日本ユニセフ協会TOP >  ユニセフ・シアター・シリーズ「子どもたちの世界」『蜂の巣の子供たち』上映会先着120名様をご招待

ユニセフ・シアター・シリーズ
「子どもたちの世界」
『蜂の巣の子供たち』 上映会


日本ユニセフ協会は、9月14日(土)午後、『風の中の子供』(1937)や『子供の四季』二部作(1939)に代表される子ども映画の演出において先駆けとなった清水宏監督が製作した映画『蜂の巣の子供たち』の無料上映会を、東京都港区のユニセフハウスで開催いたします。この上映会に、お申込み先着順で120名様をご招待いたします。

子どもの権利条約が国連で採択されてから30年を迎える今年、日本ユニセフ協会は「子ども」を主題にした映画12作品を5月~12月にかけて連続上映する、ユニセフ・シアター・シリーズ「子どもたちの世界」と題したイベントを開催しています。今回はその第7回目となります。

『蜂の巣の子供たち』は、復員兵と彼を慕う戦争孤児たちが山陽道をともに旅する物語を描いた映画です。

ご参加をご希望される方は、下記フォームよりお申込下さい。
※製作時より長い年月を経ておりますため、一部(音声・映像)不鮮明な箇所がございます。あしからずご了承ください。
※上映後のトークイベントでは、児童発達学がご専門の金田利子さんに作品をはじめ、当時の社会背景や子どもの生活、いま子どもたちにとって大切なことについてお話しいただきます。

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『蜂の巣の子供たち』:ストーリー

作品は、下関駅のプラットホームから始まります。ここでは、帰った復員兵や、広島、大阪、和歌山など各地の戦争孤児たちが集まって生活しています。帰る家もなければ親兄弟もいない復員兵の島村修作。駅構内で、修作は8人の孤児たちと知り合います。子どもたちは泥棒などをして生計を立てていましたが、親分の手下として使われていました。同じような立場でお互いに通じ合うものがあり、修作は子どもたち8人とともに旅に出ることになります。荷役をやったり、薪を割ったり、塩焼に従事したり―。修作の実践が影響を与え、子どもたちは働かねば食えぬということを学びます。次第につながれていく、心と心。山陽線を海岸沿いに、歩いたり汽車に乗ったり、野宿をしたりしながら旅は続きます。なお、撮影には1つのセットも使用せず、山陽道のオール・ロケが行われました。

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映画作家・清水宏と子どもたち

清水宏監督

清水宏は今日忘れられた巨匠のひとりだと言われています。清水監督は、日本映画の揺籃期から戦後の黄金期までの約35年間の間に164本もの映画を撮りました。撮影所の量産体制を支える一方で、人物の演出やロケーション撮影などに先進的なリアリズムを導入し、とりわけ『風の中の子供』(1937)や『子供の四季』二部作(1939)に代表される、子どもの世界を描いた映画の演出においては、世界の映画史から見ても先駆的で、その独創的な作風が注目を集めました。

戦後は一時映画界から退き、戦争孤児たちを引き取って共同生活を送りますが、やがて彼らと独立プロダクション「蜂の巣映画部」を設立し、孤児たちが自分自身の役で出演する画期的な劇映画『蜂の巣の子供たち』(1948)を世に送ります。製作費は極端に切り詰められており、演技も生硬である一方で、風景と人間が自然に調和している点や、とくに自然のなかで生き生きと動き回る子どもの純真さを描いては第一人者であった清水監督の映画感覚は冴えており、こんな映画のつくり方もあったのかと、当時の人々を驚かせました。映画は大きな社会的反響を呼び、その後2本の続篇も製作されます。映画製作に復帰した清水監督は、その後新東宝・東宝・大映といったメジャー映画会社にも招かれ、児童映画や母もの映画などを監督しました。

8人の子どもたち(清水宏)『少年少女雑誌 映画少年』1948年10月創刊号より抜粋

「こんど『蜂の巣の子供たち』という映画を作りました。この映画には皆さんと同じ位の子どもが大勢出ます。みんな映画には初めての子どもたちですが、立派に芝居をやっています。撮影も西日本をまたにかけて、ロケーションをして回りました。

『蜂の巣の子供たち』は、全部ロケーション映画です。そして、素人ばかりでできた作品といっていい位です。

8人の蜂の巣の子どもたちは全部浮浪児か、戦災孤児ばかりです。1番年上が16で1番下が10です。晋一郎、豊、義勝、弘之、清、由夫、貞雄、喜代志といって、男ばかりです。

今は、京都の東山にある青蓮院というお寺で、私と一緒に暮らしています。掃除をしたり、勉強をしたり、皆元気でほがらかです。中にはもう皆さんより感心な子どももいます。いたずらや、うそなど決してついたりはしません。

私の今いる青蓮院を「蜂の巣」とよんでいます。毎日にぎやかに8人の子どもたちがブンブンいってるばかりではなく大人の人も大勢来ます。そしてブンブンいっています。まるで蜂の巣のようです。だから私のいるところを蜂の巣といいます」

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『蜂の巣の子供たち』

監督:清水宏

1948年/ 86分/日本/モノクロ

配給:蜂の巣映画

ゲストスピーカープロフィール

金田利子 さん

1938年生まれ。専門は人間の「生涯発達過程論」及び「保育学」。1966年お茶の水女子大学家政学研究科修士課程(児童学専攻)修了後、県立新潟女子短期大学、日本福祉大学、静岡大学大学院、白梅学園大学大学院、同朋大学、名古屋芸術大学に勤務。現在は、静岡大学名誉教授、名古屋芸術大学名誉教授、白梅学園大学子ども学研究所嘱託研究員、東京国際福祉専門学校専任教員。またOMEP(世界幼児教育・保育機構)日本委員会前会長・現理事、日本保育学会評議員、日本世代間交流学会副会長、臨床発達心理士スーパーバイザーとしても活躍中で、国連の乳幼児期のアドバイザリー団体である世界OMEPへの長年の貢献に対し2018年OMEP名誉会員称号を授与される。主な著書に『乳幼児保育論』『新しい発達観と教育』『生活主体発達論』(以上単著)、『母子関係と集団保育』『保育の質の探究』(以上共著)、『育てられている時代に育てる事を学ぶ』『世代間交流効果』『世代間交流学の創造』(以上編著)など多数。

<金田利子先生からのメッセージ>

「蜂の巣の子供たち」と関わって私自身の経歴の中から特記すべきこととして、(1)映画に出演した子どもたちとほぼ同年齢(1945年が小学校1年生、1948年は4年生)であり、子ども時代の物理的環境は厳しかったけれども、そのなかで未来に希望を持って生きてくることができたこと、(2)大学教員としての初めての勤務地で新潟水俣病に出会い、胎児性水俣病の古山知恵子さんの初期の支援に力を尽くす中で、障害を残しつつも主権者として生きる彼女と歩みを共にでき、人間の発達や人権について身をもって学んできたこと、の2つがあげられます。当日、映画を通した世代間交流ができることを期待しています。

開催日時・会場

日時 2019年9月14日(土) 14:30−17:00 (14:00開場)
会場 ユニセフハウス (東京都港区高輪4-6-12) 1階ホール

最寄り駅
JR 品川駅西口(高輪口)より徒歩約 7 分
都営浅草線 高輪台駅より 徒歩約 7 分
アクセス
主催 (公財)日本ユニセフ協会
協力 神戸映画資料館
定員 先着120名 ※入場無料 (1回のご応募につき、お申込は2人まで)。
応募方法 下記「お申込情報」より、WEBフォームにてご応募ください。尚、応募が120名様に達した時点で、「受付終了」とさせて頂きます。
備考 ※ 先着順に受付いたします。定員に達した場合は、募集を打ち切ります。
※ 会場となるユニセフハウス1Fホールは、多目的ホールであり、スクリーンサイズや音響等、設備等通常の映画館とは異なります。予めご了承ください。
※ 製作時より長い年月を経ておりますため、一部(音声・映像)不鮮明な箇所がございます。あしからずご了承ください。
※ 本編上映開始後はお申込済みの方でも途中入場をお断りする場合がございます。お時間には余裕をもってご来場いただきますようお願いいたします。
※ 本試写会は、一般の方を対象にしておりますが、報道機関による取材も予定されておりますので、予めご了承ください。
個人情報の取り扱いについてはこちらをご覧ください。
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お問い合わせ

(公財)日本ユニセフ協会 広報室

電話 03-5789-2016(平日9:00〜17:00)/ FAX:03-5789-2036

Eメール:event@unicef.or.jp