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日本ユニセフ協会
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はしか世界で流行
2018年、はしかで死亡14万人
2019年は昨年を超える症例数を記録 原因は予防接種率の低下-1900万人が未接種
日本を含む先進国での流行も指摘

【2019年12月5日  ニューヨーク発】

はしか・風疹イニシアティブ(The Measles& Rubella Initiative)を代表し、世界保健機関(WHO)および米国疾病管理予防センター(CDC)によって本日発表された新しいデータによると、2018年にはしかで死亡した14万人のうち、大部分を占めていたのは5歳未満の子どもだったということです。

「昨年、この完全に予防可能な病気で亡くなった子どもが受け入れがたいほど多くいたことは、はしかが、世界のどこであっても、子どもたちの脅威であることを証明しています」と ユニセフ(国連児童基金)の事務局長ヘンリエッタ・フォアは述べました。「予防接種を受けない子どもが多くいると、コミュニティ全体が危険に晒されます。今日でも、例えばコンゴ民主共和国の遠隔地では、はしかによって4,500人以上の5歳未満の子どもが今年命を落としました。また、サモアでは、はしかの感染が急速に広がり、多くの子どもたちが学校に行くことができなくなりました」

前例のない世界的なはしか流行、3年目

サモアでユニセフが支援して行われたキャンペーン期間中、はしかの予防接種を受ける3歳の男の子。(2019年12月2日撮影)

© UNICEF/UNI232388/Stephen

サモアでユニセフが支援して行われたキャンペーン期間中、はしかの予防接種を受ける3歳の男の子。(2019年12月2日撮影)

2018年のはしか症例数は2017年に比べ2倍以上に増えました。2019年の最終データはまだ入手できないものの、中間報告では、はしか症例数は引き続き危険なほど高いことが示されています。 WHOによると、2019年11月中旬までに41万3,000件を超える症例が報告されています(2018年には35万3,236件の症例が報告されました)。コンゴ民主共和国では2019年、新たに25万件の症例が報告されました。これは、2018年の同時期と比べて3倍の増加となっています。

予防接種を受けていない子どもが多くいることが原因となり、世界各地ではしかが大流行しています。接種率が高い国や、以前はしか撲滅を宣言した国でも発生しています。紛争、治安の悪化、またはサービスの停止により、遠隔地や到達が困難な地域の子どもたちにワクチンを届けることが難しいケースがあります。あるいは、保護者の間に広がる感染症への油断、予防接種に対する不信感や誤った情報のために子どもにワクチンを接種させていないケースもあります。例えば、米国は今年、25年間で最悪の症例数を報告し、ヨーロッパの4カ国(アルバニア、チェコ、ギリシャ、英国)では、2018年に流行が長期化したため、はしか撲滅のステータスが撤回されました。

2018年、世界で推定1,900万人以上の子どもが、2歳前までにはしかワクチンの最初の投与を受けることができませんでした。ユニセフとWHOは、過去10年間ではしか予防接種の普及が停滞し、現在の流行への道を作ったと報告しています。 2018年には、1回目のはしかワクチンを接種した子どもは86%に留まり、推奨されている2回目を接種したのは70%未満です。これは、流行を防ぐために必要な95%の接種率を下回っています。

サモアとアジア・太平洋

アジア・太平洋地域で、はしかの症例が新たに報告されています。オーストラリア、日本、ニュージーランドなど、はしか撲滅が宣言された国でも症例が報告されています。サモアでは、政府が緊急事態を宣言し、すべての学校が一時的に閉鎖されています。 12月3日に政府が発表したデータによると、はしかはすでに55人の命を奪っていて、そのほとんどは幼い子どもたちです。比較的少ない人口のなか3,880件以上の症例が報告されており、新しい症例が毎日報告されています。ユニセフとWHOの推定によると、サモアでの予防接種率は2017年の58%から2018年には31%に急落しました。これは主に、保護者のもつ誤った情報と不信感によるものです。

2018年、はしか感染の45%を占める5カ国

コンゴ民主共和国

© UNICEF/UNI229154/Nybo

コンゴ民主共和国の遠隔地にはしかワクチンを届けるため、ボートで川を渡るユニセフの予防接種チーム。(2019年11月5日撮影)

インフラの不足、暴力と情勢不安、保健所への攻撃、保健ケアへのアクセス欠如、ワクチンの不足、医療従事者への信頼の欠如により、2018年以降、予防接種サービスの実施が妨げられています。

現在の状況:

2019年にさらに悪化し、今年だけでも25万人以上が感染しています。これは、2018年のはしか患者数の3倍以上であり、エボラ出血熱の患者数と死亡者数よりも多くなっています。はしか感染が世界でもっとも急速に広がり、今年これまでに報告された5,000人の死者のほとんどは5歳未満の子どもです。これに対して、ユニセフは、800万回分のはしかワクチンセットを保健省に提供し、抗生物質、経口補水塩、ビタミンAおよびその他の医薬品を含む1,317個の医療キットを、合併症のある子どもを治療するため、影響を受けるすべての保健施設に配布しました。

リベリア

ワクチン接種率が低いため、はしかの流行が2017年に始まりました。 2018年、最大の症例数を記録し、15郡のうち5郡で発生が報告され、16人の死亡を含む約3,948人の疑わしい症例が記録されました。

現在の状況:

症例数は減っているものの、はしかの再流行はいまも続いています。2018年と2019年、ユニセフははしかワクチン計45万1,300回分を調達し、配送しました。パートナー団体の協力の下、全国キャンペーンが3段階で実施され、63万3,505人の子どもに届けられました。

マダガスカル

2018年8月から2019年11月までに、はしかの症例が24万4,607件発生しました。はしかにより1,080人が死亡し、そのうち91%は14歳未満の子どもでした。

現在の状態:

はしかの流行が続いています。新規症例の発生率は大幅に減少していますが、一部の地域では依然として症例が報告されています。ユニセフは、はしかワクチン870万回分の購入を支援し、これらのワクチンを地域レベルで配布する政府を支援しました。

ソマリア

© UNICEF/UNI229469/Hinds

ソマリアの国内避難民キャンプで、はしかの予防接種を受ける男の子。(2019年11月25日撮影)

はしかは現在、子どもの主要な死因の1つです。 2018年、低いワクチン接種率と人口密度の高い生活環境が、はしかやその他のワクチンで予防できる病気が蔓延しやすい状況をつくっています。

現在の状況:

ユニセフとはしか・風疹イニシアティブのパートナー団体が支援する予防接種キャンペーンにより、今年の症例数は2018年に比べて大幅に減少しました。2019年11月現在、はしかの疑いのある症例が3,616件報告されています。ユニセフとパートナー団体は現在、全国の240万人の子どもたちに、はしかとポリオのワクチンを届けることを目的にした予防接種キャンペーンを実施しています。

ウクライナ

© UNICEF/UN0284879/Filippov

ウクライナではしかを含む混合ワクチンの予防接種を受ける8歳と6歳の兄弟。(2019年2月撮影)

2017年の流行開始以来、11万5,000人以上の症例が報告され、25人の子どもを含む41人が命を落としました。2018年だけでも、5万4,000件を超える症例が報告され、16人の死亡が確認されました。

現在の状況:

2019年も症例数は多いままです。2019年11月6日までに5万8,000人以上の症例が報告され、20人の死亡が確認されました。ユニセフは、より多くの子どもたちが予防接種を受けられるよう、保健従事者の訓練や、予防接種の促進を通して、保健省への支援を強化しました。2019年10月1日現在、子どもの70%がはしかワクチンの初回接種を受けました。ユニセフはまた、全国の定期予防接種を加速し、予防接種への躊躇に対応するための取り組みを行っています。

 

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■ はしか・風疹イニシアチブ(M&RI)について

はしか、風しん、先天性風しん症候群の根絶に向けた世界的な努力を牽引している5つのグローバル・パートナー:ユニセフ、WHO、米国疾病予防管理センター(CDC)、国連財団、米国赤十字社による官民連携パートナーシップです。2001年に設立され、予防接種率の向上、流行への対応の改善、監視と評価、予防接種に対する国民の信頼と需要の構築により、29億人以上の子どもの予防接種と2,100万人以上の命を守ることに貢献しました。

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