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日本ユニセフ協会
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ロヒンギャ難民キャンプで初感染
ユニセフの対応 保健、手洗い、教育、保護

【2020年5月15日  ジュネーブ発】

本日、国連の定例記者ブリーフィングで、ユニセフ(国連児童基金)の広報官マリキシ・メルカドが報告した、バングラデシュ南東部コックスバザールのロヒンギャ難民キャンプにおけるユニセフの取り組みを抜粋してお伝えします。

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ロヒンギャ難民キャンプで初感染

コックスバザールのクトゥパロン難民キャンプにあるユニセフが支援する学習センターで、石けんで手を洗うロヒンギャ難民の子どもたち。(2020年3月9日撮影)

© UNICEF/UNI315490/Himu

コックスバザールのクトゥパロン難民キャンプにあるユニセフが支援する学習センターで、石けんで手を洗うロヒンギャ難民の子どもたち。(2020年3月9日撮影)

昨日、ロヒンギャ難民キャンプで、新型コロナウイルスの感染者が初めて確認されました。ユニセフの対応については、以下の通りです。

ユニセフは210床の重症急性呼吸器感染症の隔離・治療センターを建設しています。90床は5月22日までに、残りは30日までに配備する予定です。

210床の施設建設とともに、下痢治療センターを30床の隔離・治療センターに転用する準備もしています。これは5月16日までに完了予定ですが、人員や医療物資の配置にはもう少し時間を要します。また、個人用防護具を、コックスバザールの医療従事者や保健・医療施設に提供しています。

保健・医療施設のスタッフは、感染予防と管理について訓練を受けています。229人からなるユニセフの地域保健ボランティアは、COVID-19の接触者追跡について訓練を受けています。

感染拡大を防ぐための対応

COVID-19のパンデミックにより、ロヒンギャ難民キャンプに滞在する子どもたちが栄養危機にさらされている。

© UNICEF Bangladesh/2020/Kettie

COVID-19のパンデミックにより、ロヒンギャ難民キャンプに滞在する子どもたちが栄養危機にさらされている。

ユニセフのパートナー団体は、ロヒンギャ難民24万人に安全な水と石けんを提供しており、その半分以上が子どもです。3月初め以来、キャンプ内4,200カ所以上と受け入れコミュニティ160カ所以上に共同手洗い所を設置しました。また、トイレ約9,500基とシャワー施設4,700カ所が消毒されました。

国連世界食糧計画(国連WFP)を含むユニセフのパートナー団体は、急性栄養不良の子どものスクリーニング、治療、およびフォローアップのケアを引き続き行っています。ロヒンギャの5歳未満の子どもの11パーセントは、急性栄養不良に苦しんでおり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染すると合併症のリスクが高まります。

パートナー団体は、難民キャンプと受け入れコミュニティにおいて母子保健・医療サービスを提供し続けています。

ロヒンギャのボランティア教師は、学齢期の子どもがいる10万世帯以上(キャンプに暮らす家族の55パーセント)に向けて、保護者主導の家庭学習に関する情報を提供しました。これまでに、3万5,000人の子どもたちが在宅学習を行っています。

感染から守るための情報にアクセスできるよう連携

コックスバザールのMoinarghona難民キャンプで、女性と女の子のための安全な空間で遊ぶロヒンギャ難民の子どもたち。(2019年4月撮影)

© UNICEF/UNI255744/Chak

コックスバザールのMoinarghona難民キャンプで、女性と女の子のための安全な空間で遊ぶロヒンギャ難民の子どもたち。(2019年4月撮影)

ユニセフは、子ども、女性と女の子、そしてジェンダーに基づく暴力の被害者に対して、ケースマネージメント、カウンセリング、心理社会的サポートを含む保護サービスを提供し続けています。約2,000のパートナー団体とボランティアによるネットワークは、暴力、搾取、虐待のリスクが高い子どものモニタリングを続けています。

さらに重要なこととして、ユニセフは、難民キャンプのサービスポイントや受け入れコミュニティのテレビで放送されている、ラジオ放送や「ミーナ」のアニメを通じて、子どもたちが自分自身や自分のコミュニティを感染から守るための情報にアクセスできるようにしています。そして、200人の宗教指導者とボランティアを含む、650人の訓練されたコミュニティ・モビライザーのネットワークと密接に連携しています。

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