メニューをスキップ
日本ユニセフ協会
HOME > ニュースバックナンバー2016年 >

ユニセフ 『世界子供白書2016』
統計表 日本語版発表
世界の子どもの状況が国・地域ごとにわかる

【2016年8月8日  東京発】

「世界子供白書2016」

©UNICEF

「世界子供白書2016」特設ページ

ユニセフ(国連児童基金)の基幹刊行物『世界子供白書』では、毎年、世界全体の子どもたちに関する統計データや、子どもたちに影響を与えている様々な問題・課題をテーマに、世界の傾向を包括的に分析したレポートを掲載しています。

子どもに関する統計表の日本語版を発表

公益財団法人 日本ユニセフ協会(東京都港区 赤松良子会長)は、本年6月28日に発表された『世界子供白書2016(原題:The State of The World’s Children 2016)』に掲載されている統計データの日本語翻訳版を、この度発表しました。統計表のPDF版は、特設サイトにてご覧いただけます。

“マスメディアの利用率”も~多岐に渡るデータを掲載

世界子供白書の統計表は、人口、教育、保健などの基本指標のみならず、子どもたちのインターネットなどのマスメディアの利用率に関するものまで、多岐にわたるデータを紹介しています。子どもの生死に関わるものから、水やトイレの利用、貧困下で暮らす人の数、児童婚や出生登録の割合などのデータを、国別は勿論のこと、南米・アフリカ・アジアなどの地域別、そして世界全体での数値の形で掲載しています。

子どもたちの生活の向上や権利の実現のためには、状況を示す証拠=データが不可欠です。データがあれば、さまざまな環境下で暮らす子どもたちの間の格差が可視化され、平均値に埋もれている取り残された子どもたちを見つけることもできます。最も貧しい子どもたちは、最も裕福な子どもたちと比較すると5歳の誕生日を迎えずに亡くなる可能性は2倍に上ります。また、最も貧しい世帯の女の子が、最も裕福な世帯の女の子と比較して、幼くして結婚する割合も2倍に上ります。こうしたデータを活用すれば、最も支援を必要としていながら、これまで支援が届けられ難かった子どもたちへの支援も、推進することができます。

 

区分 含まれる統計の例
表1 基本統計 子ども(5歳未満児、乳児、新生児)の死亡率、総人口、年間出生数、5歳未満児の年間死亡数、出生時の平均余命など
表2 栄養指標 低出生体重児出生率、母乳育児、低体重、ビタミンAの完全補給率など
表3 保健指標 改善された飲用水源や衛生施設を利用する人の割合、予防接種率、肺炎や下痢、マラリアの治療や予防策を受けた割合など
表4 HIV/エイズ指標 HIV感染率、HIVと共に生きる人、女性、子どもの人数、若者でコンドームを使用した割合、エイズで孤児となった子どもの数など
表5 教育指標 若者の識字率、人口100人あたりの携帯電話やネット利用者数、就園率、初等教育就学率・出席率、中等教育就学率・出席率など
表6 人口統計指標 人口(全体、18歳未満、5歳未満)、人口の年間増加率、平均余命、合計特殊出生率、都市人口の割合、都市人口の年間平均増加率など
表7 経済指標 国際貧困ライン1日1.90米ドル未満で暮らす人の割合、一人あたりのGNI、一人あたりのGDPの年間平均成長率、世帯当たりの所得の分布など
表8 女性指標 対男性比の識字率や就学率、避妊法の普及率、出産に関するケアの割合、妊産婦死亡率など
表9 子どもの保護指標 児童労働、児童婚、出生登録、女性性器切除/カッティング、妻へのドメスティックバイオレンスの正当化、子どもへの暴力的なしつけなど
表10 前進の速度 5歳未満児死亡率の順位、5歳未満児死亡率の年間平均削減率、合計特殊出生率の変遷など
表11 青少年指標 婚姻状態にある青少年(15-19歳)の割合、15-19歳の女子1,000人あたりの出産数、青少年によるマスメディアの利用など
表12・13 公平性指標 公平性について、居住地域(表12)では都市部と農村部との比較、世帯の豊かさ(表13)では所得最下位20%と最上位20%とを比較している出生登録、専門技能者が付き添う出産の割合、初等教育純出席率、改善された衛生施設を利用する人の割合など
表14 子どもの早期ケア指標 幼児教育の出席率、おとなによる学習支援、家庭での学習教材(児童書、遊具)、ケアが十分に行き届いていない子どもなど

※国や項目によっては、データが入手できなかったものや、断り書きのあるものも含まれます

※本白書に掲載されている統計は、2015年までに収集されたものとなります

「世界子供白書2016」製本版は、今月末発行予定

『世界子供白書2016-統計表』日本語版は、現在、特設ページでご覧いただけます。

統計データに加え、レポート部分を組み合わせた「世界子供白書2016」日本語完全版(PDFおよび製本版)は、本年8月末発行予定です。

2016年のテーマは「公平性」

「子どもの権利条約」が採択された1989年以降、世界の子どもたちを取り巻く状況は大きな前進を遂げてきました。1990 年以降、世界の5歳未満児死亡率は半分以下となり、極度の貧困に苦しむ人の数も半数程度に減少しています。さらには、約 26 億人が改善された飲み水の水源にアクセスできるようになりました。初等教育学齢期の子どもたちの 90% 以上が小学校に就学しています。

2000年から2015年までのMDGs(ミレニアム開発目標)達成に向けた取り組みでは、平均値で見ると様々な前進がありましたが、その陰に格差も残りました。そのためSDGs(持続可能な開発目標)では、格差をなくす(“誰ひとり取り残さない”)ことを重要な柱にし、公平性の拡大を目指しています。

ユニセフの使命は、「子どもの権利条約」に則して、いかなる場合も、最も不利な状況に置かれた子どもや、最も窮乏している国への支援を優先することです。最も貧しい家庭の子どもであれ、最も不利な状況におかれている民族の子どもであれ、取り残された子どもたちにまず最大の力を注ぐことは、ユニセフの事業の要です。

『世界子供白書2016』では、公平性への道すじとして、ユニセフが過去26年間、そして現在も学び続けている経験や知見の中から、その達成に必要な5つの主な取り組み:置き去りにされている人々に関するデータの増加、各セクターでの支援の統合、新しい支援方法の導入、最も不利な立場にある子どもたちへの投資、コミュニティの参加について取り上げています。

詳しくは、世界子供白書2016特設ページをご覧ください。

シェアする


トップページへ先頭に戻る