メニューをスキップ
日本ユニセフ協会
HOME > ニュースバックナンバー2020年 >

新型コロナが世界をどう変えたか
最貧困層の子どもに壊滅的な影響 36の国際機関による新報告書

【2020年5月14日  ニューヨーク発】

ユニセフ(国連児童基金)を含む36の国際機関は、共同で報告書『新型コロナウイルスが世界をどう変えたか:統計的展望』(原題:How COVID-19 is changing the world: A statistical perspective)を発表しました。各機関がそれぞれに取り組む分野を扱うなかで、ユニセフは、子どもの生活に焦点を当て論じています。その概要を以下にお伝えします。

* * *

新型コロナが世界をどう変えたか

サン・ペドロの小学校でマスクをつけて授業を受ける子どもたち。(コートジボワール、2020年5月18日)

© UNICEF/UNI330895/Frank Dejongh

サン・ペドロの小学校でマスクをつけて授業を受ける子どもたち。(コートジボワール、2020年5月18日)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって世界は変わりました。あらゆることに影響が及んでいます。どのように生活し、人と交流するのか。どのように働き、コミュニケーションをとるのか。そして、どのように移動し、旅するのか。私たちの生活のあらゆる面が影響を受けています。今、そしてこれから数カ月の間に行われる決定は、この時代に行われるものの中で非常に重要なものになるでしょう。それが、今後数年間、世界中の人々に影響を与えることになるからです。決定を下す各国政府が、入手可能な最良の情報にアクセスできることが重要です。この危機の下、世界の統計界は、危機の最中そしてその後の意思決定をサポートするために最高品質のデータと統計が利用できるよう、世界各国の統計局およびシステムと連携して取り組んできました。本報告書は、統計活動調整委員会(CCSA)の支援を受けて、36の国際機関がその連携による成果の一部を紹介するものです。

国連およびCCSAのその他のパートナー団体は、事実に基づいた計画立案を推進するため、公正で豊富なデータと統計を無償で公開しています。報告書は、COVID-19が今日の世界にどのような影響を与えているかについて、入手可能な最新データの概要を示すものです。多様なトピックが扱われていますが、メッセージは一貫しています:これは前例のない危機であり、私たちの生活のあらゆる面で影響が及んでいるということです。本報告書では、経済や環境の変化から、所得、教育、雇用、暴力など個人に影響を与える変化、民間旅客機や郵便などの公共サービスに影響を与える変化まで、公私のさまざまな側面を取り上げています。また、女性・子どもや地域など一部のグループにも焦点を当てて論じています。

最貧困層の子どもに壊滅的な影響

以下はユニセフ解説部分における報告書の内容です:

※図も含む日本語版PDF(ユニセフ解説:P54-55)は、こちらよりご覧いただけます。

 

COVID-19は、特に最貧困層の子どもたちの生活に壊滅的な影響を及ぼしています

報告書『新型コロナウイルスが世界をどう変えたか:統計的展望』(原題:How COVID-19 is changing the world: A statistical perspective)

報告書『新型コロナウイルスが世界をどう変えたか:統計的展望』(原題:How COVID-19 is changing the world: A statistical perspective)

以前から置き去りにされていた子どもたちは、命を守る予防接種を逃したり、暴力のリスクが高まったり、教育を中断したりすることによって、パンデミックの影響の矢面に立たされるでしょう。

多くの子どもたち、特に最貧困国や最貧困層の子どもたちは、COVID-19の拡大を緩和するために緊急の行動がとられない限り、肺炎、下痢性疾患、マラリア、HIV/エイズなどの予防や治療が可能な疾患で命を落とすリスクがあります。例えば、予防接種サービスが中断し続けると、肺炎で亡くなる子どもが増えるでしょう。現時点ですでに、肺炎によって5歳未満の子ども約80万人(1日あたり約2,200人)が1年間で死亡しています。

 

■ 石けんと清潔な水による手洗いは、多くの子どもにとって手の届かないこと

サハラ以南のアフリカの人口の約4分の3は、COVID-19の基本的な予防策である手洗いをするための設備が自宅になく、すでに弱い立場に置かれた人々がさらに不利な状況に置かれています。石けんと水で手を洗う設備が自宅にない人は世界で30億人にのぼり、そのうち16億人は石けんか水のどちらかが利用できず、14億人は設備が全くありません。従って、多くの人にとって、COVID-19の感染拡大を防ぐ最も基本的で効果的な対策は手の届かないところにあるということです。

 

■ デジタル技術へのアクセスの欠如は多くの子どもたちが学ぶことを妨げます

小学校が休校になり、ラジオ番組を通じて自宅で勉強する11歳の男の子。(ルワンダ、2020年4月9日撮影)

© UNICEF/UNI319836/Kanobana

小学校が休校になり、ラジオ番組を通じて自宅で勉強する11歳の男の子。(ルワンダ、2020年4月9日撮影)

COVID-19の封じ込め手段として学校の休校措置がとられ、テレビやラジオ番組などを通じた遠隔教育やオンライン授業などが一部の国で代替手段として展開されています。しかし、インターネットにアクセスできる世帯は世界全体で半数未満です。また、都市部では73パーセントの世帯がテレビを保有していますが、農村部でテレビを保有している世帯は38パーセントに留まります。パンデミックは、教育の危機をさらに深め、最も厳しい状況の子どもたちを置き去りにするリスクがあります。

 

■ すでに暴力のリスクにさらされている子どもがより弱い立場に置かれています

地域社会が崩壊するにつれて、すでに暴力、搾取、虐待のリスクにさらされている子どもたちは、さらに脆弱になります。1-14歳の子ども10人中約8人が、過去1カ月の間、自宅で保護者から何らかの形の心理的な暴力か体罰、またはその両方を受けました。そして、2-4歳の子どもの4人に3人が、自宅で保護者から言葉による暴力または体罰を受けています。さらに、これまでにパートナーを得たことのある15-49歳の女性と女の子の18パーセントが、パートナーからの身体的暴力か性的暴力、またはその両方を経験しています。危機の間、特に今は、家庭内での親密なパートナーからの暴力を女の子や女性が受けるリスクが高まっています。

マザーリシャリーフのHazrat Bilal国内避難民キャンプに滞在する子どもたち。(アフガニスタン、2020年4月15日撮影)

© UNICEF/UNI320903/Fazel

マザーリシャリーフのHazrat Bilal国内避難民キャンプに滞在する子どもたち。(アフガニスタン、2020年4月15日撮影)

世界における子どもの難民1,300万人のうち、難民キャンプに暮らす人々も同様の課題に直面しています。100万人の子どもの庇護申請者や1,700万人の避難民の子どもとともに、社会的保護の枠から外される可能性が非常に高く、より安全な滞在資格の取得を妨げる移動制限によって影響を受けるおそれがあります。

 

 


トップページへ先頭に戻る