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日本ユニセフ協会
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新型コロナウイルス
ユニセフ、資金要請を大幅増 16億米ドルの支援を要請

【2020年5月12日  ニューヨーク発】

ユニセフ(国連児童基金)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの影響を受けた子どもへの人道支援のために、3月下旬に要請した6億5,160万米ドルを更新し、あらためて計16億米ドルの支援を国際社会に要請します。この増加は、パンデミックが社会や経済にもたらした深刻な影響と高まるニーズを反映したものです。COVID-19の流行が5カ月目に入り、物資や輸送などに要する費用が劇的に増えています。

子どもの権利の危機

自宅で仕事をする父親の隣で、パソコンを使って遠隔授業を受ける7歳のダニーくん。(アルメニア、2020年4月14日撮影)

© UNICEF/UNI323338/Gevorgyan

自宅で仕事をする父親の隣で、パソコンを使って遠隔授業を受ける7歳のダニーくん。(アルメニア、2020年4月14日撮影)

「パンデミックは、子どもの権利の危機になりつつあります」と、ユニセフ事務局長のヘンリエッタ・フォアは述べました。「学校は休校し、保護者は仕事を失い、家庭はますます緊張状態に置かれています。コロナ後の世界がどのような世界になるかも視野に入れたうえで、この資金は危機への対応、余波からの回復、そして波及する影響から子どもたちを守るために使われます」

保健ケアや定期予防接種などの重要なサービスが妨げられている子どもはすでに数億人にのぼり、子どもの死亡率の大幅な上昇につながるリスクがあります。一方、移動制限、休校措置やそれに伴う孤立が心の健康に影響をもたらし、特に弱い立場に置かれた子どもたちは、すでに高いレベルのストレスがさらに強まる可能性があります。

© UNICEF/UNI325467/Ghafary

石けんを使って手を洗うヘラート国内避難民キャンプに滞在する子どもたち。ユニセフの支援により、石けんを使った20秒以上の手洗いの実践が可能になった。(アフガニスタン、2020年4月26日撮影)

ユニセフの分析によると、世界の18歳未満の子どもの約77パーセント(18億人)が、COVID-19により何らかの移動制限を課している132カ国に暮らしています。移動が制限され、衰退する社会や経済の下で暮らす子どもたちは、暴力や虐待、ネグレクトの被害を受けるリスクが高まっています。女性や女の子は、ジェンダーに基づく暴力や性的暴力のリスクが高まっています。難民、移民、国内避難民の子ども、帰還者は、サービスや保護へのアクセスが低下し、外国人への嫌悪や差別にさらされる機会が増えています。

「先進の医療システムを持つ国々にパンデミックがもたらしたものをこれまで見てきましたが、システムが脆弱で、利用可能な資源が少ない国々に何が起こるのか憂慮しています」(フォア)

ユニセフのパンデミックへの対応

ユニセフから届いたアルコール消毒液のボトルを持つビンセントくん。(ルワンダ、2020年5月4日撮影)

© UNICEF/UNI328063/

ユニセフから届いたアルコール消毒液のボトルを持つビンセントくん。(ルワンダ、2020年5月4日撮影)

ユニセフは、人道危機が起きている国々におけるパンデミックへの対応に焦点を当てて取り組んでいます。特に、保健、栄養、水と衛生、教育、保護へのアクセスを確保し、感染を防ぎ、子ども、女性、弱い立場に置かれた人々への影響を減らすことを目指しています。

ユニセフはこれまでに、パンデミック対応の資金として2億1,500万米ドルの支援を得ました。追加の資金は、ユニセフがすでに達成した以下の成果をさらに伸ばしていくために使われます:

  • 手洗い、咳やくしゃみの公共衛生に関する感染予防メッセージを16億7,000万人以上に届けた
  • 重要な水と衛生用品を1,200万人以上に届けた
  • パンデミックに対応する52カ国を支援するため、660万枚の手袋、130万枚の医療用マスク、42万8,000枚のN95マスク、29万1,000着のガウン、1万3,000個のゴーグル、6万3,500個のフェイスシールド、200台の酸素濃縮器、および3万4,500個の検査キットを輸送した
  • 約8,000万人の子どもたちが、遠隔授業或いは家庭学習の機会を得た
  • ユニセフが支援する施設で、1,090万人以上の子どもと女性が必要不可欠な医療保健サービスを受けている
  • 地域における精神保健・心理社会的支援を83万人を超える子どもと保護者に提供した

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