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日本ユニセフ協会
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シリア南部
寒さで命を奪われる子どもたち ユニセフ、生死を分ける人道支援の必要性訴え

【2019年1月15日  アンマン(ヨルダン)発】

寒さで命を奪われているシリアの子どもたちの現状について、ユニセフ(国連児童基金)中東・北アフリカ地域事務所代表ヘルト・カッペラエレが、以下の声明を発表しました。

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寒さで命を奪われる子どもたち

20190115_Syria

© UNICEF/UN0267071/Soleiman

ユニセフは、命を守る物資とサービスを子どもたちと家族に提供している。(2018年12月21日撮影)

ヨルダンとの国境に接するシリア南部のルクバン(Rukban)では、凍える寒さと過酷な生活環境によって、子どもたちの命がますます危険に晒されています。わずか1カ月の間に、少なくとも8人の子どもが命を落としました。その多くが4カ月未満で、最も幼い子は生まれて1時間で亡くなりました。

ルクバンでは推定4万5,000人が暮らし、その8割が女性や子どもです。極度の寒さや、母親や新生児に対する出産前・出産時の医療ケアの不足のため、すでに悲惨な環境に置かれている子どもや家族の状況がさらに悪化しています。

その間、シリア東部では、デリゾール県のハジン(Hajin)における深刻な暴力によって、12月以来推定1万人が避難しました。安全を求めて移動する家族は、苦労して紛争地域を逃れ、滞在先や基本的な生活用品もなく寒さの中で何日も待ちます。危険で過酷な旅路によって7人の子どもが命を落としたと報告されており、その大半は1歳未満です。

予防や治療ができるはずの健康状態によって、赤ちゃんの命が短くなっています。21世紀の今日、弁解はできません。人為的な悲劇による人命の喪失は今すぐに終わらせなければなりません。

信頼でき利用可能な保健ケア、保護、そして滞在先がなければ、来る日も来る日も、ルクバン、デリゾールやその他のシリアの街で、さらに多くの子どもが命を落とすでしょう。これらの完全に回避できる死に対して、歴史が我々を裁くでしょう。

生死を分ける人道支援

難民キャンプに到着したばかりの子どもたち。(2018年12月21日撮影)

© UNICEF/UN0267037/Soleiman

難民キャンプに到着したばかりの子どもたち。(2018年12月21日撮影)

ユニセフは、すべての紛争当事者や影響を及ぼす人々に対し、攻撃からの保護を求めるすべての家族に安全な移動経路を提供し、ハジンやその他のシリアの地域の子どもたちに、命を守るための医療支援を確保するよう呼びかけています。

ルクバンにおける支援はただちに求められなければなりません。これは、生死を分ける、極めて緊急な支援です。

ユニセフは、あらためてすべての当事者に対し、命を守る物資とサービスを提供するため、移動式診療所を含めたルクバンへの人道物資輸送を直ちに支援するよう呼びかけています。

何万人もの子どもたちの命を左右すると思えば、この要請は行き過ぎたものではないはずです。

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