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日本ユニセフ協会
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シリア危機/アフリン・東グータ状況アップデート
避難・退避を強いられた子どもたち 保健・栄養、食糧、水、教育を奪われ
ユニセフ、子どもたちへの緊急支援展開

【2018年3月16日  ジュネーブ発】

本日、国連ジュネーブ事務所における定例プレスブリーフィングで、ユニセフ(国連児童基金)の広報官マリキシ・メルカドは、シリアのアフリンおよび東グータの子どもたちの状況について下記の通り報告しました。

* * *

<東グータ>

On 15 March 2018 in Beit Sawa, eastern Ghouta. families walk towards Hamourieh where an evacuation exit from eastern Ghouta has been opened. In March 2018, thousands of people reportedly left Hammouriyeh in eastern Ghouta, following reports of fierce fighting that resulted in civilian deaths and injuries, as well as damage to civilian infrastructure. The actual number of people who have exited eastern Ghouta is not known, at the time of reporting busses were still arriving for more evacuees.  The United Nations has not observed the evacuations, but is visiting collective shelters where some of the evacuees are arriving. This includes the Dweir collective center, where families are being assisted by the Syrian Arab Red Crescent with non-food items, hygiene kits, and ready-to-eat food. The shelter has a staffed medical point, water and electricity.  Since the beginning of the first evacuations on the 11 March, UNICEF and partners started its emergency response. Many of these actions are still ongoing as evacuees continue to arrive at the reception centres. At Dweir reception centre, with the local Department of Health UNICEF distributed High Energy Biscuits, plumpy paste, Multi-micro Nutrient tablets and powder. Women and Children are being checked and screened for malnutrition and provided with proper supplies when needed. Further supplies are being sent to Dweir to continue the direct distribution to evacuees. Children under-5 are also being vaccinated with the Oral Polio Vaccine and given their routine immunizations if they had not received them. A mobile health team has also been deployed to Dweir to provide further health and nutrition services to children and mother. 5,000 brochures with awareness messages on prevention of child separation (including plastic bracelets with tags for parents to write names and contact information of a child’s parents) have been dispatched to the reception centre. Winter clothes sets are being disturbed for children under the

© UNICEF/UN0185408/Sanadiki

東グータから退避する家族。(2018年3月15日撮影)

■退避

  • 東グータからの人々の退避が続いており、今朝5時頃には何千人もがHarjeleh避難所に到着しました。現時点では、退避者は4カ所の集合避難所で受け入れられています。
  • 東グータから退避した人の数は不明です。国連は退避を監視していませんが、退避者の一部が到着している避難所を訪問しています。ユニセフはすでに3カ所の避難所で、水、おむつ、および衛生キットを含む緊急支援物資の提供を開始しており、今日中に4カ所目の避難所にも提供します。
  • 3月13日には、国連チーム監視の下、8件の医療搬送を含む推計147人の民間人が、ダマスカス郊外県のDweir集合避難所に退避しました。その中には78人の子どもが含まれていました。
  • 国連機関の共同チームには、ユニセフの保護と栄養分野の担当職員が参加し、退避者を受け入れている集合避難所を訪問しました。
  • 避難所に到着した退避者の多くは、まったく荷物を持たず、所持品を入れるビニール袋すら持っていません。
  • ある子どもは、暮らしていた地下の悪臭に耐えられなくなり、危険を承知で家に戻ったと、チームに話してくれました。
  • 子どもたちには明らかな栄養不良の兆候が見られます。幼い子どもたちのほとんどは、ビタミンD欠乏症のためにまともに歩くことができません。多くの子どもたちに、非常に乾燥しひび割れた肌、疲労、口周りのただれなどの微量栄養素欠乏症を示す症状が見られます。多くの子どもたちが疥癬やシラミの治療を必要としています。女性たちは貧血や栄養不良の兆候を示しています。
  • チームは親と離ればなれになってしまった3人の子どもたちと話をしました。退避が始まった際に家の外にいた2人は、家族以外の人から一緒に来るよう言われました。3人目の男の子も彼らと合流しました。1人の男の子の上腕には最近負った銃創があります。3人全員が食事と医療ケアを受けました。避難所の支援従事者の1人が遠い親戚であるとわかった2人の子どもを家に引き取り、赤十字国際委員会(ICRC)の法的支援チームが東グータに残っている家族の追跡支援をおこなっています。ユニセフの子どもの保護チームはこの件のフォローアップをおこなっています。
  • ユニセフは、3月11日の退避開始から、緊急支援を提供しています。
  • Dweirの避難所では、地域の保健局と協力して、女性と子どもたちに対して健康診断と栄養不良の診断を行い、該当者には高エネルギー・ビスケット、治療用栄養食および微量栄養補助剤を提供しています。予防接種を受けていない幼い子どもたちには、ポリオなどの予防接種をおこなっています。移動診療チームも展開しています。
  • 子どもが親と離ればなれになることを防ぐための情報を掲載した5,000冊の冊子を避難所に届けました。冊子には親が子どもの名前と連絡先を記入できるタグがついた子ども用のプラスチック製の腕輪が添付されています。
  • 14歳未満の子どもたちには、暖かい冬服を配布しています。
    ユニセフはパートナー団体と協力して、子どもの保護ユニットの設置および保健スタッフの能力向上に向けて取り組んでいます。

 

子どもの栄養状態を検査するユニセフのラジャ・シャーハン栄養専門官。(2018年3月15日撮影)

© UNICEF/UN0185389/Khabieh

子どもの栄養状態を検査するユニセフのラジャ・シャーハン栄養専門官。(2018年3月15日撮影)

■ユニセフ栄養士の現地訪問

  • ユニセフの栄養士は、昨日東グータのドゥマに約2万6,100人分の食糧を届けた車列に同乗しました。
  • 治安状況のために、彼女が訪問できた保健所は1カ所のみでした。保健所で彼女が目にしたのは、崩壊したビルの地下から出てきた子どもたちと家族です。保健所で彼女が診察した子ども12人のうち、7人が重度の急性栄養不良に、1人が中度の急性栄養不良に陥っていました。
  • ドゥマの保健員は、過密な避難所の中で、重度の急性栄養不良の子どもたちに栄養治療食を提供するのは極めて困難だと栄養士に訴えました。それが唯一の食糧であるために、すべての子どもたちが欲しがるからです。このことは、重度の急性栄養不良の子どもたちが回復するために必要な栄養治療食を十分に得られていないということを意味しています。
  • 栄養士が聞いたところ、卵1つの価格は4米ドル、パン1袋も4米ドルです。新鮮な食材は非常に高価です。
  • 子どもたちにはビタミンと微量栄養素欠乏症の兆候が見えます。彼らの肌は乾燥し、ひび割れ、口の周りにただれが出来ています。
  • ある母親から栄養士が聞いた話では、地下には200人ほどの人が暮らしていたのに、トイレは1カ所しかありませんでした。

 

<アフリン>

  • アフリン内部からの報告によると、攻撃が始まってから、数十人の子どもが死亡し、さらに多くが負傷しました。
  • 過去10日間は、アフリン市への水供給が遮断されたとされ、子どもたちと家族は深刻な水不足に苦しんでいます。人々は、未処理の水や井戸に頼らざるを得ず、25万人の人々にとって水に起因する病気のリスクが増える可能性があります。
  • 現地の情報では、ほとんどの保健施設は閉鎖され、学級も閉鎖されています。
  • 地区から逃れようとした民間人は止められ、周辺の村落部から避難してきた人たちはアフリン市に移動しているという情報があります。人々の避難を追跡する公的な手段はありませんが、現地情報によれば、市内には約5万人の避難民がいると推計されます。避難民は、親戚や友人の家、商店、政府施設や学校に身を寄せています。
  • 一方で、7,000人以上の避難民が、周辺の村々やアレッポ市にも流入しています。これらの場所を訪問したユニセフ・チームの報告によると、人々はモスクに滞在したり、中には路上で生活する人々もいて、十分な人道支援が受けにくい状況にいます。これらの場所の保健施設にも人々が押し寄せており、早急に水と衛生関連の支援の提供を必要としています。

 

到着した支援物資をトラックから降ろす様子。(2018年3月15日撮影)

© UNICEF/UN0185392/Khabieh

到着した支援物資をトラックから降ろす様子。(2018年3月15日撮影)

■ユニセフの緊急支援

  • ユニセフはシリア赤新月社と協力して、3月11日からアフリン市の国内避難民を受け入れている最も混雑し脆弱な地域に対して、給水トラックの配車を開始しました。計画では、3万5,000人を対象に、毎日50万リットルの水を給水トラックで届けるというものでしたが、アフリン市への攻撃の激化により3月15日に中断を余儀なくされました。
  • 3月1日に最後にアフリンに到着した、赤十字国際委員会(ICRC)と シリア赤新月社(SARC)による人道支援物資を積んだ車列には、ユニセフの4万人を対象とした保健・栄養物資と予防接種用ワクチン、その他の支援物資2カ月分が含まれていました。2月のポリオ予防接種キャンペーンは、一部地区の治安悪化のために目標の僅か30%の子どもにしか接種できませんでしたが、未使用分は3月のキャンペーンのために保管されています。
  • アフリンから逃れた国内避難民のうち、1,000人以上の子ども、妊婦または母乳育児中の母親に対して、栄養補助剤、高エネルギー・ビスケットや栄養強化スプレッド含む栄養支援を提供しました。
  • ユニセフが運営する2カ所の子どもにやさしい空間は、治安悪化のために閉鎖されましたが、移動チームのスタッフ数を増やし、アフリン内の子ども2,500人に対して、心理社会的ケアや地雷教育を提供しました。ユニセフは、アフリンから逃れた子どもや家族に対しても、同様の支援を提供し、事例の管理をしています。
  • ユニセフは、子ども3万人分の緊急支援物資、ならびに10万人分の衣類や緊急時用の学習教材を含む長期的支援物資も追加で備蓄しています。ユニセフは、これらの命を守る支援物資を安全に届けられるよう、あらためてすべての紛争当事者に求めます。

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