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日本ユニセフ協会
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新型コロナウイルス
インドへ酸素濃縮器など追加支援
コロナ孤児への支援体制も強化

【2021年6月3日  ニューデリー発】

ユニセフ(国連児童基金)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染急拡大の影響が続くインドへ、救命物資の追加供給を行うなど緊急支援を続けています。26基の酸素生成プラントのうち最初の9基はすでに設置中で、4,500台以上の酸素濃縮器や200台のRT-PCR検査機も現地に届きつつあります。

酸素不足が大きな課題

インドに届いた酸素生成プラント。(2021年5月31日撮影)

© UNICEF/UN0470085/Rami

インドに届いた酸素生成プラント。(2021年5月31日撮影)

COVID-19の第2波と闘うインドでは、呼吸器系疾患の患者を治療するための酸素不足が大きな課題です。酸素ケアや検査へのアクセスを拡大するために、ユニセフは現在グジャラート州、アルナチャル・プラデシュ州、トリプラ州の病院に9基の酸素生成プラントを設置するための支援を行っていますが、それら含めて26基の酸素発生プラントが、アルナチャル・プラデシュ州、グジャラート州、ナガランド州、マハラシュトラ州、メガラヤ州、トリプラ州の病院に設置される予定です。

「COVID-19急拡大によって、インドの保健・医療施設に莫大な負荷がかかっています。危機の中心にあるのは、切実な酸素不足です。重症患者にとって、酸素の供給が間に合うかどうかが、生死を分けます」と、ユニセフ・インド事務所代表のヤスミン・ハックは述べました。「世界からの支援のおかげで、ユニセフは酸素生成プラントや酸素濃縮器をタイムリーに提供することができ、この重要な局面で命を守ることができます。酸素システムを構築することで、現在の緊急事態だけでなく、長期的な様々な医療ニーズにも対応することができます」(ハック)

また、ユニセフは今後数カ月の間に、さらに14台の酸素生成プラントを調達する予定です。酸素生成プラントでは、パイプを通して酸素が患者のベッドまで直接供給されます。COVID-19の重症患者、病気の新生児、肺炎の子どもたちの治療のほか、出産時の合併症への対応や手術中の患者の安定維持などにも使用されます。

ユニセフによる支援

ガーズィヤーバード州にある保健センターで、ユニセフなどが支援した酸素濃縮器を操作する医療従事者。(2021年5月25日撮影)

© UNICEF/UN0467242/ Bhardwaj

ガーズィヤーバード州にある保健センターで、ユニセフなどが支援した酸素濃縮器を操作する医療従事者。(2021年5月25日撮影)

さらにユニセフは、アルナチャル・プラデシュ州、マニプール州、シッキム州、ラジャスタン州、グジャラート州、西ベンガル州などでの緊急対応のため、ACT-A(Access to COVID-19 Tools - Accelerator)の取り組みの一環として調達された酸素濃縮器4,650台を届けます。この濃縮器は、周囲の空気を取り込み、継続的に酸素を供給することができます。また、以前に調達した3,000台の酸素濃縮器は、ウッタル・プラデシュ州とウッタラカンド州で使用されています。加えて、512本の高流量鼻腔カニューレが10の州に届けられました。

その他、ユニセフが提供した物資や支援は以下の通りです。

  • ユニセフは、インドにおける新型コロナワクチンの接種を支援し、より長期的には子どもたちへの定期予防接種を支えるため、23万8,272点以上のコールドチェーン機器(各種冷蔵・冷凍設備、冷蔵ボックス、運搬設備、電圧安定器など)を調達・供給しました。これにより、国・州レベルでのワクチン保管を強化するとともに、1,389カ所のコールドチェーン拠点を増強することで、523地区での保管も強化されます。
  • インド国内での検査体制を支援するために、ユニセフはインド医学研究評議会(ICMR)と共同で、25州の73の研究所に85台のRT-PCR検査装置を設置しましたが、今回さらに200台が導入される予定です。また、100台のRNA抽出装置も調達中です。
  • 調達した74台の大型検温器が24の空港と11の港に順次設置されており、入国した乗客の体温を監視するために使用されています。
  • 2021年5月、ユニセフはインド全土に850万枚の三層式マスクと175万枚のフェイスシールドを供給しました。こうした個人用保護具は、村や病院で必要不可欠なサービスを継続するために重要です。

コロナ孤児への支援体制も強化

ニューデリーでPCR検査をする医療従事者。(2021年5月29日撮影)

© UNICEF/UN0469610/ Bhardwaj

ニューデリーでPCR検査をする医療従事者。(2021年5月29日撮影)

ユニセフは州政府やパートナーと協力して、COVID-19の影響で孤児になったり、置き去りにされたりしている子どもたちに対し、祖父母など親族を探し出す支援やカウンセリング、保護施設への入所、国のチャイルドラインへの報告などを支援しています。

女性・子ども開発省によると、インドで4月1日から5月25日までの間にCOVID-19によって親を失った子どもは577人にのぼります。ユニセフは州政府と協力して、一方または両方の親を亡くした子どもたちや、親が入院し一時的なケアを必要としている子どもたちに対する対応について、コミュニティや病院などに対する勧告や手続きを策定しています。 さらに、最前線で働く人々がこうした子どもたちを支援できるように、その能力を高める取り組みを行っています。

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