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日本ユニセフ協会
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新型コロナウイルスワクチンの公平な分配を
「全員が安全でなければ、誰一人として安全ではない」 ユニセフ、共同宣言に署名

【2021年5月24日  ジュネーブ発】

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的危機が続く中、ユニセフ(国連児童基金)事務局長 ヘンリエッタ・フォアを含む17の機関の代表者が、ワクチンの公平な配分と世界の連帯を呼び掛ける共同宣言に署名しました。

共同宣言

北キブ州ゴマでCOVID-19の予防接種を受けるユニセフのスタッフ。(コンゴ民主共和国、2021年5月6日撮影)

© UNICEF/UN0459282/Bashizi

北キブ州ゴマでCOVID-19の予防接種を受けるユニセフのスタッフ。(コンゴ民主共和国、2021年5月6日撮影)

ワクチンを公平に分配する取り組みは、人道的に欠かせないものです。

今、私たちには二つの選択肢があります。世界のこれからの10年間、より公平で、豊かで、尊厳のある未来を選ぶのか、あるいは、紛争が起き、不安定で、人々が貧困にあえぐ未来を選ぶのか。まさに今、私たちはその分岐点にいます。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は世界中の人々が影響を受ける、世界的危機をもたらしています。パンデミックによって、格差や不平等が浮き彫りになり、さらに悪化しています。その影響は今後何年にもわたって地球規模で続くでしょう。

新型コロナのパンデミックのような大惨事は、個人的な損失や死といった悲劇だけでなく、私たちの生活のほとんどの部分に混乱をもたらします。影響を受けない国はひとつもないのです。感染力が強く、ワクチンにも耐性を示す可能性のある変異ウイルスを、今コントロールしなければ、それらは世界を脅かし続けるでしょう。

この宣言に署名した私たちは、世界各地のコミュニティに根ざして活動する組織を代表しています。紛争、災害、飢餓などの影響を受けている人々と緊密に連携し、彼らが直面している計り知れない困難を認識する一方で、彼らには最悪の状況下であっても回復する力があるということも私たちは認識しています。

保健・医療への公平なアクセスが重要

COVAXを通じてバクザン省に届いたCOVID-19ワクチンで、予防接種の準備をする医療従事者。(ベトナム、2021年4月26日撮影)

© UNICEF/UN0453791/Viet Nam\Truong Viet Hung

COVAXを通じてバクザン省に届いたCOVID-19ワクチンで、予防接種の準備をする医療従事者。(ベトナム、2021年4月26日撮影)

2021年、世界経済は1945年以来最悪の景気後退に直面しています。貧困や苦しみが急激に増加している国々や、飢餓や人々の死が増加している国々もあります。新型コロナウイルスのパンデミックの影響は、これから長い間続くことでしょう。人間に苦しみをもたらす経済的な影響も、今後も続くでしょう。そして、今の子どもたちの世代、特に女の子たちは、学校を離れれば、二度と戻ってくることがないかもしれません。

世界は、ここにある壊滅的な状況をどのように打開するかという課題に直面しており、保健・医療がそのための重要な役割をもたらします。私たちは、一人ひとりの命が大切にされ、保健・医療ケアを受ける権利が守られるよう、「すべての人に保健・医療を」と提唱しています。予防接種だけでなく、適切な保健・医療サポートを提供できる専門性と設備を携えた医療従事者に診てもらえる環境が、人々には必要なのです。

住んでいる場所や、誰であるかに関わらず、それぞれの地域社会が予防接種を実施できる世界をつくる必要があります。新型コロナウイルス感染症の予防接種に限らず、人々に害を及ぼし命さえ奪うその他多くの病気に対する予防接種です。今回のパンデミックで明らかになったように、私たち皆が互いに関わり支え合って暮らす世界では、全員の安全が確保されない限り、誰一人として安全ではないのです。

COVAX:ワクチンの公平な分配を目指す

COVAXを通じてアンタナナリボ空港に届いたCOVID-19ワクチン。(マダガスカル、2021年5月8日撮影)

© UNICEF/UN0459487/Andrianandrasana

COVAXを通じてアンタナナリボ空港に届いたCOVID-19ワクチン。(マダガスカル、2021年5月8日撮影)

ワクチン・ナショナリズムをとるか、あるいは、人類の連帯をとるかという選択を、私たちは迫られています。

国際社会による効果的な活動のおかげで、新型コロナウイルス感染症を予防する複数のワクチンが開発・製造されました。世界保健機関(WHO)、GAVIおよびCEPIが主導するCOVAX(コバックス)は、世界中の人々にワクチンを確実に届けるために最善の努力をしています。COVAXは、2021年末までに世界人口の20%(低所得国の最も脆弱な人々)に新型コロナワクチンを届けることを目的としていますが、この目標を達成できるかどうかは、まだ明らかではありません。一方で、調査によると、自国の人々のみにワクチン接種を集中させることで、世界のGDPが今年だけで最大9.2兆ドルもの損失(その半分は高所得国が負担)を被るリスクがあると示されています。

世界規模のワクチン接種を展開することは、単にお金だけの問題に留まりません。より広範なワクチン接種を実現するためには、複雑な物流、インフラ、規模の課題に対処しなければなりません。ACT-A (Access to COVID-19 Tools (ACT) Accelerator)は、新型コロナウイルス感染症の診断や治療に関する製品の開発・製造・流通を促進する手段を提供することを目的としています。ACT-Aは、技術、知的財産、製造などに関する情報共有の必要性を認識し、その実現を目指しています。

しかし、成すべきことはまだ多くあります。少しだけ例を挙げるとすれば、情報の共有、技術の継承、製造工程の強化などは、国や民間セクターの積極的な関与が必要です。

世界の不平等に対処するためのリーダーシップを

ウッタル・プラデーシュ州の病院にあるユニセフが支援した冷蔵庫にワクチンを保管する様子。(インド、2021年5月20日撮影)

© UNICEF/UN0465073/Vishwanathan

ウッタル・プラデーシュ州の病院にあるユニセフが支援した冷蔵庫にワクチンを保管する様子。(インド、2021年5月20日撮影)

だからこそ、私たちは世界のリーダーたちに次のことを呼びかけます。

  1. ワクチンの提供、知識や知見の共有、COVID-19の診断・治療薬とワクチンの公平なアクセスと実施を目指して活動しているACT-Aに十分な資金を提供することで、各国間におけるワクチンの公平なアクセスを確保する。
  2. 各国国内においても、ワクチンの公平なアクセスを確保する。住んでいる場所や、誰であるかに関わらず、すべてのセクターの人々がワクチン接種事業の対象に含まれるようにする。保健・医療へのアクセスが難しい、社会的に疎外されたコミュニティも含まれる。
  3. COVID-19の感染抑制が単独の目標ではなく、より広範な保健・医療戦略の重要な要素となり、人々の健康と医療へのアクセスを長期的に改善するために地域社会とともに取り組めるよう、財政的、政治的、技術的に各国を支援する。私たちはそれぞれの機関において、地域社会や自治体の活動のために、できる限りの支援を提供することを約束する。

今こそ、断固たるリーダーシップが求められています。世界中の国々と組織には、世界の不平等に対処し、この1年で生じた課題を解決する、一世代に一度のチャンスを手にしています。それらに取り組むことで、世界で最も貧しい人々だけでなく、私たち皆に希望をもたらすことができるでしょう。

 

(共同宣言 署名者)

  • The Most Reverend Justin Welby, Archbishop of Canterbury
  • Peter Maurer, President of the International Committee of the Red Cross
  • Bishop Ivan M Abrahams, General Secretary of the World Methodist Council
  • HE Elder Metropolitan Emmanuel of Chalcedon, Ecumenical Patriarchate
  • The Reverend Dr Chris Ferguson, General Secretary of the World Communion of Reformed Churches
  • Dr Tedros Adhanom Ghebreyesus, WHO Director-General
  • Filippo Grandi, United Nations High Commissioner for Refugees
  • Henrietta H. Fore, Executive Director, UNICEF
  • The Reverend Dr Martin Junge, General Secretary of the Lutheran World Federation
  • Dr Azza Karam, Secretary-General, Religions for Peace
  • Francesco Rocca, President of the International Federation of Red Cross and Red Crescent Societies
  • Rabbi David Rosen, Co-President, Religions for Peace
  • Sheikh Ahmed al-Tayeb, The Grand Imam of al-Azhar
  • HE Cardinal Peter Turkson, Prefect of the Dicastery for Promoting Integral Human Development, Rome

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