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日本ユニセフ協会
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イラク
教育を絶たれた子ども、200万人近く
全土で5分の1の学校が使用できず

【2015年10月30日  バグダッド(イラク)発】

イラクでは、かろうじて新学期が開始されたものの、国内全土で200万人近い子どもが学校に行けず、さらに120万人が中途退学の危機に直面していると、ユニセフ(国連児童基金)は警鐘を鳴らしています。

学校に通えない子ども200万人近く

イラクのニーナワー県にある学校の教室に座る5歳の女の子。姉妹は学校に通うのを怖がり、家で勉強しているという。

© UNICEF/IRQA2015-00281/Anmar

イラクのニーナワー県にある学校の教室に座る5歳の女の子。姉妹は学校に通うのを怖がり、家で勉強しているという。

「紛争や暴力、避難がイラクの教育に与える影響は、まさに壊滅的です」とユニセフ・イラク事務所代表のピーター・ホーキンスは話しました。「シリア難民の子どもはもとより、家を追われた子どもたち、そうした人々を受け入れているホストコミュニティの子どもたちなど、非常に多くの子どもが突然教育を絶たれる事態が続いており、この国はいま、紛争によって“失われた世代”を生み出してしまう危機に晒されています」

終わらない暴力が、子どもたちの教育へのアクセスに負の影響を与えています。100万人近い子どもが家を追われ、その70%が既に1年間学校に通えていないのです。

命の危険を冒して学校に向かう子どもたち

イラク全土で5校に1校の割合に相当する5,300校が、破壊や破損、避難所としての利用や紛争当事者による軍事利用などで使うことができません。昨年だけでも、学校や教育関係者への攻撃が67件報告されています。使用できている学校の多くは1クラスの生徒数が60人に達するなどの過密状態で、1日を2回、3回に分けて生徒を入れ替えるシフト授業を実施したりしていることで、子どもたちの学習時間は非常に短くなっています。一方、子どもたちだけでなく教員たちも、多くを失い、懸命に生き延びてきました。イラク北部では、1万4,000人近い教員が、暴力から逃げざるを得なくなりました。

「イラク全土の子どもたちや先生たちが、ときに命の危険を冒しながら学校への長い距離を通い、目標を成し遂げようとする姿は、驚くべきものです」(ホーキンス代表)

ユニセフの支援

ユニセフは昨年、イラク危機への支援の一環として、下記の事業を通じて50万人近くの子どもたちの教育へのアクセスを支援しました。

1カ月の補習授業の終了をお祝いするセレモニーに参加した、ユニセフの通学かばんを手にする国内避難民の男の子たち。

© UNICEF/IRQA2015-00202/Khuzaie

1カ月の補習授業の終了をお祝いするセレモニーに参加した、ユニセフの通学かばんを手にする国内避難民の男の子たち。

  • 新しく40校を建設し、141のプレハブ教室を設置しました
  • 1,585カ所に仮設の学習スペースを設置し、国内避難民の子ども22万人以上が勉強を続けられるよう支援しました
  • 文房具やノート、通学かばんなどの教育資材を20万人以上の子どもたちに配布しました
  • 5,000校にコレラ予防のための本、ポスター、パンフレットなどを配布しました。ユニセフは政府と協力し、新学期の最初の1週間でさらに広く、国内の学校へこうした教材を配布しています

ユニセフは、イラクで子どもたちの教育へのアクセスを増やすことに尽力しています。教育における子どもたちのニーズに対応するため、ユニセフは年末までの必要資金として6,800万米ドルの支援を求めており、特にそのうち1,200万米ドルは緊急に必要であると訴えています。

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