メニューをスキップ
日本ユニセフ協会
HOME > ニュースバックナンバー2015年 >

マリ北部
新学年度開始から3カ月
38万人以上の子どもが学校に通えず

【2015年12月18日  バマコ(マリ)/ジュネーブ/ニューヨーク発】

ユニセフは、2012年マリ北部で発生した戦闘で治安状況が悪化してから4年近くが経ち、新学年度が開始されて3カ月が過ぎるなか、ユニセフは2015年12月、情勢が不安定な地域において、7歳~15歳の子ども38万人が未だ学校に通えていないことを明らかにしました。

38万人が学校に通えず

2014年7月に近くで爆弾が爆発し、被害に遭ったマリ北部キダルにある学校の子どもたち。

© UNICEF/UNI203033/Diakite

2014年7月に近くで爆弾が爆発し、被害に遭ったマリ北部キダルにある学校の子どもたち。ユニセフの支援で子どもたちは再び学校に通う機会を得た。

「マリ北部の子どもたちは、紛争や貧困、喪失の影響を、嫌というほど知っています」と、ユニセフ・マリ事務所のフラン・エクイザ代表が語ります。「教育は子どもたちにとって、将来への最大の希望です」

マリ北部で2012年に起った紛争の影響を受けている地域にある、280校以上の学校(6校に1校)が閉鎖されています。そしてその多くは、被害を受け、破壊され、紛争関係者たちによる略奪や占拠後、3年以上にわたって門を閉ざしたままとなっているのです。最も甚大な被害を受けた地域の一つであるキダルでは、79%の学校が依然として閉鎖しています。地雷や爆発性戦争残存物が残る学校までの道のりには、依然として危険が伴います。そのため、親たちは学校から子どもたちを遠ざけざるを得ません。

暴力の影響により、教員も不足しています。600人近い教師が、紛争地域から避難したか、または情勢不安により学校に行くことができずにいます。

教育キャンペーンを実施

『Every Child Counts (だれもが大切な“ひとり”)』キャンペーンの支援で勉強を続けている女の子。

© UNICEF/UNI203045/Dicko

『Every Child Counts (だれもが大切な“ひとり”)』キャンペーンの支援で勉強を続けている女の子。

ユニセフはマリ北部のガオやキダル、トンブクトゥ、中部のセグーなどの地域を中心に、子どもたちが再び教育の機会を取り戻すことができるようにするため、2015年10月から2年間の教育キャンペーン、『Every Child Counts (だれもが大切な“ひとり”)』キャンペーンを実施しています。

  • 教員2,000人のため、研修の実施や学習教材の提供。
  • 10万人の子どもたちに学校キットなどを提供。
  • 10万人の子どもたちへ平和構築のアクティビティを実施し、平和と差別の廃止を促す1万枚のパンフレットを配布。

このキャンペーンでは、学校に通うことができていない子どもたちのため、ラジオを通じた授業を含めた代替的な学習プログラムも実施する予定です。また、学校の修繕や子どもたちへの不発弾の危険性に関する教育も実施されます。

将来への希望

最大140万人の子どもたち(6人に1人の子ども)がこの危機の影響を受けており、約6万2,000人が国内避難民に、約13万9,000人が隣国に避難しています。ユニセフは、子どもたちに保健や水と衛生、保護、教育の必要最低限のサービスを確保するための支援を続けています。

莫大なニーズにも関わらず、資金不足やアクセスの制限により、支援活動に遅れが出ています。教育や保護、保健、栄養、水と衛生プログラムのために必要な資金3,700万米ドルのうち、これまでに寄せられた資金はその3分の1未満に留まっています。

「マリの子どもたちのためのよりよい未来を築き上げるという夢は、私たちの今の行動にかかっています」と、エクイザ代表が語ります。「あまりにも長い間困窮状況にある子どもたちにとって、人道支援アクセスや資源の提供が、早すぎるということは決してありません。教育は子どもたちにとって、将来への最大の希望なのですから」

シェアする


トップページへ先頭に戻る