【2016年10月21日 シリア発】
ジュディさん(9歳)は、学校に戻れることを楽しみにしています。しかし、それは簡単なことではありません。彼女のようにアレッポ東部に住む子どもたちは、教育を受けることにも困難に直面しています。
© UNICEF/UN034445/Zayat
ジュディさん(中央)、新学期初日の下校風景(2016年9月21日撮影)
9月後半、シリアでは新学期が始まります。
アレッポ東部の旧市街に住む9歳のジュディさんは、学校に戻ることを楽しみにしています。好きな教科は英語です。「姉が勉強を手伝ってくれます。英語を学ぶのが大好きです」。
しかし、ジュディさんやクラスメートにとって、毎日学校に通うことは大きな試練です。
「毎日、飛行機の音がしないことを確かめてから、学校に行きます」(ジュディさん)
ジュディさんの通う学校は、ここ何年もの間、暴力や爆撃の影響を受けていました。学校の周囲の建物も、ひどく破壊されていますが、ジュディさんは毎朝友だちと一緒に、瓦礫の間を歩いて学校に通っています。
© UNICEF/UN034443/Zayat
ジュディさん、新学期初日の下校風景(2016年9月21日撮影)
アレッポ東部や、シリア国内の多くの地域の子どもたちにとって、新学期の第一週は、他の国の子どもたちとは異なります。2011年のシリア危機発生から、国内の学校は4,000 回以上も攻撃を受けました。今では、4分の1 の学校は正常な運営が出来ていません。およそ200万人の子どもたちが学校に戻ることが出来ず、さらに135万人が、戦闘の激化、避難、経済的な理由によって、安全な環境であるはずの学校に通えなくなる危機に直面しています。
アレッポには、電気供給という別の問題もあります。供給ラインが破壊されて以来、何百万人もの市民が電気のない生活を送っています。ジュディさんが住むアレッポ東部は、燃料不足に陥って以降は特に、電気がほぼ全く使えない状況です。「また電気が使えるようになったら、テレビアニメを見たいです」とジュディさんは言います。
ジュディさんの一番の願いは、閉鎖された道路の再開通です。「早く道路がつながって、結婚して別の街に住む兄に会いに行きたいです。まだ、奥さんにも会ったことがありません」
しかし、再開通のめどは立っていないうえ、市街への爆撃も続いています。ジュディさんが学校に通うことも、再び中断されています。
暴力と紛争は、アレッポ東部を含むシリア全土に住む子どもたちに、多大な犠牲を強いています。ユニセフは、すべての紛争関係者に対し、国際人道法に則り、子どもたちと学校を守るよう訴えています。
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