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日本ユニセフ協会
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新型コロナウイルス
乳児8,000万人がポリオなど感染リスク 予防接種中断でユニセフなど警告

【2020年5月22日  ジュネーブ/ニューヨーク発】

ポリオの予防接種を受ける赤ちゃん。(ガーナ、2020年2月6日撮影)

© UNICEF/UNI322063/Kokoroko

ポリオの予防接種を受ける赤ちゃん。(ガーナ、2020年2月6日撮影)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって命を守る予防接種サービスが中断し、富裕国、貧困国を問わず世界の何百万人もの子どもたちがジフテリア、はしか、ポリオなどにかかるリスクにさらされていることを受け、ユニセフ(国連児童基金)、世界保健機関(WHO)とGAVIアライアンスは6月4日にロンドンで開催される「世界ワクチンサミット」に先立ち、警鐘を鳴らしました。

ユニセフ、WHO、GAVI、サビン・ワクチン・インスティテュート(Sabin Vaccine Institute)が収集したデータによると、少なくとも68カ国で定期予防接種サービスが妨げられ、これらの国に暮らす乳児(1歳未満児)約8,000万人に影響を及ぼすおそれがあるということです。

子どもの定期予防接種の中断

南部のカンダハールでポリオの予防接種を受け、小指に印をつけてもらう子ども。(アフガニスタン、2020年3月8日撮影)

© UNICEF/UNI309844/Frank Dejongh

南部のカンダハールでポリオの予防接種を受け、小指に印をつけてもらう子ども。(アフガニスタン、2020年3月8日撮影)

2020年3月以降、子どもの定期予防接種は、予防接種拡大計画(Expanded Program on Immunization: EPI)を1970年代に開始以来、前例のない世界的規模で中断されています。データが利用可能な129カ国の半数以上(53パーセント)において、中程度から大規模の中断、または2020年3月から4月の間の予防接種サービスの完全な停止が報告されています。

予防接種が中断される理由はさまざまです。移動制限、情報の不足、またはCOVID-19への感染をおそれて、外出に消極的な保護者もいます。また、往来の制限やCOVID-19への対応、防護具がないといった理由から、医療従事者の人手が不足しています。

さらに、ワクチン輸送の遅延が状況を悪化させています。ユニセフは、都市封鎖の措置や、その後の民間航空便の減少と限られたチャーター便の運航のため、計画されていたワクチン供給が大幅に遅れていることを報告しました。これを緩和するために、ユニセフは政府、企業、航空業界などに対し、命を守るワクチンのために良心的な価格で貨物スペースを解放するよう求めています。GAVIは先日、輸送に利用できる民間航空便の数が減ったことを考慮し、ワクチンの輸送にかかる費用の増加を補うための事前資金を提供すると、ユニセフと合意しました。

「はしか、ポリオ、コレラの感染予防に効果的なワクチンがあります。状況によっては予防接種を一時的に中断する必要があるかもしれませんが、これらの予防接種はできるだけ早く再開しなければなりません。そうでなければ、感染症を一つ防ぐ代わりに別の感染症を流行させてしまうおそれがあるからです」と、ユニセフ事務局長のヘンリエッタ・フォアは述べました。

WHOは予防接種を安全に提供する方法に関する推奨事項を含む、パンデミック下で重要なサービスを維持することに関する各国に向けた新しいガイドラインを近日中に発表します。

大規模な予防接種キャンペーンの中断

ユニセフが行うはしかとポリオの予防接種キャンペーンで、予防接種カードを持って順番を待つ子どもたち。(ギニアビサウ、2020年1月18日撮影)

© UNICEF/UNI284891/Prinsloo

ユニセフが行うはしかとポリオの予防接種キャンペーンで、予防接種カードを持って順番を待つ子どもたち。(ギニアビサウ、2020年1月18日撮影)

多くの国は、COVID-19パンデミックの初期段階から感染リスクを低減させ物理的な距離を保つ必要性から、コレラ、はしか、髄膜炎、ポリオ、破傷風、腸チフス、黄熱などの感染症における大規模な予防接種キャンペーンを中断しました。

特に、はしかとポリオの予防接種キャンペーンは大きな影響を受けており、はしかキャンペーンは27カ国で、ポリオキャンペーンは38カ国で中断しています。GAVIの支援する低所得国21カ国において少なくとも2,400万人が、キャンペーンの延期により、ポリオ、はしか、腸チフス、黄熱病、コレラ、ロタウイルス、HPV(ヒトパピローマウイルス)、髄膜炎および風疹の予防接種を受けられないおそれがあります。

3月下旬、予防接種キャンペーンで多くの人が集まることでCOVID-19の感染を助長すると懸念し、WHOはリスク評価とコロナウイルスの効果的な感染対策が確立されるまでの間、予防接種を一時中断することを国に推奨しました。

その後、WHOは状況を監視し、各国が予防接種キャンペーンを再開する方法と時期を決定するために役立つガイドラインを発行しました。ガイドラインでは、各国がCOVID-19感染のダイナミクス、医療体制のキャパシティ、および予防や流行への対応として予防接種キャンペーンを実施することによる公衆衛生上の利益に基づいて、特定のリスク評価を行う必要があると述べています。

予防接種キャンペーンの再開計画を

ユニセフが支援する全国予防接種キャンペーンで、はしかの予防接種を受ける1歳の子ども。(フィジー、2019年撮影)

© UNICEF/UNI235772/Stephen

ユニセフが支援する全国予防接種キャンペーンで、はしかの予防接種を受ける1歳の子ども。(フィジー、2019年撮影)

このガイドラインに基づき、そしてポリオの感染拡大における懸念の高まりを受けて、世界ポリオ根絶推進活動(GPEI)は、各国に向けて、特にポリオの感染リスクの高い国での予防接種キャンペーンの安全な再開を計画し始めるよう求めています。

このような課題があるにもかかわらず、予防接種を継続するために取り組んでいる国もあります。ウガンダでは、予防接種サービスが他の重要な医療サービスとともに継続できるよう取り組むとともに、アウトリーチ活動のための移動資金を確保しています。また、ラオスでは3月の全国封鎖にもかかわらず、特定の場所での定期予防接種は物理的な距離をとる措置を講じた上で継続されました。

予防接種 キャンペーンが延期された国の総数
※5月15日時点(注)
はしか/はしか風疹/はしかおたふく風邪風疹
(M / MR / MMR)
27
不活化ポリオワクチン(IPV) 7
二価経口ポリオワクチン(bOPV) 26
一価経口ポリオワクチン2型(mOPV2) 13
髄膜炎菌血清型Aワクチン(MenA) 2
黄熱病(YF) 4
腸チフス(TCV) 2
経口コレラワクチン(OCV) 5
破傷風(Td) 7

注記:

予防接種に関するオンラインでのパルス調査は、107カ国の各国保健省の代表や国際保健機関を含む800人以上の予防接種専門家を対象に実施されました。このうち53カ国は、GAVIが支援する低所得国でした。予防接種キャンペーンに関するデータは、2020年5月15日時点で加盟国によってWHOに報告されたデータに基づいています。


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