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日本ユニセフ協会
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COVAX 共同声明
各国が新型コロナワクチンの追加提供 米国5億回分、日本6,000万回分

【2021年9月23日  ジュネーブ/ニューヨーク/オスロ発】

COVAXを通じた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンへの世界的に公平なアクセスを目指し、世界中の指導者からの更なる支援を求めるため、以下の共同声明が発表されました。

* * *

各国がワクチンを追加提供

COVAXを通じて米国から届いた25万回分のモデルナ製COVID-19ワクチン。(コンゴ民主共和国、2021年9月6日撮影)

© UNICEF/UN0513821/Mulala

COVAXを通じて米国から届いた25万回分のモデルナ製COVID-19ワクチン。(コンゴ民主共和国、2021年9月6日撮影)

米国主催の新型コロナサミットに出席した世界のリーダーたちは、COVAXを通じてすべての国に新型コロナワクチンへの公平なアクセスを確保するというコミットメントを再び明確に示し、加速するパンデミックを終息させるためにはそれが必要不可欠であることを指摘しました。過去18カ月間に開催されてきたサミットや国際会議における様々なコミットメントが生み出した世界的な気運と結束を基に、COVAXとワクチンへの公平なアクセスについてさらなる誓約がなされました。

今回のサミットの主催国である米国は「世界中にワクチンを」という目標を掲げ、その一環として、低所得国・低中所得国に対し、COVAXを通じて5億回分のファイザー製ワクチンを追加提供すると約束しました。これらのワクチンに、6月に発表された米国のファイザー製ワクチン5億回分と、9,000万回分以上の余剰ワクチンを加えると、米国がCOVAXを通じて提供するワクチンの総量は約11億万回分にものぼります。すでに約束された分のワクチンが配送中であるため、これらの追加分は2022年1月から利用できるようになります。

また米国と欧州連合(EU)は、世界的なパンデミックに立ち向かうための共同アジェンダを発表し、COVAXとのワクチン供給と重要な準備活動の支援を再度強調するとともに、他国にも同様の取り組みをするよう呼びかけました。特に、プロセスの持続性を最大限に高め、ワクチンの廃棄を最小限に抑えるために、予測可能で効果的なワクチン供給の重要性を強調しました。これまでの誓約に基づき、欧州チームは2022年半ばまでに5億回分のワクチンを提供することを約束しました。

日本6,000万回分の寄付を約束

COVAXを通じてノルウェーから届いた12万4,500回分のアストラゼネカ製COVID-19ワクチン。(ザンビア、2021年9月17日撮影)

© UNICEF/UN0522493/James

COVAXを通じてノルウェーから届いた12万4,500回分のアストラゼネカ製COVID-19ワクチン。(ザンビア、2021年9月17日撮影)

南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領は、アフリカ諸国にワクチンを提供する上で、アフリカ連合(AU)とアフリカ・ワクチン入手トラスト(AVAT)がCOVAXと緊密なパートナーシップを築いていることを強調し、高所得国に対しては、ワクチンを優先的に確保できる立場をアフリカ諸国に譲り、アフリカ大陸全体のワクチン接種率を高めるという共通の目標に向けて、AUとCOVAXを支援するよう呼びかけました。

スウェーデンは、すでに誓約しているGAVIアライアンスとCOVAXによるワクチンのための事前買取制度(AMC)への2億8,500万米ドルの支援に加えて、2021年から2022年にかけて、AMC対象国における新型コロナワクチンへの公平なアクセスを支援するために、21億クローネ(約2億4,300万米ドル)の資金支援とワクチン寄付行うことを新たに発表しました。

これらのコミットメントと並行して、いくつかの国がCOVAXを通じて世界各国にワクチンを追加提供すると誓約しました。スペインは750万回分、イタリアは年内までに3,000万回分、そして2021年6月にGAVIアライアンスとCOVAXワクチンサミットを開催した日本は、約6,000万回分の寄付を約束しました。さらに、デンマークは今週の国連総会において、ワクチンの寄付を2倍にすることを目指すと発表し、すでに約束されている分は600万回分にのぼります。

輸出規制の解除も

COVAXを通じてフランスとイタリアから届いたCOVID-19ワクチンを確認するユニセフのスタッフ。(ベトナム、2021年9月14日撮影)

© UNICEF/UN0520051/Viet Hung

COVAXを通じてフランスとイタリアから届いたCOVID-19ワクチンを確認するユニセフのスタッフ。(ベトナム、2021年9月14日撮影)

ユニセフ(国連児童基金)事務局長のヘンリエッタ・フォアは「私たちは、低所得国にワクチンを提供するという、世界中のリーダーたちの新たなコミットメントを歓迎します。来年、5億回分を追加提供すると約束した米国に続き、欧州連合(EU)、デンマーク、日本、イタリア、スペインも追加提供をすると発表したことを称え、これらが早急に実行されるよう望んでいます。今年初めに発表された支援のうち、実際に提供されたワクチンはわずか12%に過ぎず、低所得国の人々はこれ以上待つことはできません。各国がワクチンの寄付計画をより推進させることを強く求めます」と述べました。

先日COVAXは、最新の供給予測を発表しました。これによると、各国へのCOVAXを通じたワクチンの提供は加速しており、年末にかけて劇的に増加し続けるものの、大きなリスクが残ると推測されています。

それを受け、COVAXのパートナーは、すべての輸出規制を解除すること、ワクチン製造業者がCOVAXへのコミットメントを果たし、配送スケジュールや所要日数の透明性を確保することを緊急に求めています。また、COVAXは、すでに高いワクチン接種率を達成している国に対し、ワクチンを優先的に確保できる立場を、COVAXとその支援対象である低・中所得層国に譲ること、そしてワクチン供給の拡大、加速、システム化により、より多くの量、リードタイム、貯蔵寿命が実現し、各国がワクチン展開に向けてより良い準備ができるようにすることを呼びかけています。

これまでに、COVAXは142カ国に3億回分以上のワクチンを提供してきました。最新の供給予測によると、COVAX AMCが支援する低所得国では、2021年末までに合計約12億回分の接種が可能になるとのことです。これは、インドを除く92のAMC対象国において、人口の20%、おとなの40%を守るのに十分な量です。COVAXの重要なマイルストーンである20億回分の接種は、2022年の第1四半期中に達成される見込みです。

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