移民の子どもが抱える苦痛浮き彫りに
ユニセフ、受入国に緊急の対応要請

【2017年11月22日  ウイーン/ジュネーブ発】

オーストリアの難民施設で、アフガニスタンからの11歳の男の子が自殺したことを受け、ユニセフ(国連児童基金)・東部ヨーロッパ・中央アジア地域事務所代表アフシャン・カーンは以下の声明を発表しました。

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難民・移民の子どもが抱える苦痛浮き彫りに

Sajad Al-Faraji, 16,  sits at a refugee housing center in a former abandoned seniors hospital in Heitzing, a suburb of Vienna, Austria on September 7, 2017. By late November 2015, refugee and migrant flows into Europe remained at an unprecedented high. Since the beginning of the year, over 870,000 refugees and migrants have crossed the Mediterranean Sea to Europe. Many of them are escaping conflict and insecurity in their home countries of Afghanistan, Iraq, Pakistan and the Syrian Arab Republic. More than one in five is a child.  Sajad Al-Faraji, 16, who fled conflict in Basra, Iraq with his brother, Zein Alabdien Al-Faraji, 14, his sister, Houda Al-Malik 26, and his mother Mona Al-Hammoudi, 56, lost the use of his legs during an operation on his lower back when he was one month old in Iraq. His family arrived in Vienna in late 2015 after a harrowing trip through the Balkans.  A year after arriving in Austria, Sajad was accepted into a school.  In September 2017, the family are still waiting for an interview from the authorities to begin their asylum process in Austria. Sajad is deeply frustrated, and as an escape, he spends between two and three hours a day playing games on his phone. “I didn’t know about Europe, but now I’ve met so many people, and seen many things, and I’m one step closer to my dreams. My dream now is to finish school and learn very good German. I want to be with the Austrian people, I want to work as a chef, I want to travel.” Sajad said, pausing, “I want to have a life like others.” Please see the series noted below for photo documentation of Sajad over the two-year period: 2015 - https://weshare.unicef.org/Folder/2AMZIF3TGC6  2016 - https://weshare.unicef.org/Folder/2AMZIFIPAIS1  2017 - https://weshare.unicef.org/Folder/2AMZIFIPAB32

© UNICEF/UN0120132/Gilbertson VII Photo

難民施設の前に座る男の子。(オーストリア・ウィーン)2017年9月7日撮影

最近報告された、アフガニスタン出身の11歳の男の子が、オーストリアの難民受け入れ施設で自殺したという出来事は、何千人もの難民や移動を余儀なくされている子どもたちが深い精神的なストレスを抱えており、ヨーロッパ各国当局がより大きな注意を払う必要があることを、悲劇的な形で知らしめています。

戦争や紛争から逃れ、ふるさとを追われた子どもたちは、すでに重いトラウマを抱えています、彼らが未来の展望を描けないことが、さらなる精神的な苦痛と不安の原因となっています。この苦しみが耐えきれないレベルに達している子どもたちもいるのです。

ヨーロッパで自殺した難民・移民の子どもの数は把握できていませんが、特にアフガニスタンからの子どもたちが、難民認定申請の結果を待ちながら、あるいは他のヨーロッパの国に暮らす家族との統合を待ちながら、自らの命を絶ったという憂慮すべき事例が複数報告されています。

こうした子どもたちが、早期に問題の兆候を認識する訓練を受けた養育者やソーシャル・ワーカーによる支援や、精神保健サービスへの紹介、そして保護管理人あるいは里親家族の支援といった適切なケアを適切な時期に受けることが極めて重要です。

緊急的にそのような対応が取られなければ、子どもたちの人生および彼らの暮らす社会に与える長期的影響は計り知れません。

 

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■オーストリアの難民受け入れに関する情報:

  • オーストリア当局は、妹弟の面倒を見ることに苦労していたとされる男の子が自殺に至った経緯について調査を行っています。
  • オーストリアは2015年以降、15万人からの難民認定申請を受けています。その中には6万人の子どもが含まれ、そのうち、少なくとも1万2,000人は、同伴するおとなのいない子どもです。ユニセフ・オーストリアは、現場で活動するスタッフに子どもの保護に関する研修を行い、特に受け入れ施設において子どもたちが直面するリスクについて養育者の理解を高める活動を行っています。

 

ユニセフは、以下の6つの行動計画の実行による難民・移民の子どもの安全と健康の確保を各国政府に対して呼びかけています。

  1. 難民・移民の子ども、特に同伴するおとなのいない子どもを搾取や暴力から守る
  2. 問題解決につながる様々な代替策を提示することによって、難民認定や移住を求める子どもたちの拘留を終わらせること
  3. 子どもを保護し、法的身分を与えるための最善の方法として、家族が一緒にいられるようにすること
  4. すべての難民・移民の子どもたちに、学び続けられる機会と、保健やその他の質の高いサービスへのアクセスを提供すること
  5. 大規模な難民・移民問題を引き起こしている根本原因に対処する行動を、強く求めること
  6. 難民・移民が通過する国々や目的地の国々において、外国人に対する嫌悪、差別、社会的排除と闘う対策を促すこと

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