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日本ユニセフ協会

お知らせ

インターネット・ガバナンス・フォーラム京都2023

オープンフォーラム#15
エマージングテクノロジーでオンラインの危険から子どもたちを守る
(Protecting children online with emerging technologies)

子どもたちがオンラインで遭遇するさまざまな形態の安全に関わる問題を防止し、それに対処するために、エマージングテクノロジーの利用を適切に規制する方法を探ることが本フォーラムの目的です。子どもたちのオンラインの安全を守るため、より広範な政策や介入策の策定をどのように支援できるかを深く探り、中国のインターネット業界が取れる行動など、具体的な行動計画の提供を模索します。この議論は、中国のサイバーセキュリティ法に規定されている「未成年者に安全で健全なオンライン環境を提供する」という要件の実施を促進するものです。

ユニセフは2021年、子どもを中心としたAIのための実践的なアドバイスや原則を盛り込んだ、政府や産業界向けのグローバルな政策ガイド「Policy Guidance 2.0 on AI for Children(子どものためのAIに関する政策ガイダンス2.0)」を発表しました。インターネットなどのエマージングテクノロジーをいかにうまく活用し、データの統合と活用を最大化し、子どもの権利と子どものオンラインの安全を最大限に守り、子どもの健全な成長に対する制限や影響を最小限に抑えるかが、主なテーマとなります。

本フォーラムでは、政策立案者、業界実務者、学術研究者、ソーシャルワーカーなど、子どものオンライン保護分野の関係者を招き、共に議論します。また、産業界、学術界および世論の全面的な統合を基に、オンラインで子どもたちの安全を守るためのエマージングテクノロジーの活用方法について、包括的な助言を提供します。

  • 主催者
  • Rui Li ユニセフ・中国事務所
  • Shenrui Li ユニセフ・中国事務所
  • Xiuyun Ding China Federation of Internet Societies
  • Yiran Xing, China Federation of Internet Societies
  • Ming Yan, Communication University of China
  • Rui Xiong, Communication University of China
  • Zhe Li, Osaka University, Civil Society
登壇者
  • Hui Zhao, China Federation of Internet Societies, Civil Society, Asia-Pacific Group
  • Dora Giusti ユニセフ・中国事務所
  • Eleonore Pauwels ユニセフ (リモート登壇)
  • André F. Gygax, the University of Melbourne, Civil Society (リモート登壇)
  • Zhu Xiong, Tencent, Private sector, Asia-Pacific Group
  • Tetsushi Kawasaki, Gifu University, Civil Society, Asia-Pacific Group
  • Pineros Carolina, Red PaPaz, Civil Society, Latin American and Caribbean Group
  • Nkoro Ebuka, Kumoh national institute of technology of Korea, Civil Society, Asia-Pacific
モデレーター
(会場)
Rui Li ユニセフ・中国事務所
モデレーター
(オンライン)
Shenrui Li ユニセフ・中国事務所

セッション詳細

まず、フォーラムでは次の3つの関心事に焦点を当てます。

  1. 子どもがオンラインで経験する、オンラインの安全に関する課題について、子どもや保護者はどのように考えているのか。また、オンラインで子どもの安全を守るためには、どのようなサポートが必要か?
  2. エマージングテクノロジーは、どのような方法で子どもをオンラインの虐待から守ることができるのか。例えば、画像やテキストを識別する技術は、性的搾取コンテンツをフィルタリングすることができ、インテリジェントテクノロジーは子どもにとって有益なコンテンツを推奨することができ、マルチモーダル技術は子どものユーザーを効果的に識別することができる。
  3. エマージングテクノロジーの利用を適切に規制するには?インターネット・サービス・プロバイダーが、その製品のライフサイクル全体を通して、子どものプライバシーと安全を保護するよう、彼らににどのように働きかけるべきか。エマージングテクノロジーは、個人情報の過剰な収集やプライバシーの侵害など、メリットだけでなくリスクももたらす可能性がある。

次に、本フォーラムのテーマに関連する課題と機会についてです。地球規模でデジタル化が進み続けるなか、インターネットは必然的に子どもたちの生活の一部となっていますが、子どもたちはインターネットの利用やインターネットそのものが有するリスクを管理するスキルを持ち合わせていない場合があります。ネットいじめやハラスメント、インターネットの過度な利用、暴力的なコンテンツの視聴、性的搾取や虐待など、子どもたちはインターネットを利用する際に特定のリスクに直面します。

次世代の技術革命と産業変革を主導する戦略的技術であるエマージングテクノロジーは、デジタル世界における子どもの権利の実現に大きな可能性を提供します。現実の世界では、こうした技術がおもちゃやアプリ、ビデオゲームに組み込まれていることが多く、知らず知らずのうちにあらゆる子どもの成長に影響を与えています。オンラインで子どもたちがさまざまな違法な侵害行為の被害に遭うのを効果的に回避するため、関連製品の一部の企業は、子どもたちのオンラインの安全を守るためにエマージングテクノロジーの利用を模索し始めています。例えば、エマージングテクノロジーをコンテンツレビューに応用することで、子どものプライバシーを侵害するコンテンツを正確に特定し、子どもに対して不適切なコンテンツの拡散をフィルタリングすることができます。これにより、企業は、子どもが関わるオンラインコンテンツに対する長期的なガバナンス体制を確立し、オンラインの違法で有害な情報の拡散を抑制し、子どものためにインターネットを健全な環境にすることができます。

最後に、本フォーラムでは、子どものオンラインの安全を守るエマージングテクノロジーの経験も共有し、企業内の製品開発および管理方針において、エマージングテクノロジーがどのように子どもの利用者に保護および支援サービスを提供するかに焦点を当てる。現在、世界中の多くのインターネット企業が、子どものオンラインの安全を守るために、さまざまなエマージングテクノロジーを自社製品に組み込んでいる。経験を共有することで、私たちは、経営、技術、その他の観点から、インターネット企業が子どものオンラインの安全を守るために行っている取り組みについて、より深い理解を得ることができます。

関連するSDGsのターゲット

オンラインの性的搾取や虐待は、情報化時代の副産物であり、日常生活でもよく見られる新しい形の暴力です。サイバースペースにおける発言や言葉遣いによる害悪は、現実社会での物理的暴力とは異なります。オンラインの性的搾取や虐待は、直接的に肉体的苦痛を与えるわけではないが、人々に大きな心理的打撃を与え、さらに多くの人々がオンラインの暴力や世論の圧力に耐えられず、極端な行動に走ってしまいます。オンライン暴力を防止し、性的搾取コンテンツを特定するために新たな技術を適用することは、技術的な観点からオンラインの性的搾取や虐待を減らすのに役立ちます。(SDG16.1)

第2に、子どものオンライン保護は、オンラインいじめ、プライバシー侵害、オンライン性的搾取、オンライン世界での虐待を防ぐための基本的な手段です。本フォーラムでは、子どものオンラインの安全におけるエマージングテクノロジーのアプリケーションシナリオと典型的な事例に焦点を当てます。オンラインにおける子どもの権利を担保することを基本に、上記のようなさまざまな形態のオンライン暴力から子どもを保護する方法を探り、子どものオンラインの安全の保護に関する各国のコンセンサスを促進する一助とします。(SDG16.2)

最後に、このフォーラムでは主に、未成年者のオンラインの権利とオンライン保護の並行的なガバナンスを重視しつつ、子どものオンライン保護におけるエマージングテクノロジーの役割について議論します。開発、参加、保護に対する未成年者の権利は、基本的人権であり、一般への情報公開を担保し基本的自由を保護する基本的権利です。(SDG16.10)


・本ページは、IGF2023公式ページ(2023年9月27日時点)の日本語仮訳です。最新情報は公式ページをご確認ください。

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