子どもに対する暴力撲滅「ソリューションズ・サミット」 ユニセフ事務局長スピーチ メニューをスキップ
日本ユニセフ協会
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子どもに対する暴力撲滅「ソリューションズ・サミット」
ユニセフ事務局長スピーチ 政府、NGO、企業の取り組みから学ぶこと
相互連携と子ども自身を巻き込むことが重要

【2018年2月14日  ストックホルム発】

本日、ユニセフ(国連児童基金)の事務局長ヘンリエッタ・フォアは、「子どものための2030アジェンダ:ソリューションズ・サミット」の「暴力撲滅のためのステークホルダーズ・セッション」において、以下のとおりスピーチをしました。

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フォア事務局長スピーチ

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©日本ユニセフ協会/2018

ソリューションズ・サミットでスピーチをする、ユニセフ事務局長のヘンリエッタ・フォア

シルヴィア王妃、ヴィクトリア皇太子殿下、ロヴェーン首相、モハメッド国連副事務総長、ご列席の皆様、若者の皆様、若い市民の方々。ようこそお越しくださいました。そして、この重要なサミットを開いてくださいましたスウェーデンに対して、心より感謝いたします。

本日、パネルに参加頂く皆様は、私たちの暴力を撲滅するという使命に決意を表明している、政府、NGO、市民社会、企業、そして学術分野におけるパートナー組織を代表する方々です。彼らは、暴力の撲滅という持続可能な開発目標に掲げられた世界の約束を象徴しています。そして彼らは、私たちがこの課題に取り組む際に学び、規模拡大を可能にする多くのアイデアやアプローチを示しています。

子どもへの暴力をなくすために

今日の私のご挨拶の長さと同じ、5分ごとに、暴力により子どもが1人亡くなっています。毎年、少なくとも10億人の子どもが、身体的、性的、または精神的な暴力などの何らかの形の暴力を受けています。それは、彼らの家の近くで、家庭の中で、学校の教室で、インターネット上で、そして世界各国で起きています。

安全の権利を否定され、暴力を目にし、受けることで精神的・心理的な傷を負った子どもたちにとって、暴力の代償は高いものです。しかし、社会もまた、暴力の被害者に対する保健ケアや社会的支援の費用を負い、経済的生産性の対価を支払うことになります。海外開発研究所(ODI)によると、子どもに対する暴力は、世界全体の生産性に毎年7兆円にものぼる損失を及ぼしかねません。

つまり、子どもや若者がリスクに晒されているとき、社会もリスクに晒されているのです。そして社会がリスクに晒されているとき、その国の経済と未来も危険に晒されています。

しかし、良いニュースもあります。これよりパネルからお話がありますが、この課題に取り組む世界的な運動が広がっています。各国政府、NGO、そして企業が、多様なパートナーと協力して、子どもと若者を暴力から守るためのプログラムを立案し実行しています。

インドネシア政府による、暴力に関するデータを行動に活かす取り組み。日本政府による、新たなパスファインディング国となり、世界的な暴力撲滅の取り組みの中心的な役割を担っていくという確固たるリーダーシップ。英国政府が主導する、学校における暴力撲滅に向けた取り組み。セーブ・ザ・チルドレンによる、コミュニティに対する活動および直接家族と協力しておこなう活動。エリックソンによる、ビジネスプランの中心に子どもの権利を据える取り組み。現地の市民団体による、コミュニティに対してあるいは家族と共におこなう活動。

そして、若者の代表は、暴力を防ぐために子どもたち自身を巻き込むことの重要性を、私たちに改めて教えてくれます。

連携と子どもの参画が必要

ソリューションズ・サミットは、お互いから学ぶ機会であり、また、成果をあげている取り組みを拡充させることが特に重要です。そして、それを連携して実施すること。解決策を模索するには、政府だけではなく、教員、警察、親、コミュニティ・ワーカー、そして子どもたち自身を巻き込む必要があります。各国は、すべてのセクターを縦断する国の行動計画を策定し、適用し、実施する必要があります。

例えば、タンザニアの子どもに対する暴力の予防と対処に関する国家行動計画には、社会福祉員や警察官など前線で働くスタッフが連携して子どもに対する暴力を予防し対処するための新しいツールが含まれます。また、子どもたちが直ちに助けを求められる緊急ホットライン、ならびに教員や学校向けの新しい研修や行動規範も含まれます。

私たちは、学校における暴力への対処にも特に注力しなければなりません。クロアチア、インドネシア、ジャマイカ、ヨルダン、そしてウガンダがおこなっている、教員および生徒に向けた暴力を予防するための研修への取り組みから学ぶべきです。これらの国は、成果のあった活動に投資しています。教員、生徒、法の執行者の間の壁を壊しています。そして、子どもたちの人生を握っている両親や養育者に直接働きかけています。

ユニセフの組織内の取り組み

最後に、開発支援団体として、厳格な方法を用いて子どもに対する性的搾取および虐待を防ぎ、報告があった場合にはそれを明らかにし対処することにより、果たすべき重要な役割について簡潔に述べさせて頂きます。

これはグローバルな問題です。いかなる組織もこの問題と無関係ではありません。ユニセフは、何年もかけて、子どもに対する搾取を防ぎ、起こった場合の対処方法に関して確固たる政策を掲げてきました。

  • 性的搾取と虐待に関する報告を義務づけている。
  • 万が一問題が発生した場合に備え、被害者への支援体制を拡充した。
  • すべての職員の採用には綿密な身元調査をおこない、性的搾取を防ぐための研修を義務づけている。
  • コミュニティレベルの通報制度を展開する。
  • 組織内の調査体制と能力を強化している。

私たちには、すべての国で、コミュニティで、教室で、そして家庭で、いかなる暴力も容認しない文化を築き続ける責任があります。

ユニセフは先駆的技術力と現地での活動、コミュニケーション活動、そして組織内の人材・資材を通じて、これらの努力を支援していく準備があります。私たちの共通の未来は、子どもに対する暴力を撲滅するという私たちに共通する責任と行動にかかっているのです。

皆様には、この重要な任務にご協力頂きありがとうございます。これからの討論を楽しみにしています。シルヴィア王妃がおっしゃったように、「一緒に沈黙を破りましょう」


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