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日本ユニセフ協会
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世界的な教育危機に取り組む 新たな基金が設立
「Education Cannot Wait」
緊急時下こそ教育を

【2016年5月23日  イスタンブール発】

5月23日~24日の世界人道サミットで発表された新たな教育基金、『Education Cannot Wait(教育を後回しにはできない)』は、緊急事態下で教育を必要としている今後5年間で1,360万人の子どもたちに質の高い教育を提供することを目指しています。

新たな教育支援基金が設立

中央アフリカ共和国の難民が暮らす、カメルーン東部の難民キャンプで、ユニセフが支援する学習スペースに通う子どもたち。

© UNICEF/UNI188988/Rich

中央アフリカ共和国の難民が暮らす、カメルーン東部の難民キャンプで、ユニセフが支援する学習スペースに通う子どもたち。

世界の国際および国内機関は、5月23日、緊急事態や長期化する危機下で影響をうけている子どもや若者へ教育の機会を提供するため、よりよい支援の調整および投資促進を目的とした、新たな基金を設立しました。

今日、世界の学齢期の子どもの4分の1に相当する4億6,200万人が、現在危機に直面している国々で暮らしています。そのうち、教育の機会をすでに失っていたり、質が十分でない教育を受けていたり、あるいは、退学のリスクに直面している子どもと若者は、7,500万人にのぼります。

『Education Cannot Wait(教育を後回しにはできない)』は、緊急事態下の教育に力をいれるための新たな教育基金で、イスタンブールで開催された「世界人道サミット」(5月23~24日)で正式に発表されました。基金設立の目的は、紛争や自然災害、感染症蔓延などの危機的状況下で暮らす1,360万人以上の子どもと若者に、今後5年間で質の高い教育の機会を提供すること、さらには2030年までに教育を切実に必要としている7,500万人の子どもたちも支援を提供することです。

 

世界的な教育危機

破壊された学校の教室(イラク)。

© UNICEF/UNI199916/Jemelikova

破壊された学校の教室(イラク)。

世界中で、暴力や武力衝突、自然災害、健康を脅かす危機によって、教育システムは破壊されています。これにより、安全で力強いコミュニティと経済を築くために将来必要となるスキルを、子どもたちから奪っています。

世界の人道支援要請額うち、教育に充てられているのは、平均でわずか2%です。さらに言えば、長期化する危機に対応できる体制が整った教育システムは、短期間で不測の要請を基盤としては築くことができません。

5年以内に36億5,000万米ドルの資金調達を目標とする「Education Cannot Wait」は、予測できる資金によって、危機下における人道支援と、その後の長期的な開発支援との間にあるギャップを埋めることを目指しています。

緊急時下だからこそ必要な教育

ユニセフ事務局長のアンソニー・レークは、次のように述べています。

「子どもたちが教育を必要とするのは、平常時と緊急時とで同様ではありません。緊急時下だからこそ特に、教育を必要とするのです。教育を受けることなく、どのようにして自分自身の未来を描くための知識やスキルを得ることができるのでしょう。将来、どのようにして、自分たちが暮らす社会の、より平和でより安定した未来を築くための力となりえるのでしょうか。

今日、世界の学校に通えない子どもたちのおよそ半数を占めている、人道上の緊急事態下に置かれている子どもたちに手を差し伸べずに、どうやって、教育分野における世界の開発目標を成し遂げる希望が持てるのでしょうか」

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