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日本ユニセフ協会
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貧困削減のために
児童手当の一律給付を ユニセフ、ODIと新報告書

【2020年6月17日  ニューヨーク発】

無条件の現金給付などによる児童手当の一律給付は、子どもの貧困との闘いにおいて極めて重要であるものの、世界で給付されている国は10カ国に1カ国に限られると、ユニセフ(国連児童基金)は英国のシンクタンクである海外開発研究所(ODI)と共同で発表した報告書で述べました。

貧困削減のために児童手当の一律給付を

報告書『児童手当の一律給付:政策課題と選択肢』(原題:Universal Child Benefits: Policy Issues and Options)

報告書『児童手当の一律給付:政策課題と選択肢』(原題:Universal Child Benefits: Policy Issues and Options)では、中所得国の子どもに対し、GDPのわずか1パーセントのコストによる児童手当の一律給付によって、全人口における貧困層の20パーセント削減につながると考えられることに焦点を当てています。

高所得国15カ国では、児童手当のみによって子どもの貧困が平均5ポイント低下しました。児童手当の一律給付によって、貧困を削減し、子どもの福祉、健康、教育、食料安全保障、そしておとなになった時に社会や経済に貢献する能力や生産性が高まると立証されています。

「子どもたちへの投資は、彼らの人生を変えるだけでなく、コミュニティや社会全体に良い結果をもたらします」とユニセフ事務局長ヘンリエッタ・フォアは述べました。「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の経済への影響により、これまで以上に貧困削減における長年の進歩が後退するリスクにさらされているため、児童手当の一律給付は生命線になり得ます。手当を通じて、弱い立場に置かれた家族を深刻化する貧困や剥奪から守り、社会や経済への破滅的な影響から国を救うことができるでしょう」

社会的保護システム、保健ケア、社会サービスをすべての子どもへ

首都ヌルスルタンの自宅で学校の準備をする10歳のリューバさん。家族は社会保障制度の対象だが、さまざまな問題で今だ受けられずにいる。(カザフスタン、2019年5月撮影)

© UNICEF/UNI286631/Nur

首都ヌルスルタンの自宅で学校の準備をする10歳のリューバさん。家族は社会保障制度の対象だが、さまざまな問題で未だ受けられずにいる。(カザフスタン、2019年5月撮影)

一律化によって、手当てを必要とする家族が経済的支援を受けられないという、受給資格の審査に付随するリスクが軽減されます。また、現金給付や税の軽減などの社会的保護プログラムの普遍化は、給付制度全体の不公平や差別をなくすことにもつながります。

さらに重要なのは、現金給付プログラムによって生産年齢人口における賃金労働への参加率が下がらないことです。現金給付はむしろ、養育者が雇用と家庭で求められるニーズのバランスを取る助けになります。

特に、人口が多くCOVID-19によって財政がひっ迫している低所得国にとって、子どもと家庭への給付制度の対象範囲を拡大するには、資金調達における国の優先順位付けと国際社会との連帯が必要です。また、一律の児童手当には、包括的な社会的保護システムと、保健ケアや教育を含む質の高い社会サービスを伴うことが求められることも強調しています。

さらに、報告書では、たとえば低所得国が乳幼児向けの給付を実施し、すべての年齢層の子どもへと拡大していく方法など、手当の一律化を達成するための道筋について説明しています。政策の採択、行政・財政能力の強化、公的支援の構築を含むステップはすべて、児童手当の一律化を達成するために重要です。


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