メニューをスキップ
日本ユニセフ協会
HOME > ニュースバックナンバー2018年 >

中央アフリカ共和国
暴力と避難生活の影響受ける子どもたち 情勢悪化、130万人が人道支援を必要
ユニセフ、資金要請

【2018年5月12日  バンギ(中央アフリカ共和国)発】

2018年前半に暴力が激化した中央アフリカ共和国では、地域で発生する残虐行為や暴力のために、子ども2万8,600人を含む、少なくとも5万5,000人が故郷を逃れることを余儀なくされました。

情勢悪化、130万人が人道支援を必要

Jospin sits in a class at the MINUSCA site in Kago Bandoro, Central African Republic, Monday 6 November 2017. "I think I am 13," says Jospin, "but my birth certificate was lost when they burnt my house. I am from a village 17 kilometres away on the road to Kabo. Three-years ago we left the village on foot, my father, my mother, my seven brothers and sisters and myself. We stayed on the church site, then MINUSCA when the church site was attacked. Actually it is as an IDP that I started going to school for the first time and I love it. I am in third grade now. I have decided to become a doctor because once I was sick and I went to the hospital and this big man, the doctor, treated me. He was very kind. So I have decided to become a doctor too, so I can help my people one day." As of October 2017, violent clashes and inter-communal tensions fuelled by armed groups have continuously increased in the Central African Republic (CAR). In the absence of an effective judicial system and basic security services by the public administration, armed groups have continued to perpetrate violent and destabilizing acts, of which the civilian population is the main victim. The targeting of minorities, including women and children, has resurfaced, with killings and attacks against communities multiplying. Conflict and forced displacement is increasingly widespread and impacting previously unaffected parts of the country. As the crisis further expands towards the southeast and northwest of the country, there are new displacements and there is a significant risk that the condition of people previously displaced that remain in camps will deteriorate. Nearly one family out of four has already been forced to flee or seek refuge in neighbouring countries. While the official opening of the 2017–2018 school year kicked off on 18 September, many schools remain closed in areas where violence and insecurity persists. According to the Ministry of Education, over 170,000 children had not sta

© UNICEF/UN0149422/Sokhin

3年前に国内避難民となり、初めて学校に通い始めたジョスパン君(中央)。(2017年11月撮影)

この1年間に、国内におけるすでに不安定だった人道状況および治安状況は悪化し、2018年の年初からさらに悪化しました。国内避難民の数は2017年の44万人から、現在は推定68万7,400人に増加し、そのうち35万7,400人の子どもたちが、教育、保健、および保護のサービスを受けられなくなりました。

「この新たな暴力の影響の最も高い対価を払わされているのは、子どもたちです。すべての紛争当事者は子どもへの暴力を、今すぐ終わらせるべきです」と中央アフリカ共和国を5日間にわたり訪問しているユニセフ(国連児童基金)西部・中部アフリカ地域事務所代表のマリー・ピエール・ポワリエは述べました。「世界は、中央アフリカ共和国の子どもたちのことを忘れてはなりません。子どもたちの保護がなにより優先されるべきです」

増え続ける暴力による直接的な影響に加え、この国の子どもたちの状況は危機的状況にあり続けています。子どもの3分の1は学校に通えていません。子ども半数近くは、完全には予防接種を受けていません。また、5歳未満児の41%は慢性的な栄養不良に苦しんでいます。

子ども130万人を含む少なくとも250万の人々が、緊急人道支援を必要としていますが、資金は深刻に不足しています。4月末時点で、ユニセフの2018年人道支援のために要請した資金額のうち集まったのは僅か15%です。ユニセフは、中央アフリカ共和国の子どもと家族の命を守る支援を提供するために、さらに4,800万米ドル必要としています。

子どもたちの命を守る支援を

武装勢力から解放され、学校に通えるようになった女の子。(2017年11月撮影)

© UNICEF/UN0149464/Sokhin

武装勢力から解放され、学校に通えるようになった女の子。(2017年11月撮影)

ユニセフは、基本的保健ケア、性的暴力や虐待を受けた子どもへの特別なケア、国内避難民キャンプでの仮設学習スペースの設置を含む、子どもたちの命を守る支援を提供しています。

2017年には、チャド湖周辺でのポリオの集団発生への対応として、5歳未満児の98%に値する80万人以上にポリオの予防接種を実施しました。さらに、重度の急性栄養不良に苦しむ2万6,000人の子どもを治療し、90%が回復しました。

2017年だけでも、ユニセフは2,969人の子どもの武装勢力や武装グループからの解放を支援しました。緊急人道支援として、ユニセフは避難民キャンプに315カ所の「子どもにやさしい空間」および仮設学習施設の設置を支援し、5万6,600人が通えるようになりました。

「支援の的を絞り十分な投資をすることで、避難民キャンプと避難民を受け入れているコミュニティの両方に暮らす子どもたちに真の変化をもたらすことができます。ユニセフはパートナー団体と協力して、4つの主要な優先事項に専念することで、成果を上げています。それらは、予防接種の規模の拡大、栄養不良の撲滅、そして緊急時も含めた教育と保護の提供です」とポワリエは言いました。「私たちがパートナー団体と協力してこれらの支援を拡大するためには、資金的支援が必要なのです」

シェアする


トップページへ先頭に戻る