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日本ユニセフ協会
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ユニセフ物資供給センター年次報告書発表
世界の子どもの半数にワクチンを供給 2018年、34億8,600万米ドル相当を支援
産業界やパートナーとの連携を強化

【2019年7月24日  コペンハーゲン(デンマーク)/ニューヨーク発】

ユニセフ(国連児童基金)は、支援プログラムを展開している世界150の国と地域の子どもたちのより良い生活を支えるため、2018年の1年間に34億8,600万米ドル相当の物資とサービスを調達したことを発表しました。

世界の子どもの半数にワクチンを供給

冬服などの支援物資を受け取ったシリア難民の子どもたち。(2018年12月撮影)

© UNICEF/UN0326761/Haidar

冬服などの支援物資を受け取ったシリア難民の子どもたち。(2018年12月撮影)

ワクチン、衣類、医薬品、学用品や教科書などの物資は、特に紛争や緊急事態に見舞われている国々で、子どもたちが病気と闘い、学び、健やかに成長することを支えています。

2018年に、ユニセフが物資を提供しておこなった主な支援:

  • はしかやジフテリア、破傷風、HPV(ヒトパピローマウイルス)などの病気と闘うためのワクチン23億6,000万回分を調達し、世界の子どもの半数近くに届けました。
  • 子どもたちが安全な水を利用できるよう、12億6,000万錠/袋の浄水剤や凝集剤を提供しました。
  • 蚊が媒介する感染症から子どもたちを守るため、1,330万張の蚊帳を提供しました。
  • すぐに食べられる栄養補助食4万7,760トンを届け、栄養不良に苦しむ子どもたちを治療しました。
  • 450万個の通学バッグと学用品キット84,000セットを調達し、子どもたちが学校に戻る支援をしました。

コペンハーゲンにあるユニセフ物資供給センター長エトレバ・カディリは、「子どもたちのための物資を調達するというのは、単に既製品を購入するといったシンプルなことではありません。様々な国、様々な地域で暮らしている子どもたちが、必要な物資を手に入れることで、生き延び、生活を改善し、安全で健康に暮らせるようにするためには、多様なパートナーとの緊密な連携が求められます」と述べています。

特に緊急事態下の国々では、状況はより複雑になるため、個々の状況やニーズに対応する能力が支援を届ける側にあれば、子どもやその家族への支援の効果を最大化できるのです。

産業界やパートナーとの連携を強化

コペンハーゲンのユニセフ物資供給センター。(2019年3月撮影)

© UNICEF/UN0297760/Nabrdalik VII

コペンハーゲンのユニセフ物資供給センター。(2019年3月撮影)

ユニセフは、そのグローバルなネットワークを活かし、もっとも支援が届きにくい子どもたちのニーズに応えるために、新たな製品やアプローチの開発に取り組んでいます。これは、物資自体の刷新に留まらず、市場に影響力を持つことで、そうした製品が、より手ごろな値段で入手しやすくなり、安全性が確保され、持続的に調達できるように、産業界をはじめとするパートナーと共に取り組むことを意味しています。

下記はそうした取り組みの一例です。

  • 栄養不良の子どもの回復を支えるために、ユニセフは調達する栄養補助食の65%を、ニーズの高い国々の国内、もしくはその近隣国の製造業者から購入しました。これはそうした国々の経済を支えると同時に、輸送をより効率化し、二酸化炭素排出量を軽減させることにつながります。
  • シリアでは、紛争中にもかかわらず、衛生キットや学用品キット、冬物衣料を提供するにあたり、事業を続ける地元企業と協働し、子どもたちにより素早く物資を届けることができました。
  • ナイジェリアでは、ガーナやコートジボワールと国境を越えた連携を促進し、誰もが手に入れられる価格のトイレや衛生サービスを普及させる道を探るため、地域衛生産業協議会という画期的な会合を開催しました。

「できるだけ速やかに子どもたちに支援を届けるためには、現地における政府、産業界、ドナーそしてパートナーの協力は計り知れません」とカディリは述べています。「いまだ支援ニーズは膨大です。複雑化する状況の中で子どもたちのニーズに応えるには、持続可能で、長期的な資金確保が、引き続き、最重要課題です」

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本信で発表する報告書PDF (英文)は、こちらからご覧いただけます。

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